足首の捻挫・足首の痛みに対する操体法のアプローチ例を紹介します。

足首は人間が立つときの一番の土台の関節なので、痛めるととても負担になります。

首、肩、腰などの上半身が痛いときに、足首などの土台の関節を調整すると楽になることが多いですが、足首を痛めた場合には、土台そのものですから、上半身を調整して足首がすぐに楽になるということはそんなに期待できません。

そこで、足首の関節やその周辺にアプローチすることになります。

足首の捻挫の対処法

捻挫してすぐに整体院に来る人はめったにいません。だいたい整形外科とか整骨院に駆け込まれます。また炎症が強く出ていてじっとしていても痛いようなときは、整体しても効果も出にくいし、できることも限られます。

そういうときはなるべく痛くないようにして、アイシングなどをして炎症が治まるのを待ちます。

問題は、炎症が治まったあともなかなか治りが悪い場合です。「整形外科や整骨院に通っているけれど、なかなか良くならず、痛みが引いてくれない」というような場合は整体の出番です。

足首の関節がズレてなかなか回復しにくいようなバランスになってしまっている可能性があります。ズレているといってもほんの微々たるズレです。たぶん1mmとかもっと小さなズレです。

当院では、足首の痛みに対しても、いきなり直接足首にアプローチせず、まずは骨盤や体幹など全体のバランスを整えるようにします。それから患部の足首へとアプローチしていきます。

足首の操体

捻挫の場合は、足首をひねった方向により関節がずれる方向も変わってきます。多くの場合は内反捻挫で、足首を内側に返した状態にグキッとやっちゃうのです。

足首の関節のズレを修復する場合には、まずはいろいろな方向に動かしてみます。内反・外反、内転・外転、背屈・底屈。自分で出来る動作(自動運動)としてはそれらの方向ですが、それ以外に他動運動として、足のすねの骨(脛骨)と脛骨が乗っかっている距骨とをスライドさせるように動かしたりもします。

動かすといっても動かすような方向にジワッと圧をかけるだけです。この方法は施術者も本当に繊細な感覚を必要とします。無理にやると余計に痛めますからデリケートに丁寧に行なう必要があります。

そんな風にいろんな方向に試してみると、痛みが出る方向とか反対に気持ちがいい方向が見つかったりします。

この段階で気持ちよさが感じられる動きが見つかれば、その方向の動きを味わってもらいます。すると足首の関節の動きが改善します。痛みが完全になくならないとしても、かなり動かしやすくなるかと思います。

足首への操体と連動

足首の気持ちよさを味わううちに、その気持ちよさを足から上半身の方に伝えていくと、全身の連動が起こることもあります。

痛い足首をかばって、全身に歪みが生じていますから、足首の歪みが解放される動きを全身に伝えることで、全身の歪みも同時に解放されていきます。

このときに大切なのは、施術者も本人も「治してやろう」とか「歪みを治そう」とか考えないことです。ただただ身体にゆだねます。頭で考えて動かすとうまくいきません。身体の内側からやってくる動きをそのまんま表現していくのです。

そうするとちょうどいいところに身体のほうでうまく導いてくれるのです。

足首の痛みと操体法 まとめ

足首の関節の場合は、他の部位の操法に比べて施術者の繊細な感覚が求められます。動かす方向も一方向だけでなく、三次元的なベクトルを考慮して三次元的に動かして三次元的な補助抵抗をかけることでより効果が高まります。

操体法の熟練者は無意識にそのようなことを行っていますが、書籍などではそこまで解説されていませんので、初心者と熟練者で何が違うかといえば、傍から見てもよくわからないのです。同じようなことをやっているのだけど、うまくやれば効くし、下手にやると効かないのです。

その違いは、手を触れる指の位置がちょっと変わるだけでも全然違ってきます。力をかけるベクトルの方向がほんのちょっとの角度だけ変わるだけで全然違います。そんな違いがわかるようになってくると操法の効果も高まってきます。

どんな場合でも、クライアントさんが嫌がることはしないことですね。身体にとって適切な刺激であれば「心地よい感覚」があります。

痛いか楽かだけでは判断しにくい場合もあります。「味わってみたい感覚」であることが大切です。「痛いけどいい感じ」というのもありますからそれはOKです。「痛くないけどなんか嫌な感じ」は避けるべきでしょう。

操体法の施術は、クライアントさんの感覚を非常に大切に扱います。だからクライアントさん自身も「自分の感覚に従う」という意識を持ってもらう必要があります。クライアントさん自身が施術者に対して完全に依存して任せっきりになってしまってはうまくいきません。

クライアントさんが自分の体を対話をする。施術者はそのお手伝いをさせていただく。そんな自然な優しい関わり合いの中で自然治癒力が発動していくのです。

(2012年2月)