近年、起立性調節障害(OD : Orthostatic Dysregulation)という病名を耳にする機会が増えました。小学生や中学生を中心に思春期の子供に多い病気です。子供版の自律神経失調症のようなものです。

このページでは起立性調節障害の症状と必要な改善対策、そして整体のアプローチについて書いてあります。病院へ通ってもなかなか改善せずにどうしたらよいのかわからずに困っている方も多いです。

子供本人のみならず、親御さんもとてもお辛いことと思います。当院では起立性調節障害について従来の医学や一般常識とは異なる観点からアプローチしています。このページの情報がお悩みの方に何か一つでも参考になれば幸いです。

まずは、起立性調節障害とはどのような病気なのか、というところから見ていきましょう。

起立性調節障害の症状

起立性調節障害の症状は以下にまとめてみました。

  • 朝起きられない
  • 頭がフラフラする
  • 全身がだるい
  • 食欲がない
  • 長く立っていられない
  • 動悸
  • 不安感
  • 頭痛
  • 不眠
  • 集中力がない

等など。

これらの症状を眺めてみると気づくことがあります。それは自律神経失調症やうつ、パニック障害などの症状とも共通しているものが多いことです。

小学生や中学生が上記のような症状で困って、親に小児科などの病院に連れられていくと起立性調節障害という病名をつけられるケースが多いのではないでしょうか。

当院には自律神経失調症などでお悩みの大人の方も数多く通院していますが、近年は同様の症状で困っているお子さんが親に連れられて来院するケースも増えてきました。

起立性調節障害が治らない理由

このページの文章を読んでいる方は起立性調節障害に悩んでいる小学生や中学生よりも、その親御さんが多いのではないかと思われます。

子供さんのことをもっと楽にしてあげられる方法はないものか?とネットでいろいろと情報を検索していることとお察し致します。

ここで、まず起立性調節障害に限った話ではありませんが、なぜ人が病気になるのかという根本的でかつ本質的な話をしたいと思います。この話を理解されると回復に向けての扉が大きく開く可能性がある大切な話です。

子供さんがだるい、朝起きれない、夜眠れない、立ち上がるとクラクラする、などと言う症状を訴えて学校を休みがちになるとたいていの親は小児科や内科の病院に連れていくかと思います。

そして、血液検査などをしても異常が見つからないと不安になります。ところが、これは起立性調節障害という病気なのですよ、と病名を言われるとある意味安心してしまったりもするのです。

「ああ、うちの子は起立性調節障害という病気だったんだ。病気なんだから仕方がない。」という気持ちも少なからず生じることがあります。まったく原因もわからないことと比べたらそういう病気なのだとわかるだけでも安心するものです。

そして、病気なのだからこれは病院に通院して治してもらえばよいのだ、と思うわけです。ところが、こういう病気は病院に通院しながら精神安定剤や症状を抑える薬を飲み続けてもなかなか思うような改善が見られにくいのが現状です。

西洋医学で行われていることは原因を取り除くことではなく、症状を抑えること。つまり対症療法がおこなわれていることがほとんどです。対症療法とは今出ている症状を薬で抑えようとすることです。

しかし、今出ている症状はそれなりの原因があって出ているわけです。本当はその原因に目を向けていく必要があるのですが、原因をそのままにして出ている症状を消すことだけをしていれば、いつまで経っても治らないというわけです。

息食動想、環境と健康

人間は呼吸をして食事をして体を動かして何かを考えて生きています。呼吸、食事、動作、精神活動。この四つは他人に変わってもらえませんから自己責任行動と呼ばれています。

この四つの自己責任行動に環境を加えた5つの要素が、健康と深く関係しています。大人でも子供でもそれは同じことです。当院の整体(多次元操体法)のベースである操体法ではそのような考えがあります。

中でも、息食動想の四つの自己責任行動が自然の法則と不調和を起こしているとそれをお知らせするために病気や症状として現れるとされています。

これはどんな病気についても同様に適用される考え方です。ガンであっても肩こりであっても同じです。当然起立性調節障害や自律神経失調症なども同じです。何かしらの原因が日常の生活の中に存在しているからこそ結果としての症状が現れているのです。

「病気とは何か」ということについて別のページにも詳しく書いたので是非読まれてみて下さい。⇒病気の意味

この考えに対する理解がベースにあるかどうかで、その後がだいぶ変わってきます。

起立性調節障害 仙台市

起立性調節障害の根本的改善

起立性調節障害の症状を一時的に緩和するのであれば、病院で薬をもらうというのも一つの選択肢です。強く出ている症状もその子供によって違いがあります。

めまいがひどい人、眠れなくて困っている人、食欲がない人等など。出ている症状はそれぞれであり具体的な原因も人それぞれです。

しかし、共通していることは本来の身体の機能を発揮することが出来ていないということです。その原因としては自律神経のバランスが乱れるような生活習慣にあります。

生活習慣の改善が必要

大人の自律神経失調症も子供の起立性調節障害もそれは同じだと考えています。生活習慣を改善していかないことには、今のままの生活を続けて薬を飲み続けていたとしても根本的に解決することは難しいでしょう。

それは病院でなく、当院のような整体院に通院しても同じことです。整体を受けて身体はその場で楽になることも多いです。しかし、同じ生活パターンを繰り返していれば必ずまた元の辛い状態に戻ってしまいます。

ですから、必要に応じて出来るところから生活を変えていくという覚悟と決心が必要です。親だけでなく本人も一緒に生活を変えていこうという気持ちが必要なのです。

なぜ病気が増え続けているのか?

