筋膜とは皮膚の内側で筋肉を覆っている膜をさします。
聞き慣れない言葉ですが、体の不調とはとても関連が深いのです。
筋膜が緊張して固くなったり縮んだりすることにより体のバランスに歪みが生じます。
その緊張を解放すると歪みが改善し痛みも楽になります。
筋膜へのアプローチ
まずは当院で筋膜へのアプローチを行なうようになったきっかけからお話ししますね。
ロルフィングとの出会い
有名なボディワークの「ロルフィング」の本を読んだときに筋膜という言葉と出会いました。
構造を変化させるためには筋膜への施術が有効だということがわかったのですが、筋肉に対する施術と何がどのように違うのだろう?と興味が湧きました。
それで実際にロルフィングのセッションを受けてみました。
ロルフィングを行なう人のことをロルファーと言います。
ロルファーの先生からロルフィングや筋膜リリースのセッションを受けてみて感じたことは、とても気持ちよく、しかも確実に身体が変化するのがわかる感覚でした。
そしてそれらの感覚は自分がこれまで行なっていた整体や操体法による刺激にも共通する感覚だったのです。
私がこれまで学んだ治療法にはその概念がなかっただけで、実際の施術は筋膜に対するアプローチも行なっていたことがわかりました。
その後ロルフィングの先生のセミナーに参加して学ぶようになりました。
【関連情報】
体の歪みとの関係
筋膜は簡単に言えば筋肉を包んでいる膜です。
実際にはもっと複雑なネットワークを形成しているのですが、簡単にわかりやすくいえば筋肉を包む膜と考えるとイメージがしやすいです。
そして内臓や骨格を支えています。
身体のバランスが歪むというのは、実は筋膜が緊張したり、必要以上に引っ張られたりしている状態です。
ですから身体の歪みを解消するためには、筋膜の異常を整えればよいのです。
筋膜がリリースされるときの気持ちがいい感覚と、操体法を行なっているときの気持ちいい感覚はまったく同じものでした。
【参考情報】
筋膜の構造
筋膜は一つ一つの筋肉を包んでいる膜です。
そして筋肉どうしも膜でつながっています。
皮膚の内側で全身に張りめぐらされています。
筋肉の内側に目を向けると、筋肉は細い筋繊維が集まって出来ていますが、その筋繊維の一本ずつも筋膜で包まれています。
そして筋繊維がいっぱい束になって、それがまた筋膜で包まれています。
Ida P.Rolf博士は、『筋膜は構造の器官であり、三次元空間で身体を正しく保つための器官である。』と述べています。
緊張が生じると、骨格バランスに歪みが生じたり、関節の可動域が制限されたり、痛みが発生したりするのです。
痛みとの関連
痛みとか気持ちよさは脳が感じています。
末梢神経からの信号が脳に届いて、痛いとか気持ちいいと判断します。
末梢神経の感覚受容器は、筋肉の内部よりも筋膜上に多数分布しています。
なので、痛みとかコリとか気持ちよいという感覚は筋肉そのものよりも、筋膜からの情報であることが圧倒的に多いのです。
だから、筋膜に対する施術では気持ちよさも得られやすいし、コリや痛みが解消するという変化も感じやすいのです。
【参考サイト】
筋膜整体の研究
これまでセミナーや国内外の書籍、ビデオ、DVDなどを参考にしたり、自分の感覚を頼りにしながら研究してきました。
筋膜ネットワークの概念を取り入れることで施術の幅も広がり効果も上がりました。
第三者からみれば、筋肉にアプローチしているのか、ほとんど違いがわかりません。
しかし実際には、触れている接触面やアプローチする深さやテンションをかける方向など、細やかに筋膜を意識しながらアプローチしています。
同じ部位に触れて同じように動かしても、施術者により施術効果は違います。
施術者の指先や手のひらの感覚を頼りにしたちょっとした「サジ加減」で、施術効果が全然違います。
そして何よりも筋膜に対する施術は受けたときの感覚が違います。
力はそれほど使わなくても「キク~」という実感を伴ないます。
力も強く痛いだけの施術ではなく、軽い力でも「しっかり効いているという実感」。
「この先生は自分のつらさをわかって施術してくれているという安心感」。
筋膜への施術はそのような感覚が伴ないます。