仙台やすらぎの杜整体院の「整体」と「体」に関する考え方を解説しています。

整体的体の考察

「体」とはどんなもの?体を整える整体とは?どういう状態が整った状態なのか?

いろんな考えがあるし、考えるほどに奥深い。

仙台やすらぎの杜整体院の「体」「整体」についての考えを綴ってみます。

整体と解剖学的な体

解剖学の本を開くと、骨とか筋肉とか靭帯とか、内臓とか血管とか体の各部について書かれています。

お医者さんは解剖について詳しく勉強するし、国家資格だろうと民間資格だろうと、手技療法を行なう以上は解剖学の知識は必要です。でも解剖を詳しく知っているからよい治療家・施術家になれるかというとまた別の話です。

人間の体が機械のようなものだったら解剖学さえきちんと勉強すれば、治すことも簡単かもしれません。でも人間の体は気持ちの変化の影響も受けるし、暑さ寒さの影響も受けます。解剖学に詳しいからといって、簡単に人の体を治すことはできません。

逆に、解剖学の知識がなくても人を癒したり、治癒を促進させることは可能だと思いますが、やはり体に関わる仕事をしている以上、体の構造についての知識はあったほうがいいです。それもたくさんあったほうがいいです。

詳しく、細かく知るほどに、体の内部も見えやすくなります。透視ができるわけじゃないけれど、イメージで透視しているような感じです。

整体を行なう上では解剖学的な体について詳しく理解しておく必要があると考えています。(でも結構忘れるので時々復習しています。)

ネッター解剖学アトラス
相磯 貞和
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体の動きの制限からの解放

体は常に動いています。じっと動かずに静止して座っているように見えても、バランスを取るために微妙にゆれています。たとえ寝てじっとしていても、心臓は動いているし、呼吸もしているので横隔膜も呼吸筋も肋骨も動き続けています。

体はいつでも動き続けている物体ですから、それらの動きが制限されると何かしら不都合が発生します。

体の動きには8種類あります。わかりやすいように腰の動きで考えると、前屈・後屈・右回旋・左回旋・右側屈・左側屈・牽引・圧迫の8種類です。

体に不調を感じるときには、どこかの関節や骨格に上記の8種類のいずれかの動きの制限が生じていることがほとんどです。(絶対ではありませんが)

整体の仕事としては、その動きの制限を解放してあげるお手伝いをします。動きの制限がはずれるだけで、体は調和に向けて自然と変化します。

体の動きは柔らかく動ける方がいいのです。赤ちゃんや小さい子供はへんてこな格好で寝ても体を痛めることはほとんどありませんが、大人になって体の動きが硬いなると、ちょっとしたことで寝違えたりギックリ腰になったりします。

だけど、中には体の柔軟性が硬いけど健康的に暮らしている人や、体が柔らかいけど不調な人もいますから、動きが柔らかければそれでよし、というわけでもありません。

でも患者さんを見ると動きが硬い人がほとんどですので、硬いよりは柔らかい方がいいと考えています。

動きの解剖学I
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動きのパターンと体

解剖学では、上肢とか下肢とか頚部とか頭部とかいろいろと分類しますが、それは人間が勝手に名づけただけです。

机の上のりんごをつかもうとした場合に、どの関節を何度曲げて、伸展だの屈曲だの考えなくても、りんごをつかもうと考えただけでほぼ自動的に腕を伸ばしてつかむことが出来ます。

腕を伸ばして手の指をつかってりんごをつかむ、という動作をするためには実にいろんなことを体はやってのけています。

Aさんと、Bさんに、同じように腕を伸ばしてりんごをつかむという動作をやってもらったときに、おそらくAさんはAさんなりの腕の伸ばし方をするだろうし、BさんはBさんなりのりんごのつかみ方をすると思います。

腕を伸ばしてりんごをつかむという単純な動作でも、動作の軌跡は人により違います。同じような動作をするのでも、その人の動きのパターンに違いがあるのです。

皆それぞれ成長する過程で動きのパターンを自然に身につけています。

姿勢や動作のクセ、といってしまえばそれまでですが、人によってはよからぬクセをずっと持ち続けている場合もあります。本当はもっと楽に動作ができるのに、わざわざ疲れるような動きのパターンを身につけてしまっている場合もあります。

