坐骨神経痛の整体(多次元操体法)の症例を紹介します。

坐骨神経痛で通院中の30代女性への多次元操体法臨床例を紹介します。患部だけを見ていてはいけないことがわかる例です。

本日は五回目の来院です。初回来院時には整形外科で椎間板ヘルニアの診断を受け、鎮痛剤を毎日三錠飲んでいました。

半年ほど鎮痛剤を飲んでいました。私の経験上、鎮痛剤は真面目に飲むほど痛みが治りにくくなります。鎮痛剤を飲んでない人よりも飲んでいる人の方が回復しにくい傾向にあります。

通院して坐骨神経痛もどんどん改善して薬を飲む量もかなり減らせるようになりました。

施術を受けると痛みが消えるのですが、それでまた生活の中で動き回って痛みが出て薬を飲みます。でも痛みもだいぶ和らいできています。

坐骨神経痛の整体 足と肩の繋がり

多次元操体法のセッションでは、クライアントに楽な姿勢を聞いて楽な姿勢で整体施術を行います。

患部は右脚ですが、患部に捉われずに全身のバランスを整えていきます。整体をして整えるというよりも、身体の声を聴きながら結果として整うという感じでセッションを進めていきます。

最初に肩関節の検査をすると、どちらも途中で引っかかって腕が挙がりません。

仰向けが楽な姿勢だったので、そこから整体(多次元操体法)をスタートしました。

アキレス腱の辺りにそっと手を触れて身体から伝わってくる情報を読み取ります。股関節がかすかに動き出すのが伝わってきます。その蠢き(うごめき)とも言える小さな動きとつり合いを取ります。

つり合いを取るというのは、伝わってくるテンションと釣り合います。そうするとより動きが明確に伝わってきます。1~2分行いました。

これで両肩がスムーズに挙がるようになりました。

このようにして全身のバランスが調和されていきます。

多次元操体法の膝倒し

次に操体法の膝倒し操法。多次元操体法ではエネルギーロスを最小限にまで減らしますので、従来の操体法の膝倒し操法とは異なるやり方をします。

クライアントは完全に脱力した状態で行ないます。いくつかのバージョンがあります。その時の状況に応じて使い分けています。完全脱力で行いますが、ほんの少しだけクライアントの自力を使うこともあります。

その場合にも傍から見て動きとわからないくらいの小さな動きです。

ミリ単位で身体の内部を動かすイメージです。ほとんど力は使いません。動きもほとんど見えないくらいの小さな動きです。

微小な力、微小な動きで身体は変化します。一般的な整体の概念を覆す方法です。

右脚のしびれと左中足骨の整体

次に、左右の足の甲の骨(中足骨)の動きを検査すると、左足の中足骨の動きに制限があることに気づきました。

そこで、両足の足首をそれぞれ自分で動かしてもらいました。(背屈・底屈検査)

私の予想では左足首が動かしにくいと思ったのですが、坐骨神経痛を抱えている右脚の足首を動かすと神経痛のしびれが出るという事でした。

直観に従い左の中足骨にアプローチします。やすらぎの杜整体院オリジナル「中足骨操法」です。足の甲のねじれを解放する操法です。これも1分ほどやりました。

なんと!これで右足首を動かした時のしびれも消失してしまいました。そればかりかその場で右臀部から足にかけてのしびれもすっかり消えてしまいました。

こういうことは医学の教科書にも、整体の教科書にも載っていないことです。しかし、「右脚がしびれている時は左の中足骨の調整をすれば治る」ということでもありません。

経験と観察力、直観力も大切です。知識だけに頼るでもなく、勘だけに頼るでもなく、どちらもフル稼働します。

なぜ坐骨神経痛が改善するのか?

この方は整体を受けると痛みが消えます。

椎間板ヘルニアが下肢痛の真の原因であれば、このように手術をせずとも痛みが消えることがおかしいのです。つじつまが合いません。

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛とはほとんど無関係であることがわかっています。多くの場合、ヘルニアが本当の原因ではないのです。

当院の整体は主に筋膜に働きかけます。筋膜の状態が変化することで、骨格や筋肉の状態もその場で大きく変化します。神経痛と思われている痛みも実は筋・筋膜の痛みであると言われています。

筋膜は全身に張り巡らされていますから、患部の右脚ではなく、反対側の左脚にアプローチしてもこのような変化が出ます。そしてこのようなケースは非常に多いです。

痛い部位ではなく、不調和を起こしている部位に着目して整体を行います。

(2016年6月)

坐骨神経痛の原因

上に書いたことはある坐骨神経痛を有するクライアントさんへの症例に過ぎません。坐骨神経痛の人が同様の施術で改善するわけではありません。その人に合わせたやり方で施術を行う必要があります。

ここで、当院の考える坐骨神経痛の原因とその対処法についても解説します。

坐骨神経痛の原因は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの脊椎の変形と長い間考えられてきました。現在開業している整形外科の医師もそのように教わったはずです。

