執筆者:院長 上川名 修
このページでは腰痛と糖質制限について解説します。
甘いものを摂りすぎると痛みが取れにくいということは経験上感じていました。
症状に関わらず体調が悪い人にはとにかく砂糖の入った甘いものの摂取を控えるようにアドバイスしてきました。
施術と併せて砂糖の摂取をやめるとぐんぐん体調が改善していく人がたくさんいました。
しかし、砂糖の摂取を控えても腰痛が改善しない人もいました。
近年糖質制限食が有名になり、私自身も2013年頃から実践してみたところ体調が改善しました。
関連書も20冊ほど読んでみました。
腰痛以外に、糖尿病や高血圧や癌、不妊、アトピー、リウマチ、痛風、皮膚炎、肥満、薄毛等、様々な症状が糖質制限で改善されることがわかりました。
当時体の痛みと糖質の関係についてはっきり書かれたものは見当たらなかったのですが、砂糖以外にも白米、パン、パスタ、うどん、ラーメン、ピザなどの糖質の摂取を減らすことで、自律神経症状や筋肉や関節の痛みも改善することがわかってきました。
このページでは特に糖質と腰痛・関節痛の関係について書いてみます。
腰痛と糖質の過剰摂取
腰痛や膝痛、五十肩、手首痛など関節痛に悩む人たちに共通していることが、食事の糖質の割合が多いことでした。
ラーメン、うどん、ピザ、パスタ、ご飯、おにぎり、サンドイッチなどなど。
おかずも食べていても「白いご飯大好きなんです」「毎朝パン食です」「週に数回はラーメンを食べています」そんな人が多いのです。
しかし日本人の大半がそのような食事をしていますから、何の疑問も持たないのです。
今や周りの人と同じような食事をしていれば、二人に一人が癌になる時代です。
普通の食事を続けていれば何かしら病気になってもおかしくありません。
健康に生活しようと思ったら、今までの常識に従っていてはいけません。
腰痛が治らないのはおかしい
ぎっくり腰でも寝違えでも痛めた当初は痛くても、日にちの経過とともに徐々に痛みが収まっていくのが自然です。
ところが、何週間も何か月も痛みが治らない人がいます。
私が考える1つの原因としては筋膜のバランス。
全身のバランスが調和するとその場でクライアントの痛みが改善したり、回復のスピードがグンと速まるのを整体の臨床を通じてたくさん目にしてきました。
ところが適切な施術をしても痛みが取れないばかりか、いつまで経っても回復しない人もいます。
そういう人に話を聴いてみると「甘いもの大好き」「主食大好き」糖質の過剰摂取の人がほとんどなのです。
原因不明の痛みで悩んでいる人もだいたい甘いものか、主食大好きです。
でもそういう人に糖質の話をしてもなかなか本気にしない人も多いです。
しかし、すぐに取り組んだ人は皆さん体調が改善します。
痛みだけでなく体の調子が良くなるのです。
本来治るはずのものがいつまでも治らないとすれば何かがおかしいのです。
生活の中でおかしなことをしているわけです。
謙虚に自分の生活を省みておかしなことをやめない限り、身体は痛みというサインをずっと出し続けることでしょう。
関節が痛くて病院へ行って痛みを止めてもらう。
当たり前に行われていることですが私はとても違和感を覚えます。
怪我をしたわけでもないのに、腰や肩や膝などの関節が痛くなる。
関節に負担がかかっているなら、整体で負担を減らすことは可能です。
関節内部に栄養が不足しているならば栄養を補う必要があります。
おかしなことをやめて、本当に必要なことをすれば自然と回復していくと考えています。
ところがその本当に必要な事について医学は本気で追究しようとしていません。
原因ではなく結果(症状)を追いかけて治療しているからです。
線維筋痛症と糖質
当院には線維筋痛症の診断を受けたり、その疑いがあるという方が時々来院します。
ほぼ全員甘いもの大好きだったり、糖質大好きな食事内容です。
糖質制限食と整体施術の併用により、多くの人が改善していきます。
また痛みが出てきた人に話を聴くとだいたいまた甘いものを食べ始めたりしています。
整体の仕事を通じてわかったこと。
身体の痛みと糖質の過剰摂取は深く関係しているように思えてなりません。
関節痛だけでなく、原因不明の筋肉の痛み、なかなか治らない慢性痛、なども糖質の過剰摂取が関与しているように思います。
もちろん糖質だけが原因とは限りませんが大きな原因の一つだと考えています。
関節の糖化
糖質の摂取が多いと、骨や関節の内部で糖化が起こります。
糖化とは、身体の中でタンパク質と余分な糖が結びついてタンパク質が変性、劣化してAGEs(糖化最終生成物)という名の老化物質を生成する反応をいいます。
この老化物質AGEsは分解されにくく、そのAGEsの蓄積は肌や髪、骨など全身の老化を進行させ、さらに体調不良や様々な病気(糖尿病、高血圧、がん等々)の温床にもなります。
引用元:アンチエイジングと密接な関係がある糖化のメカニズムと抗糖化|リバーシティクリニック東京
糖化はつまり老化を意味しているわけでもあります。
アンチエイジングや美容の分野で糖化という言葉を良く耳にしますが、なかなか治らない関節痛も糖化が原因の一つではないかと思われます。
腰痛と糖質制限食
糖質制限については多数の本が出版されています。
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 (光文社新書)
夏井 睦
外科医の書いた糖質制限を薦める本です。著者自身の体験も含めて書かれており非常に納得の行く内容です。
炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません: 生活習慣病を予防&改善する糖質制限食31のポイント
江部 康二
糖質制限食を世に広めた第一人者、江部康二先生の本です。糖尿病の治療で有名な先生ですが糖質制限は様々な生活習慣病にも効果的です。
主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!
