症例1「半月板損傷」

三ヶ月程前にキャッチボール中にジャンプした時に膝を痛めました。なかなか治らないので整形外科を受診。半月板損傷の診断を受けました。湿布を処方されたけれど皮膚がかぶれたのですぐ辞めたそうです。

病院では現段階では手術をするほどではないので様子を見ましょうということでした。膝にサポーターを巻いて保護しながら生活していましたが、なかなか痛みが取れません。椅子から立ち上がるときなどに膝に違和感や痛みが出ます。

それでインターネットで検索して当院に来院しました。

膝痛の検査

うつ伏せで膝を屈曲します。痛い方の右膝は左膝に比べて明らかに曲がりにくいです。股関節も左右でねじれが見られましたので写真に撮って本人にも確認してもらいました。膝が痛い右脚は足首の関節の可動も悪くなっていました。

膝痛の操法

まずはうつぶせでのワイパー操法で股関節のねじれを取っていきます。再度写真を撮って見せます。かなり股関節の左右差が取れて右膝の屈曲もしやすくなりました。

次に右脚の足首捻転操法を行います。足首から膝~股関節~骨盤~脊柱と連動して動かしていきます。本人の自動運動に対して補助抵抗をかけて行います。気持ちよさを感じながら各関節の配置が適切な位置に戻っていきます。

さらに右膝関節の可動域が広がりました。

仰向けになって膝倒しの動診をしますと左に倒れません。右の臀部から膝にかけてかなりつっぱり感が出ます。膝関節の外側部に痛みを訴え腸脛靱帯の緊張も関係しています。操体法では一部位だけでなく同時に多部位が変化していきます。

脇腹~腰~大腿部と筋膜が繋がって伸びていきます。膝倒し操法の後は本人もびっくりするほどに膝倒しの可動域が改善しました。左右差が取れました。

頭頸部の操法

仕事のストレスなどで首こりや肩こりがあり、時々頭痛もあるということで上半身も丁寧に見ていきます。上肢から鎖骨、肩甲骨のバランスを整えていきます。頸部や頭部にもアプローチして、上半身もすっきり軽くなりました。

足ゆらし操法

最後に足ゆらし操法を行いました。足の指から全身に優しく振動を伝えていきます。全身の細胞が振動により反応します。深いリラックス状態に入ります。多次元操体法の足ゆらしでは微細な振動を用います。それにより脳がトランスに入ります。

全身の緊張も緩み、膝の動きもだいぶ良くなりました。

この方は半月板損傷という診断でしたが、実際には筋筋膜のトラブルと考えられます。筋膜に働きかける施術で可動域が改善して痛みや違和感も軽減しました。

足首~膝~股関節への繋がりが捻れているのを調整しました。本来の調和した位置に戻ると関節の可動域も良くなりますし、筋肉もその場で柔らかくなります。

固まっている筋肉をもみほぐすのではなく、体の感覚を確かめながら「快」の感覚に従って調和の方向へと導いていきます。その結果、治りやすい状態になるのです。

半月板損傷や変形性膝関節症などの診断を受けていても、必ずしもそれが痛みの原因というわけではありません。筋筋膜に働きかける整体で改善するケースも多いですので、整形外科の病院に通ってもなかなか改善が見られない場合には整体を受けるという選択肢も考えてみるのもよいでしょう。

症例2「膝を伸ばすと痛い」

仙台市泉区在住60代女性クライアントさんです。娘さんの紹介で来院しました。

主訴は右膝の痛み。二日前から急に痛くなって膝を伸ばせないとのこと。昨日よりも今日の方が痛くなっているので心配になって娘さんが通院している当院を紹介してくれました。