また、関節や骨格の動きに制限があるために、動きのパターンが限定されてしまっている場合もあります。

整体で動きの制限を解放することで、新しい動きのパターンを体に気づかせることができます。

しかし、せっかく動きの制限を解放しても、古いパターンの動作をくり返していると、また元の状態に戻ってしまいます。

動きの制限を解放すると同時に、新しい動きのパターンに気づき、さらにそれを体に記憶させることも大切であると考えています。

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Sarah Barker
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連動装置としての体

体のどこかある部分を動かせば、別の部分も動きます。関節と骨が動くためには、周りの筋肉、筋膜、皮膚も同時に動きます。

ある動作を行なうときに、様々な骨や関節や筋肉や筋膜や皮膚が同時に動きます。これを連動と言います。

体には各部が連動するシステムが備わっています。体を痛めるような連動もあれば、痛みを和らげるような連動の仕方もあります。整体ではその連動の仕組みを利用して、体のバランスを整えます。

ですから、患部を触らないでも患部の痛みが和らいだり消失したりということが起こります。

連動の仕方も個人差があり、この症状のときはこのように連動させれば改善する、というように単純なものではありません。その人のその時のちょうどいいように体を連動させることで症状が楽になったりします。

整体をやっていて面白いと感じるのが、どのように連動すれば体が楽になるのか、ということを実は体自身が知っているんです。

患者さんも頭ではわからなくても、ちゃんと体が知っているんです。スイッチが入ると体が無意識に動き始めることがあります。(自発動)まさに自然の叡智であり、自然治癒力です。

そのことを知識ではなく、体験として味わっていただくことが整体を受ける醍醐味でもあり楽しさでもあります。うちの整体院の患者さんからは「通院するのが楽しい!」という言葉をいただくことが多いのです。

しかし、知識ではなく体験ですから、その患者さんの感覚で味わっていただくしかありません。感性の違いや患者さんの心身の準備状態により、すぐに体の面白さを体験できる人と、ある程度時間がかかる人もいます。

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飲食物と体

あたりまえすぎて軽視されがちですが、人間の体は口から入れる飲食物から成り立っています。

つまり体の材料は食べ物や飲み物です。

例えば、甘いものばかり食べ過ぎている人の体は、触った感じも「この人は甘いものが好きそうだな」という感じになります。

長年お酒を毎晩飲んでいる人の体も、「この人はお酒が好きそうだな」という感触になります。

マクロビオティックという学問があります。マクロビオティックでは陰と陽のバランスをうまく取りながら、健康に楽しく生きる方法を説いています。マクロビオティックは生命に関する学問ですが、「マクロビ=食養生」と思っている人も多いかと思います。食べ物に関することがピックアップされていますね。

マクロビの理論によると、陰性が強い食品をたくさん食べていると、体質も陰性に傾きます。陽性が強い食品をたくさん摂っていると、体質も陽性に傾きます。

陰と陽とどちらが良いとか悪いとかではなくて、バランスの問題です。体質が陰性に傾いていれば陽性の食品を摂ってバランスを取るのです。

整体院に来院する患者さんの体質も、陰陽バランスが大きく崩れていたりします。そんな場合は、整体の手技療法だけでは当然不十分で、食べ物が原因でそのようになっている場合は食べ物の陰陽バランスを整える必要もあります。

整体に来られた患者さんで、陰性が強い体質の人の体は、触った感じが「ふにゃ」「ぽちゃ」という感じがします。言葉で正確に表現しにくいのですがそんな感じなのです。甘いものが大好きで毎日食べている人の体は触った感じでわかります。

マクロビオティック入門―食と美と健康の法則
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粒子の集合体としての体

