野球肩の整体症例を紹介します。

野球肩とは

野球肩の症状は投球動作で肩の関節に痛みが生じる症状です。スポーツ障害の一つです。

関節そのものに損傷がある場合には整体を受けても早期の回復は難しいですが、関節そのものが損傷していなければ全身のバランスの調整により肩関節にかかるストレスを減らすことができます。

関節を痛めている場合でも、炎症の痛みが治まれば整体で回復のお手伝いは可能です。炎症が起きてちょっと動かすだけで肩に激痛が走るような場合には整体を受けてもその場で完全に治るということはありません。

また、痛めている部位によっても対処法が異なります。関節の内部なのか、関節に付着する筋肉のトラブルなのかによっても対応は変わってきます。

野球肩と関連する筋肉

野球肩と関連が深い筋肉を紹介します。

棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、上腕三頭筋、上腕二頭筋、三角筋など、肩関節や肩甲骨周辺の筋肉が野球肩と関係しています。

例えば三角筋を痛めているとすれば、三角筋の治療をすればよいと思われるかもしれませんが、そう単純ではありません。

当院では痛めている筋肉はそっとしておいて、その筋肉にかかるストレスを軽減するバランスを新たに作っていきます。つまり痛めていない筋肉のバランスを調整するのです。

多くの場合、痛くない部位の筋肉や筋膜が固まったりがよじれていることにより、患部にストレスがかかり痛みが出ているのです。これは野球肩に限ったことではなく他の症状でも良くみられることです。

だから痛い部位やその周辺だけを見ていてはダメなのです。当院ではより広い視点で野球肩の施術に取組んでいます。

野球肩の整体

野球肩の臨床例-足首の整体

野球肩(投球障害肩)の中学生が来院しました。大学病院のリハビリにも通っています。春からは県外の野球強豪校に入学予定です。

足首も固くてよく捻挫をするとのこと。昨年は4回も左足首の捻挫をしたそうです。

猫背で肩関節を外転すると、130度くらい腕を拳上したときに肩関節が引っかかってしまいます。骨盤の歪みもあり、ベッドに腰掛けたまま膝を持ち上げてもらうと(股関節屈曲)、右の股関節に違和感が生じます。

左の足首が固まっているようでしたので、足首を動かしてみると(動診)、外転動作がきつかったので、腰掛けたまま足首を内転してもらいながら、私はそれに補助抵抗をかけます。

すると野球少年が「おおお~!」と言いながらニコニコ顔に。「なんか気持ちがいい感じがあるでしょ。」と聞くと「はい!」と返事。さすが運動選手だけあって感覚も鋭く綺麗な連動も出ています。

体の内側を伝わって連動している感じが私の手にも伝わってきます。この感じがあるととても効果が出ます。

十数秒その状態を味わってもらって、再度足首を動かしてもらうと、楽に動けるようになりました。右股関節の屈曲動作も楽になりました。さらには右肩の外転動作も楽々に。

横で見ていたお母さんもびっくりです!

猫背の矯正

猫背の矯正と言えば背骨をボキボキ鳴らすような整体をイメージするかもしれません。私も開業した当初はそういう矯正をしていましたが、現在は様々な理由によりボキボキ矯正は行っておりません。

やらなくなったにはいろいろな理由がありますけど、一言でいえばもっと繊細で理にかなった効果の高い方法を行っているので、ボキボキ矯正が必要なくなったのです。

この野球少年の場合も、強い猫背でした。座って骨盤を立てるように座ろうとしても、腰や背中が窮屈なのです。そういう場合は、背中の矯正をするのではなくて、土台の骨盤の歪みを矯正する必要があります。

三軸操体の膝倒し操法をして再度座ってもらうと、猫背が解消しとても姿勢が良くなりました。頑張らなくてもいい姿勢になるのです。横のお母さんもまたまたびっくり!

「来月から●●の高校に入るために引っ越しちゃうんです。もっと早く知っていればよかった!」と言っていただけました。

必要最小限の整体

野球肩の少年にやった操法は3つくらいです。それで全身のバランスがどんどん変化して、結局肩には一切触らないで施術も終わりました。

それで肩もスイスイ動くようになり、少年君も「おー!楽!楽!」と何度も投球動作をして確かめていました。肩の症状であっても、原因が肩にあるとは限らないのです。

足首と骨盤の調整で肩も腰も股関節も、あちこち動きが良くなりました。特に運動をしている人にはこういう整体があるということを知ってもらいたいですね。

スポーツ選手と整体

スポーツをやっているクライアントさんにはとても喜んでいただけます。通常は患部の治療と言えば、その部位をマッサージしたりストレッチしたりということが一般的ですが、当院では患部にはほとんど触らないでも患部の状態が変化するので、患部に負担がかからないのです。

この野球肩の少年にしても、原因が足首にあったわけですから、肩の関節のリハビリをいくら繰り返してもあまり効果的ではなかったというわけです。

高校入学の引っ越しまでまだ日数もあるので、何度か通院することになりました。自分で操体法をできるようになって日々の体のメンテナンスに活かしていただきたいです。

(2012年3月)

野球肩のお子さんがいらっしゃる親御さんへ

野球肩の症状で来院するクライアントさんはほぼ100%親御さんと一緒に来院します。だいたい本人は中学生や高校生で、親御さんがネットなどで検索していらっしゃいます。

野球部だったり地域のチームに入っていたりすることがほとんどで、家族ぐるみで取り組んでいらっしゃいます。休日は試合の応援や送り迎えで大変だと思いますが、家族みんなで取り組んでいますから、けがや故障があるととても心配だと思います。

一般的には整形外科に行くことが多いと思いますが、実際には湿布や痛み止めの処方ではなかなか回復しにくいのも事実です。

レントゲン写真を撮って関節の変形などがあれば手術を勧められたりすることもあります。しかし手術を受ける前に試せることは試して頂きたいと思います。

当院には野球肩に限らず、股関節痛や腰痛などで手術を勧められていたお子さんが整体によって回復しているケースもたくさんあります。もちろん手術が必要な場合もありますし当院で何でも治るわけではありません。

しかし、手術には大きなリスクもあります。手術を受けたけれどその後の回復が思わしくないこともあります。身体のバランスの歪みなど、患部以外に大きな原因がある場合には整体でお手伝いできる可能性も高いです。

このページの症例のように、足首の捻挫の後遺症が肩関節に影響していることもあるのです。

また野球部等で厳しい練習メニューを毎日やっていると忍耐力はつきますが、場合によっては身体が悲鳴を上げているのに我慢して練習しているとそのうち必ず身体は痛みのメッセージを出してきます。

頑張りすぎ、我慢のし過ぎは、身体を痛めるだけでなく精神的にも大きなストレスになり場合によっては深いトラウマになってしまう事もあります。野球に集中して取り組むことは素晴らしいことですが、あまりに視野が狭くなってしまうと様々な弊害が本人や家族にも及びます。

身体面の負担だけでなく、精神面の負担も蓄積すればいずれ身体に出てきます。どんな症状でも、症状を出すことで自分の心と身体を守っているという側面もあります。症状は気づきのメッセージなのです。

親御さんの期待が大きすぎるあまりにお子さんの負担になっているというケースもあります。そのような場合には親子関係の改善も症状の改善の為に必要なこともあります。

当院では単に骨格や筋肉の調整だけでなく、エネルギーやスピリチュアルな観点からも総合的に観て症状改善のお手伝いをしています。

(2016年9月追記)