正しい姿勢・・・どんな姿勢を想像しますか?

自然体でリラックス。実はこれが一番強いんです。
見た目も美しく疲れない。しかもパワーがあふれる自然体の作り方を解説します。

正しい姿勢とは

正しい姿勢というとどんな姿勢を想像しますか?
背筋をピンと伸ばして、「気をつけ」をした姿勢を想像される人も多いのではないでしょうか。
確かに見た目には良い姿勢といえるかもしれませんが、自然のあり方から見てみると、気をつけの姿勢はとっても不自然な姿勢なのです。

その証拠に背筋をピンと伸ばすことを意識してもすぐに疲れてしまいます。
またしばらくすると元の悪い姿勢に戻ってしまいます。
整体やカイロプラクティック院で、間違った「良い姿勢」を指導されることも多いのです。見た目の姿勢は良くなっても、全身が疲れやすくなったり、あちこちにコリや痛みが出やすくなりますので注意が必要です。

以前に来院した人でこんな人がいました。
過去に別の整体院で、横座りや足を組んで座るのを注意され(骨盤の歪みの原因になります)、うんと姿勢に気をつけていたのです。その人は、良い姿勢を維持するのがつらくて仕方がないと言っていました。
頑張って正しい姿勢をとろうとするあまりに、肩こりや腰痛を引きおこしてしまっていたのです。

確かに、横座りや足を組んで座る習慣があると、骨盤の歪みの原因になると言われています。
しかし、だからと言ってあまりにも良い姿勢にこだわりすぎると身体の負担になって症状が発生してしまいます。
これでは何のための良い姿勢かわからなくなってしまいます。

本当の正しい姿勢は人によって微妙に異なります。
その人の中で最も安定して、リラックスできて、しかも疲れにくい姿勢が、その人にとっての正しい姿勢なのです。
その姿・姿勢を自然体と呼びます。


自然体とは

自然体とは疲れにくく、リラックスしていて安定している身体の状態です。
昔から達人と呼ばれる人は皆自然体が出来ていました。武道家や一流のスポーツ選手の身体も自然体です。

達人の自然体は、長年の訓練や鍛錬によって自然につくられたものではありますが、自然体を意識してつくることも出来ます。

自分にとっての自然な姿勢とはどういう姿勢なのかを知り、意識してその姿勢を維持します。だんだん自然にその姿勢を維持できるようになります。
何より自然体でいられると身体が楽なのです。
現在身体がこりやすかったり、痛みが出やすかったりする人は、普段の姿勢が自然体でなくなっているからとも言えます。

自然体とは上半身の力が抜けて、下半身が安定した状態です。
上虚下実という言い方をします。一般に言われる良い姿勢は背筋をピンと伸ばしますが、上半身に力が入っていてはすぐに疲れてしまいます。

また、パソコンに向かっていても上半身に力が入った状態で仕事をしていると、首や肩こりに悩まされます。上虚下実ということを普段の日常生活の動作の中に取り入れることで自然体がつくられます。

自然体はその人にとっての自然体ですから、見た目には少しくらい背中が丸まっていてもその方がその人にとっては自然で疲れにくいということもありえます。
傍からの見た目より本人の力が抜けてるけど充実しているという感覚が大切です。
多くの場合、自然体の姿は傍目にも美しく見えます。

悪い姿勢の座り方

おそらくこれを読んでいる方は、パソコンの前に座っている人でしょうから、座り姿勢について書きたいと思います。

イスに座った状態ですと、悪い姿勢は背中を丸めて顎を突き出した姿勢です。筋肉は楽をしていますが、この姿勢が習慣になっている人だと首こり、肩こり、頭痛、背中のコリ、腰痛などの症状に悩まされます。

骨盤や脊柱に負担がかかります。さらに首や肩や背部の筋肉が常に緊張しますから痛みも出やすいですし、非常に疲労しやすい姿勢です。

「私、姿勢が悪いんです」という人がよくいますが、自分で姿勢の悪さを自覚しているのですが、なかなか治せないのです。良い姿勢をとろうとして背筋をピンと伸ばしてもしばらくするとすぐに疲れてもとの悪い姿勢に戻ってしまいます。

当院の姿勢矯正を受けると、楽に良い姿勢を維持できるようになります。

自然体の座り方

自然体の座り方は、骨盤を意識して座ります。
骨盤を立てるようにして座るのです。
腰をグッと前に入れる感じでしょうか。注意しなければならないのは、腰を入れすぎるとかえって疲れるので、一度腰をグッと前に入れてそれから少し緩めます。そうすると骨盤と仙骨が立った状態になります。

骨盤を立てて座ると、自然に背筋も伸びてきれいな姿勢になります。
無理に背中を伸ばさなくても、自然に伸びます。その状態で肩の力を抜きます。腕が肩からぶら下がっている状態です。軽く顎を引きます。

自然に背筋が伸びる状態がつくれたら、そこから上半身の力を抜きます。
重心がおへその下の方に来る感じです。
武道や気功で臍下丹田(せいかたんでん)という言葉がありますが、へその下の方に氣が集まる場所があるようなので、何となくそこらへんをイメージしてそこに重心を持ってきます。

文で書くとややこしいですが、要は腰を入れて座って肩の力を抜けばそれで良しです。腰をあまり前にグッと入れすぎないようにします。この姿勢ですと長時間作業をしても疲れにくいです。肩もこりにくいです。

そのようにして座っても苦しい感じがする方は整体を受けることをお薦めいたします。
楽に良い姿勢で座れるようになりますよ。

自然体のつくり方

現代社会では、脚を使うことが少なくなり、頭ばかり使う作業・仕事が多いです。
自然体とかけ離れた人がほとんどだと思います。
昔の日本人の立ち居振る舞いは自然体で行なわれていたそうです。
自然体は下半身はどっしり安定して、上半身はしなやかにリラックスしている姿です。

日本語の研究でおなじみの斎藤孝先生は、呼吸法や身体技法の研究家でもあります。斎藤先生によれば自然体は、訓練によって作れると言います。
自然体になること自体が技なのだそうです。

ハラをつくり、足腰を鍛えることが自然体をつくる基礎になります。
腹式呼吸法、四股踏みなどによっても自然体が鍛えられます。

私自身の体験でも自然体を意識しながら施術を行なうと疲れにくいのです。
完全に自然体になれているわけではありませんが、意識するだけでも全然違います。
楽な姿勢、深い呼吸とともに施術を行なうと、私自身が深くリラックスすることができ、患者さんのリラックスの度合いも高まります。

深くリラックスしながら行なう施術は私自身もとても気持ちが良いものです。治す人治される人という垣根がなくなり、癒しの場がそこに出来るという体験をすることがあります。そこにいるだけで気持ちがよいという空間に身を浸している感じです。そんな場の状態がつくられたとき、施術者・患者さんの両方に癒しが訪れます。

自然体とは単に疲れにくい良い姿勢というだけでなく、極めていくことで心身の能力が高まり、感覚、感じ方、さまざまな面で良い効果が得られるような気がしています。
これからも自然体の鍛錬をしていきたいと思います。

【院長のお薦めの本】

自然体のつくり方―レスポンスする身体へ
斎藤 孝
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