体を小さな粒子の集合体だという考えは池上六朗先生の三軸修正法の本を読んで、非常に面白い考えだと思いました。

興味がある人は三軸修正法の関連本を読んでいただくと非常に面白いですよ。

体を筋肉とか骨とか関節とか筋膜とか、そういう単位で考えるのではなく、粒子の集合体として考えます。それで体に動きを与えたときにその小さい体内の粒子たちがどう変化するのか、ということを考えるのです。

三軸修正法では、体と地球の自転や公転との関連も考えながら、体は地球からどんな力の影響を受けているのか、そして体に回転の動きを与えたときに物理の法則としてどんな影響を及ぼすのか、というような独特の視点で考察します。

実際に自分の体で実験してみると、ちょっとした動きを体に与えるだけで、関節や筋肉の状態がガラッと変化してしまうようなことが起こります。患者さんに試してみても同様です。

また、万有引力は宇宙にある惑星どうしだけの話ではなく、我々の体どうしにも常に働いていますし、身の回りの物質にも働いています。そういう物体同士の影響力も非常に面白いです。

体の近くで、ボールペンでも何でもいいから何かしら物体を動かすと体の柔軟性は変化します。

患者さんに触らないでも、患者さんが一切動かなくても、患者さんの体のそばで物体を動かしたり、例えば私が何かしら動作をするだけでも患者さんの体には変化が起きます。

体に対して固定概念があると、このような変化はなかなか理屈では受け入れがたいですが、実際にそのようなことが起こるわけです。体って面白いのです。

三軸修正法―自然法則が身体を変える!
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筋・筋膜ネットワークと体

解剖学的に筋肉の勉強をすると、筋肉の名称とどこから始まって(起始)、どこにくっついている(停止)ということや、個別の筋肉の作用を覚えることになります。

しかし、解剖学の教科書で解説されている以上に、全身は繋がっています。筋肉も筋膜も一般的に考えられている以上に繋がりあっています。

「連動装置としての体」のところで書いたように、全身の筋肉や骨格は連動して動くことでバランスが崩れたり整ったりします。

しかし、体のある部分の筋肉や筋膜が変化すると、たとえ骨格が連動して動かない場合でも、遠隔部位に変化が及びます。

例えば、首を回旋させると痛いという場合に、足首の筋肉や筋膜にアプローチして首の痛みが消えることがあります。

腰が痛い場合に、腕の筋膜にアプローチして腰の痛みが消えることもあります。

解剖学の教科書をいくら読んでも、頸椎の回旋と足首の筋肉との関連など書いてありません。でも実際にはアキレス腱の緊張を緩めると首の動きが楽になったりということが起こるのです。

筋肉や筋膜のネットワークがどのように繋がりあって、どのような動作に影響するのか、ということを学ぶと非常に面白いです。

筋膜の研究をしている先生の中には、歯の噛み合わせや顎関節症を足の指で調整してしまうような歯医者さんもいます。

歯はいのち!―気持ちよく噛めて身体が楽になる整体入門
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感情と体

感情と体も深く繋がっています。

嬉しそうな人を想像してみてください。ニコニコして、胸は開いてスキップしているかもしれません(笑)

嬉しい感情は、筋肉に伝わり、筋肉は嬉しさを表現します。悲しい人は悲しい顔をしているだろうし、悲しそうな姿勢をとっています。

文化、地域で多少の違いはあるでしょうが、だいたい嬉しい人はどんな国の人でも嬉しそうだということがわかります。世界共通です。

鬱病の人はたいてい背中を丸めたうつの姿勢になります。

東洋医学では五臓六腑と感情は対応しています。西洋の直観医療でも肺は悲しみ、肝臓は怒りや罪悪感、大腸は不安・・・などと身体と感情が結びついているとしています。

体の症状が、抑圧された感情から引きおこされるケースもあります。ニューヨーク医科大学のサーノ博士はTMS(緊張性筋炎症候群)理論において、腰痛の原因は抑圧されたネガティブな感情であると述べています。

小さい子供のように感情を素直に表現できればいいのですが、大人になるとなかなかそうはいかないこともあります。じっと我慢しすぎて我慢に我慢を重ねると、積もり積もったネガティブな感情のエネルギーが、体内の臓器や骨格や筋肉や神経システムなどにも影響を及ぼします。