しかし、医学の進歩により実はそうではないらしいということがわかってきたのです。

坐骨神経痛の原因として椎間板ヘルニアによる神経圧迫や骨格の変形であると説明している治療院のサイトは時代遅れの古い理論に基づいて書かれています。

医学もどんどん進歩しているのです。

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛は無関係

結論から申し上げますと、坐骨神経痛と椎間板ヘルニアはほぼ無関係です。と言いますのも、MRIの普及により坐骨神経痛や腰痛がない健常者にも椎間板ヘルニアが一般的に見つかることがわかっています。

腰痛の85パーセントは原因が特定できない

2012年に日本整形外科学会と日本腰痛学会監修の腰痛診療ガイドラインが刊行されました。その中で「腰痛の85パーセントは原因が特定できない」ということが書かれて話題になりました。

それ以降、テレビ番組でも腰痛に関する新しい常識が放映される機会が増えてきたように思います。私も数年前にちょうどNHKでやっていた番組を見ました。

番組が用意した腰痛や足のしびれの無い人たち10人の画像検査をしたところ、まったく異常がない人は2人。他の全員には椎間板ヘルニアが見つかりました。そのうちの二人は従来の考えではすぐに手術をしなければいけない程の重度のヘルニアがありました。(私の記憶違いで細かい人数などは違っているかもしれません)

しかし、この人たちはまったく腰痛とも坐骨神経痛とも無縁に暮らしているのです。椎間板ヘルニアがあるのに腰痛も坐骨神経痛もないわけです。そういう人がたくさんいるのです。

他に、あまりに腰痛に苦しむ奥さんを見かねて子犬を買い与えたところ、それまで長年治療を受けても治らなかった腰痛がすっかり治癒してしまった例も紹介されていました。

坐骨神経痛と心理社会的因子の影響

最近の腰痛治療の世界では、心のあり方も腰痛や坐骨神経痛の回復と深く関係していることもわかってきています。心理社会的因子と呼ばれる個人的な要因により腰痛が回復しにくくなっているのです。

心理社会的要因とは、心理的要因と社会的要因のこと。心理的要因とは考え方や信念や思い込みや悩み等など。社会的要因は家庭や仕事での人間関係だったり、立場だったり。

つまり一言で言えばストレス。その人が抱えているストレスによって腰痛が悪化したり治りにくくなるということが医学的にも明らかになってきたのです。

心理社会的因子が存在することでストレスを感じると、自律神経を介して人間の身体は緊張します。その緊張が血流を阻害し筋肉にコリや痛みを作りだします。そして回復しにくい体になってしまいます。

だから、そもそも手技だけですべての腰痛や坐骨神経痛が治るわけではありません。心のケアも出来ることが求められてきています。

心と体に効く整体

やすらぎの杜整体院は2004年に開院して現在14年目になりました。年々経験を重ねるに連れて心のケアも大事だなぁと思うようになりました。整体の技術だけを求めている先生は人間の身体を機械修理をするように治せると勘違いしているかもしれません。

しかし、人間には心も魂も宿った存在です。本質的な治癒を追究するほどに心理面へのアプローチや目に見えないエネルギーを扱わざるを得なくなっていきました。

体も心も大事です。

これまでは身体の領域は整体院や治療院、心の領域はカウンセラー、エネルギーの領域はヒーラー、のような形で分担が分かれていました。しかし、心も体も魂も同時に存在しています。

そもそも分けて考えることがナンセンスであり、同時に調和していくようなお手伝いが出来ないものかといつも考えていました。

そして手技とヒーリングを同時に提供することを追究する過程で自然と気づき上げられたヒーリング整体が多次元操体法です。

当院では坐骨神経痛でお困りの方に多次元操体法の施術を提供しています。

なぜ、多次元操体法で坐骨神経痛が楽になるのか?

当院では坐骨神経痛に対して従来の腰痛治療の考えとは異なる観点から施術を行っています。従来の理論は腰椎の変形や椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されて坐骨神経痛が発症すると考えられてきました。

ところが、健常者にも一般的に脊椎の変形やヘルニアが見つかることから近年は日本国内でも従来の理論では説明がつかなくなってきて、新しい腰痛理論が少しずつ普及してきています。

構造の異常が原因ではなく、血流不足や筋肉や筋膜の生理的なトラブルであるとの考えが主流になってきています。当院でもその考えを採用しています。

特に筋膜に着目した施術を行っています。全身の筋膜のテンションバランスがほどよく調和するように変化すると、全身の骨格のバランスも同時に変化します。筋肉の緊張も緩みますから血流も改善します。

その結果内側から回復する力が高まってきます。

特に坐骨神経痛の場合には、臀部や下肢の筋肉の緊張が強いのでそれらの筋肉が緩むように施術します。しかし、直接筋肉をもみほぐして緊張を緩めるのではありません。このページの最初の方に書いた症例のように、不調和を引き起こしている部位から解放していくのです。

そこが一般的な整体と違うところです。痛みもなく心地良い刺激の整体です。