起立性調節障害、うつ、自律神経失調症、パニック障害、これらの病気は近年どんどん増加しています。医療がどんどん発展しているのになぜこんなに病気が増えているのか。

病気を作りだす原因も世の中にどんどん増えているのです。2人に1人がガンになる時代。皆と同じように生活していればほとんどの人が何かしらの病気になります。そんな時代です。

健康に過ごしたい、病気を根本から改善したい、と言う方は皆と同じようにしていてはいけないのです。これまで常識と言われてきたことも含めて疑ってかかる視点も必要です。

起立性調節障害への整体施術

起立性調節障害の子供さんへの整体施術は、基本的に自律神経失調症やうつでお悩みの大人の方への施術と同様の考えに基づいて施術を行っていきます。不快な痛みを伴うようなことは一切しません。

ほとんどの子供さんが姿勢のバランスが乱れて、頸椎周辺へ強くストレスを感じています。首こりや肩こりの症状もあります。ですので、頸部、特に上部頸椎が自由になるように身体のバランスを調整します。

頸椎のストレスを解放するためには、頸椎周辺だけを見ていてはダメで、下半身や腕との繋がりなども考慮して整体を行っていきます。

姿勢を良くしましょう、と言ってもなかなか出来ないものです。それは骨盤を中心としてバランスが大きく乱れてしまっているために動きの自由度も姿勢を維持する機能も低下してしまっているのです。

そのような状態では頸椎や頭部にストレスがかかります。頭痛や自律神経失調症でお悩みの方は皆さんほとんどそのような身体のバランスになっています。起立性調節障害の子供さんも姿勢が乱れて、関節や筋肉の動きも制限されていることがほとんどです。

ですから、整体的アプローチとしては、子供さんが自由に動ける身体、つまり本来の身体のバランスを取り戻すための整体を行います。身体のバランスが調和すると筋肉の緊張が緩和します。血流も改善します。自律神経のバランスも安定しやすくなります。

しかし、私が症状を取り除くのではありません。その子供さんの身体の治癒力が高まると治っていくのです。しかし、薬を飲み続けても治癒力が高まることはありません。むしろ本来の治る力はどんどん失われていく危険性すらあります。

だから、病気が起きたときにそこにどう向き合い、どう対処していくのか、ということがとても重要なのです。やすらぎの杜整体院には自然治癒力を高めて自力で治したいという考えの方が多数来院しています。

逆に依存して「どうか治してください」という方はあまり得意ではありませんし、ご本人の生活改善の意志がないことにはお手伝いのしようもありません。そういう方はなかなか改善しにくい事も事実です。薬を長期間飲み続けている方も変化が持続しにくい傾向があります。

起立性調節障害と食生活の改善

近年、様々な症状が食改善で改善したり治癒することがわかってきました。高血圧や糖尿病やガンといった生活習慣病はもちろんのこと、腰痛や関節痛、神経痛などの身体の痛みや、うつや不眠、自律神経失調症なども食生活改善を同時に行うことでよりよい効果が得られる可能性が高まります。

分子整合栄養医学という比較的新しい医学分野があります。栄養で病気を治すという考え方です。ガンや高血圧などの慢性病の他、精神疾患にも良い効果が得られています。

たくさんの本が出版されていますが、子供さんの症状にはこちらの本がお勧めです。起立性調節障害のお子さんを持つ親御さんにとっても役立つ内容と思います。

子どもの「困った」は食事でよくなる (青春新書インテリジェンス)
子どもの「困った」は食事でよくなる (青春新書インテリジェンス)

また、現代人の食事は糖質の割合が非常に多くなっています。
疲れが取れない、だるい、朝起きられないといった症状も糖質の過剰摂取の影響である可能性もあります。

「疲れ」がとれないのは糖質が原因だった
溝口 徹
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糖質の過剰摂取に加えて、ビタミンやミネラル不足が加わるとさらに事態は深刻になります。うつの症状や自律神経症状に悩んでいる方の多くが食べ物を変えると症状も快方に向かいます。

 「うつ」は食べ物が原因だった! (青春新書INTELLIGENCE)
溝口 徹
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当院では身体のバランスの調整と併せて食生活改善のアドバイスを行っています。このページでは分子整合栄養医学の先生の本を紹介していますが、糖質制限をベースにしてサプリメントで栄養を補給していくという治療法です。