仙台やすらぎの杜整体院では、ネガティブな感情を解放するお手伝いもしています。EFT(感情解放テクニック)という手法を用いて、感情のしこりを解きほぐします。詳しくはEFTの解説ページをご覧ください。

感情地図 ―心と身体を元気にする最高の方法
鎌田裕子
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代謝する体

健康な体とはどういう状態か細胞レベルで考えると、酸素と必要な栄養が十分に細胞に行き届いて、老廃物がきちんと細胞から排出されることです。

すなわち新陳代謝がスムーズに行なわれているかどうかが、健康な体を考える上で、一つの重要なカギになります。

細胞に酸素や栄養が上手く届かない状態が長く続くと、痛みや痺れ、疲れやだるさなどの症状が現れます。

心身の緊張が解けて、リラックスすれば末梢の血流も促進します。その結果、症状も改善することが多いでしょう。

筋骨格系の症状は、構造的な問題よりも生理的な問題が原因になっている場合がほとんどです。整体やカイロプラクティックの先生は体の構造に対してアプローチして、その結果症状が楽になるので構造的な問題が直接の原因だと信じている人も多いですが、私は構造にアプローチすることで血流などの生理的な変化を引きおこし、その結果楽になると考えています。

シャワーの習慣しかなかった腰痛の人が、毎日しっかり入浴して体を温めるだけで腰が楽になったりします。

体の見方を広げる

上にいろいろ書いたように体をいろんな視点から捉えれば、アプローチの方法もたくさん見えてきます。もちろん上に挙げた見方は体の見方のほんの一部の例を挙げてみたに過ぎません。

一つの見方しかできなければ、対応できる幅も限られます。どんなに素晴らしい治療法やテクニックでも、それで何でもかんでも対応できるわけではありません。

仙台やすらぎの杜整体院のスタンスとしては、この患者さんの体がどのような刺激を必要としているのか、ということを大切に考えます。理論やテクニックよりも患者さんの感覚を優先します。

頭が必要としている刺激ではなくて、体が必要としている刺激です。

手技療法の世界には様々な理論とテクニックが存在します。どの理論も理屈は立派だし、筋も通っています。だけど、その患者さんがその刺激を必要としていない場合に、「そうすべきだから」という理由で刺激を与えたとしても、その人の体が望んでいることと異なっている場合、望むような変化は得られません

それでは施術する側の押し付けになってしまいます。

私は様々な治療法、テクニックを学びましたが(現在も学び続けています)、いつも「本当にそうだろうか?」と自分で考えるようにしています。アメリカの偉い博士がそのように書いているからいつでも真実である、というわけではありません。私は手技療法におけるすべての治療理論はひとつの仮説に過ぎないと思っています。

そして自分なりに納得できる部分、使える部分をピックアップして寄せ集めて活用しています。所詮仮説であるものを絶対にそうだ、と考えた時点で矛盾が生じるのです。

手技療法にこだわらない、流派にとらわれない、理論にしばられない。とにかく目の前の患者さんが楽になって喜んでくれたらそれが正解だと思っています。

整体というお手伝い

整体院を開業して、来院される皆様の健康を取り戻すお手伝いをさせていただいていますが、私に出来ることはほんの少しのお手伝いです。だけど時にちょっとしたお手伝いで体がガラッと変化することが起こります。体だけでなくて心もガラッと変わります。

しかし、結局症状の原因はその人の人生(毎日の生活)にありますから、「整体で一発で治してもらおう」と思って来院したところで、たいして治りません。整体を受けて多少症状が楽になっても生活が変わらなければいずれまた元に戻ります。

だから私は来院した方に「私は治せませんよ」「私は治しませんよ」ということを平気で言います。かといって、やる気がないわけでも、いいかげんな気持ちで仕事をしているわけではありません。私がお伝えしたいことを理解してくださった方は生活の改善にも意欲的に取り組まれますから回復の程度もとても良いのです。

「私は治せません」と宣言する理由についてもいずれ改めて書いてみたいと思います。

(2010年5月)