痛みがストレスになり、また新たな痛みを作り出す仕組みを解説します。

痛みが痛みを呼ぶメカニズムを解説します。

自律神経のバランス

自律神経失調症に限らず、多くの慢性痛には自律神経が関わっています。
自律神経は全身の生理作用を調整していますから、自律神経が関与しない病気はないといってもよいくらいです。

風邪であってもガンであっても自律神経の働きが乱れることが関係しています。
広い意味ではどんな病気も自律神経失調です。
症状の原因がよくわからない場合に自律神経失調症と診断されることもあります。

交感神経と副交感神経のバランスがうまく保たれているときは健康ですが、どちらかが優位に傾いたままの状態で固定してしまうと、なんらかの症状が出てきます。

交感神経の緊張と痛み

人にストレスがかかると交感神経が優位に働きます。
心臓の鼓動は強くなり、抹消の血管は縮まり、消化活動も低下します。
これはストレスに対する反応といえます。

ストレスから解放されると副交感神経が優位になり、体の中の生理的バランスも整うのですが、ストレスが長期にわたって続くと、常時交感神経が優位の状態になり、体の負担が大きくなります。

またストレスによって体の痛みが増加することが知られています。
ストレスがかかるとどのようにして体の痛みを発生させるのか見てみましょう。

<ストレスと痛みの関係>

ストレス→交感神経優位→血管収縮→抹消循環障害→組織の酸素欠乏→発痛物質の産生→知覚神経の興奮→痛み

ストレスが心身にかかると、交感神経が優位になります。
自律神経は全身の血管に張りめぐらされていますから、交感神経の働きで血管は収縮します。

とくに心臓から遠い抹消の部分では血液が流れにくくなります。
血液の働きは組織の細胞に酸素と栄養を運び、二酸化炭素と老廃物を回収することです。(新陳代謝)

血液が不足した部分の組織は酸素が足りなくなります。
そうすると、ブラジキニンやプロスタグランジンといった痛みを感じる発痛物質が放出されます。これらの物質が知覚神経を興奮させ痛みが生じるのです。

自律神経のシーソーバランスは全身の60兆の細胞に影響を与えます。
「嫌だなぁ」「つらいなぁ」「苦しいなぁ」「痛いなぁ」という感情も交感神経を刺激します。
心が体に影響を与えるとよく言いますが、それは自律神経のバランスのことだったのです。

痛みの悪循環

痛み→ストレス→交感神経優位→血管収縮→抹消循環障害→組織の酸素欠乏→発痛物質の産生→知覚神経の興奮→痛み→ストレス→・・・・・

痛みが新たなストレスをつくりだし、ますます交感神経優位の体質になります。
そうするとなかなか痛みがなくならなかったり、痛みを強く感じるようになったりします。

慢性痛といわれるものは直接的な痛みの原因がなくなっているのにもかかわらず、長期にわたって痛みが続くことを言います。そのような場合は上記のような、痛みの悪循環におちいっている可能性があります。

痛みそのものもストレスになりますし、なかなかよくならないストレス、不安、イライラなども交感神経を刺激します。
早期に痛みの悪循環から抜け出すことが必要です。

痛みの悪循環からの脱出

痛みの悪循環の鎖を断ち切ってしまえばよいわけです。そのためにはいくつかの方法があります。

副交感神経を刺激する

  • 各種リラックス法
  • 呼吸法
  • リラクゼーション・マッサージ等
  • 恐怖・不安の解消(メンタルケア・タッピングセラピー等)

血流を促進する

  • 入浴(半身浴)、温泉
  • 温熱療法
  • マッサージなどの物理療法・手技療法
  • ストレッチ、運動療法など

発痛物質の産生を抑える

  • 鎮痛剤等薬物療法(西洋医学)

当院では民間療法の立場から、その方の症状・体質・性格に合わせて心と体に対する施術を行ないます。

心に対しては「痛みに関する正しい情報提供」やEFT(感情解放テクニック)により不安を取りのぞきます。
不安な気持ちが症状の悪化を促進させてしまいます。
体に対しては気持ちよさという原始感覚に基づいて、体の声を聞き分けながら施術を行ないます。

リラックスしていただきながら副交感神経を刺激し、血流の回復を促していきます。