江部 康二
日本人の大半が主食を食べるのが健康的だと思っていますが、その主食こそが様々な病気や不調の原因だったのです。
日本人だからこそ「ご飯」を食べるな 肉・卵・チーズが健康長寿をつくる (講談社+α新書)
渡辺 信幸
「糖質制限」という言葉には窮屈なイメージがありますが、たんぱく質をしっかり摂るというところに焦点を当てて書かれています。実践的な内容です。
糖質制限食と腰痛・関節痛
糖質制限食が様々な病気の改善に効果的ということがわかりました。
関節痛や最近よく耳にする筋筋膜性疼痛症候群にも糖質制限が効果的なのではないかと考えています。
糖質を制限すると同時に、たんぱく質や脂質をしっかり補給することも大切です。
糖質が多くタンパク質の少ない食事だと体を作る材料(栄養)が不足します。
糖質はエネルギーなので筋肉や骨や関節の材料にはなりません。
使われなかった糖質は脂肪に変わります。
それに整体の施術をしてて気づいたことなのですが、糖質の摂取が多くタンパク質が不足していると思われる人の体は筋肉の質感がポチャポチャして水っぽい印象になってきます。
原始人食が病気を治す
糖質制限食の基本はご飯やパンや麺類などの主食や甘いものをやめて、あとは基本的には何を食べても良いというスタンスですが、加工食品や乳製品、未精製の穀物に対する見解が糖質制限を推奨する先生方のグループによって多少変わってきます。
個人的には﨑谷博征先生のナチュラルパレオ食(原始人食)を参考に実践しております。
「原始人食」が病気を治す (ヒトの遺伝子に適合した物だけ食べよう)
崎谷博征
人間は本来何を食べるべきなのか?という研究を日本に紹介した本です。
『この4つを食べなければ病気にならない』崎谷式パレオ食事法
崎谷博征
原始人食の内容を詳しく解説しています。
肉・魚が食べ放題の 原始人食ダイエット (マキノ出版ムック)
崎谷博征
原始人食のレシピ本です。
糖質制限まとめ
糖質制限食、分子整合栄養医学、原始人食、MEC食、ケトン食、等など糖質の制限を勧める医師も増えています。
その一方で従来の栄養学や医学の常識を守ろうとする人達もいます。
たくさんの情報があり何が正しいのかわかりにくくなっているのが現状です。
大切なのは自己責任で自分で試してみることです。
万人に有効な健康法などありません。
ある人にとっては有効でもある人にとっては健康を害することがあるかもしれません。
また、回復の過程であってもその人の現在の健康状態によっては一時的に悪くなったように見えることもあるかもしれません。
また、適切な方法だったとしても、それまでの積み重ねで悪化し過ぎていて健康を回復するのに間に合わないということもあります。
その場合には適切な方法を試した結果悪くなったとも捉えられる可能性もあります。
食の問題は自分で取り組むしかありません。
家族間であっても育った環境や考え方によってなかなか意見が合わないケースもあります。
自分のできる範囲で自分が出来ることに取り組んでいくしかありません。
当サイトの情報もすべてを鵜呑みにするのではなく、自己責任で参考にして頂ければと思います。
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