「治す」と「治る」の違いについて解説します

「治す」と「治る」は言葉としては似ていますが、私は大きく違うことと考えています。

治ることは自然なことだけど、治すって何か無理してる感じがあります。このニュアンスの違い、伝わるでしょうか?

うまく表現できるかわかりませんが、治ること、治すこと、当院の整体の在り方などを書いてみます。

治してほしい患者さん

どこか痛くなったり具合が悪くなったりしたら、病院や治療院・整体院などにいって治してもらおうと考えます。ごく普通で当たり前のことです。

病院へ行くと薬で痛みを抑える治療をします。しかし、それが自然な回復を妨げてしまう結果になることも多いように思います。そして病院へ行って治らないと整体院などで治してもらおうとします。

ところが、治してもらおうとしているとどういうわけかなかなか治りにくいのです。


治そうとする治療家・整体師

整体院や治療院を経営している施術家の先生は、患者さんの症状を治そうとします。これもごくごく普通のことです。世の中の多くの施術家がそのように考えているのではないでしょうか。

しかし、同じような症状を抱えている人でも同じように治せるとは限りません。機械修理のようにはいかないのです。いろんな人がいて同じように整体施術をしてもその結果は人によって様々です。

どんなに経験を積んでも、どんなに整体・治療技術を磨いても、かならず治せない人が出てきます。そしてまた新たな技術を求めてセミナーに参加したり、教材を購入したりします。

そして多くの整体師、治療家の先生が苦しんでいます。患者さんを治せなくて悩んでいます。


人が病気になる原因

「治す」と「治る」の違いを述べる前に、なぜ人が病気になるのかということについて考えてみます。

先天的なものは一旦ここでははずして、後天的になった病気についてですが、何かしらの原因があります。現代医学で原因が解明されていない病気でも原因そのものは存在します。

現代医学で治らなかった難病が民間療法や生活習慣(生き方)の改善によって治癒する例はたくさん耳にしたことがあるでしょう。

それは医学ではわからなかったけれど、原因がなくなったことによって病気という結果がなくなったわけです。

つまり、原因がなくなった時に結果もなくなっていくのです。

治るとは自然な変化

病気の原因がなくなったときに病気の症状(結果)がなくなっていく。それが「治る」ということだと思います。

人間の体には自然治癒力が備わっています。怪我をしたり風邪を引いても適切な処置をすればいずれ直って行きます。しかし、実際にはなかなか治らないケースも多いです。

治る邪魔をする要因(原因)が必ず存在しますから、それを取り除くことで「治る」ための変化が起こり始めます。それはとても自然なプロセスです。自然な変化なのです。

花の種をまいて水と肥料と日光を適切に与えた結果として花が咲く。それは自然なことです。「治る」とはそのような自然なプロセスであると考えています。


治すということ

一方、「治す」という行為はそのような自然なプロセスを考慮せずに、無理に花を咲かせようとしたり、症状を消そうとする行為ではないかと考えてしまうのです。

もちろん、つらい症状で苦しむ人を目の前にすれば、早く良くなって欲しいですし、自分にその力があるのならば治してあげたい気持ちになるのは当然のことです。

腕の良い整体師や治療家の先生は、その原因に対して適切なアプローチをします。そして治癒のプロセスが速やかに進むようにお手伝いします。

その結果として自然に治っていきます。その場合でも本当は「治して」いるのではないのです。「治って」いるのです。

言葉遊びのようですがこの違いはとても大きいのです。


整体と人生(生き方)

腕の良い整体の先生は、たとえ「治す」という言葉を使っていたとしても「治る」お手伝いをしてくれます。逆に「治るお手伝い」と謳っていながら治そうとしている先生もいたりします。

言葉だけじゃ判断できないことです。自然の法則と調和したことをしていれば良くなっていきます。逆らったことをすれば悪化したり結果が出なかったりします。

それと、大事なことですが整体で治るお手伝いを受けて実際に治ったり、一時的に良くなっても、また悪化させるような原因が生活の中に在れば必ず症状は再発します。

それは少し考えてみれば当然のことなのですが、そこに目を向けずに整体師の先生のせいにしたりする人もいるでしょう。「通っているのになかなか治らない」なんてことを言っている人はそもそも捉え方が間違っているのです。車の修理などと同列に考えているのです。

当院には自分の身体を大切に考える人に来てもらいたいと思っていますし、HPを読んで来院される方はほとんどそういう方ばかりです。だから多次元操体法の考え方も理解して下さるし整体のセッションにも満足して頂けます。

その人の人生(生き方)が身体に反映されます。でもわかっちゃいるけれどやめられないことだってあります。身体に悪い習慣とわかりつつも、すぐに改善できないこともあります。

そのことを自覚しつつ、サポートとして整体院などに通うのは良いと思います。しかし、そのことを棚に上げて「通っても良くならない」と先生に文句を言ったとしてもそれはそもそも考え方が間違っているのです。

そういう人ほど治してもらいたくて治療院・整体院巡りをするものです。

当院にも初診時に「どこに行っても治らないんです」と言う人もいますが、そういう人ほど丁寧にこのページに書いたようなことを説明します。場合によっては施術をお断りすることもあります。

「そんな話はどうでもいいからとにかく治療して痛みを取って欲しい!!」

その気持ちもわかりますが、そのような考えが治癒のプロセスを妨げていることに気づかなくてはなりません。

そして整体の先生は勇気を持ってそのことをクライアントさんにも伝えるべきだと思うのです。それが出来ない先生ほどストレスをためながら悩みながら仕事をする傾向があります。

施術家もクライアントも、立場は違っても自然法則からは逃れられません。自然法則と調和するような考え方と行動を心がけることで人生も幸せになるし、健康状態も良くなっていくものです。

やすらぎの杜整体院では治すのではなく治るお手伝いを心がけています。

(2016年6月)