他にも糖質制限食やパレオ食といった食事法も推奨しています。多少の違いがありますが、基本的には糖質の過剰摂取を改めましょうという考えは共通しています。

起立性調節障害の中学生の整体症例

県外より中学生の女の子がご両親に付き添われて来院しました。小学生までは元気で食欲もあり大人と同じくらい食べていたそうです。

中学生になってなかなか朝起きらなくなり、頭痛もするようになったので小児科に行ったら起立性調節障害と診断を受けました。血圧昇圧剤を飲んでもほとんど効果も感じられず、どんどん夜は眠れない、夜中の2時頃に寝て朝は10時から12時頃にやっと起きるという状況で学校にも行けなくなりました。

別の病院でも起立性調節障害と診断を受け、違う昇圧剤を処方されるも効果なし。

この中学生の症状は

  • 朝起きられない(昼近くまで寝ている)
  • 頭痛
  • 脚が痛い
  • 立ちくらみ
  • 不眠(夜眠れない、眠くならない)
  • 背部痛
  • 乗り物に乗りたくない
  • 頭がぼーっとする
  • 朝起きるとだるい、疲れている
  • 気力がない
  • 集中力が続かない
  • 食欲がない お腹がすかない

来院時にお父さんがメモを持参してくれてだいたい上記のような症状で悩まされていました。これらの症状はほとんど機能性低血糖症の症状とも共通しています。

機能性低血糖症を改善させるためには食生活の改善が必要です。話を聞くと食欲がないのにも関わらずお菓子(チョコレート、ポテトチップス、せんべい)などを毎日食べているとのことでした。

食欲もなく身体に必要な栄養も不足している状態で、さらにそのようなお菓子ばかり食べていてはどんどん症状は悪化してしまうのも当然です。

血糖値が不安定になりますから、動悸がしたりイライラしたり集中力もなくなります。アドレナリンもたくさん出ますから夜も眠れなくなります。出ている症状と今の生活習慣が見事にリンクしています。

このような場合は、食生活を改善していくとどんどん症状も改善していくと思われます。

身体バランスをチェックすると骨盤の歪みや、頸部の筋肉の緊張も見られました。だるくて身体を支えられないのですぐに横になりたがるそうです。読書やゲームをしている時間もかなり長いので目や首にもかなりストレスがかかっています。

現代は大人も子供も同じようなストレスがかかる生活習慣になっています。整体と食改善で改善する病気はかなり多いと考えています。

逆に言えば、原因にアプローチしなくてはいくら薬を飲み続けても治らないとも言えるでしょう。

整体的アプローチと食改善

整体的アプローチと食改善ですべての起立性調節障害の子供さんが治るとは言い切れません。トラウマやストレスを解放していくなど精神的なケアが必要な場合もあるかもしれません。

しかし、現在薬を飲むという以外に何をしたらよいのかわからずに困っている方は試してみる価値は十分にあると思います。栄養のバランスが安定すると体内のホルモンバランスや自律神経のバランスも安定しやすくなります。

また、当院でお伝えしていることや整体は「治療」「医療行為」ではありません。心や身体が本来の働きを取り戻すためのボディワークを提供しています。自然の摂理の前に謙虚になって頂き、身体の声に耳を澄まして頂く気持ちが大切です。

「理屈はどうでもいいからとにかく治してくれ」という考えの方はご来院頂いてもあまり良い成果が得られないかもしれません。しかし、このページややすらぎの杜整体院の施術方針などを読んでご共感頂けた方には精一杯のお手伝いをさせて頂きます。

(2017年1月)

起立性調節障害の中学生の整体症例2

仙台市内の中学校に通う中学二年生男子生徒の症例です。約一年前からふらつきやめまいを感じるようになり、現在は学校を休んでいます。病院にも通って起立性調節障害の診断を受けていますが、改善が見られずネットで検索して当院に来院しました。

病院では治療といっても様子を見て経過観察ということで、回復に時間がかかる病気だからと特に治療らしきこともしていないそうです。

初回来院時にはめまいでふらつくので杖をついて歩かないといけない状態でした。毎回親御さんに付き添われて車で来ていましたが、整体院の目の前に車を停めてそこから院内に入る時も杖がないと歩けないような状態でした。

2017年の7月から8月にかけて通院していますが、毎回通院のたびに足取りもしっかりしてきて、そのうちに杖もつかなくて大丈夫になりました。

最初の三回は数日おきの通院、その後は一週間から十日おきに通院して五、六回来たことにはだいぶ調子も良くなってきていました。見た目にも歩く足取りもしっかりして、いつも背中を丸めていた姿勢も背筋が伸びてしっかりしてきました。

本日夏休み最後の通院で、お父さんと一緒に来ていました。「おかげ様でだいぶ調子が良くなってきて、新学期も始まるのでまた次回の予約は学校の予定と調整して電話します」とのことでした。

学校に行けるくらいに回復して来て良かったです。この中学生の場合は姿勢のバランスが崩れていたのを整体で調整して、お母さんに食事内容の改善もお伝えしました。整体と食改善を同時に行ったので回復ペースも早まったと思います。

(2017年8月)