歩く姿もとても痛そうです。右膝を伸ばせないのでやっとのことで歩きます。

膝痛への施術

ベッドに仰向けで寝てもらいましたが、痛くて膝を伸ばせません。そこで両膝を曲げてもらうとその方が楽だと言います。

まずは膝倒しの検査をします。右には楽々倒せますが、左に倒すと膝の周辺に痛みが出ます。

膝痛の症状を抱えていても問題は膝だけにあるわけではありません。多くの場合骨盤や足首などにも原因が潜んでいます。

まずは右の膝倒し操法及び左の膝倒し逆モーション操法を行い、骨盤の捻じれを整えました。

次にうつ伏せで足首ひねり操法を二パターン行いました。足関節からのアプローチと、足首の筋膜からのアプローチを行いました。

それで一旦確認の為に立ち上がってもらうと、だいぶ膝が伸びやすくなりました。

「あら~!歩ける!!膝が伸びる!!不思議!!」

と喜びながら一緒に付き添いで来ていた娘さんにアピールしてくれました。

まだ完全に膝が伸びきったわけではありませんが、かなりいい感じになったので今日はこれで手技は終了です。欲張ると良いことはないのです。

光線療法を行って終了しました。

痛みの原因

この方の場合は、骨盤の捻じれと膝下の捻じれが関係していました。それらの捻じれが整うように調整したら膝が伸びやすくなり痛みも和らぎました。

数日前に娘さんと一緒に出掛けた先で、ちょっと体を動かす機会があったそうです。激しい運動ではなかったのですが、それから痛くなったのでそれで痛めたのではないかということでした。

さらに、それ以前から足が上がりにくいとか違和感があったりとか、小さな症状は出ていたそうです。そこに急に普段やらないような動きをしたものだから体が対応出来ずに痛みが出てしまったという事です。

体は常にサインを出してくれているのですよね。

娘さんのご紹介

この方は娘さんが通院されていて、そのご紹介で来院しました。しかも娘さんが一緒に付き添って連れて来てくださいました。

待合室でもニコニコ楽しい雰囲気でお話していました。

娘さんの紹介で安心して来院していたこと。
一緒の付き添ってもらえて安心していること。
ニコニコ楽しく親子の関係性も素敵であること。

そのような雰囲気を拝見して、こういう方は早く良くなると確信しました。その通りにちょっとした刺激で良い変化がみられました。

このような膝痛とは一見無関係に見えるようなことも、実際には施術効果に影響します。

どんなところかわからず緊張している
何をされるかわからず不安
日頃からネガティブな思考や感情に支配されている

このような場合には、そういうところにも気を配ってケアしていく必要があります。単に整体の技術だけ提供すればよいというものではありません。

その方との関係性も、治癒のプロセスに深く影響を及ぼすのです。

こちらも丁寧に寄り添う。
そこに安心して委ねてもらう。

そんな関係が構築されたときに自然と治癒のプロセスが進んでいきます。

症例3「オスグット病」

膝痛の中学生の症例です。バレーボール部の中学三年生です。

膝のお皿の下の部分が痛くて整形外科ではオスグット・シュラッター病、いわゆる成長痛と言われたそうです。石巻からお母さんに連れられて来院しました。お母さんがインターネットでいろいろ調べて来てくれました。

オスグット病の診断を受けていても整体で改善するケースはとても多いです。そもそも成長痛って何なのだろう?と思います。

オスグッド・シュラッター病(オスグッド・シュラッターびょう、英: Osgood-Schlatter disease、独: Osgood-Schlatter-Krankheit)は、サッカーやバスケットボールなどのスポーツをする小学生、中学生や高校生に多く見られる、膝の脛骨が出っ張って痛むという骨軟骨炎である。オスグッド・シュラッター症候群(オスグッド・シュラッターしょうこうぐん)ともいう。

1903年にボストンの整形外科医ロバート・ベイリー・オスグッド(1873 – 1956)と、チューリッヒの外科医カール・シュラッター(1864 – 1934)が別々に症例を確認、発表したため、この病名がある。一般的には、「オスグッド」などと略されるが、正式名称は「オスグッド・シュラッター病(症候群)」である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%82%B0%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%97%85より転載

急に身長が伸びる時になるなどと言われていますが、実際には運動により身体に負担がかかって起きていることがほとんどです。

この中学生の場合も非常に身体の柔軟性が失われていて、それで膝に負担がかかっていました。

オスグット・シュラッター病の施術

まずはじめに中学生とお母さんに当院の整体の考え方をお伝えしました。膝が痛いと膝の治療をするところが多いけど、当院では「膝の治療」はしないこと。膝が悪いのではなくて、膝に負担がかかっている要因を取り除くことをお伝えしました。

膝だけでなく、脚のバランスや骨盤や脊柱も含めて全身のバランスを整えていきます。

実際の施術の様子を紹介します。

足指の調整

足指がじゃんけんのグーの状態で固まっていました。そんなところも膝の痛みと関係します。まずは足指の調整をしました。足指の筋膜が変化すると結構いろんなところが変化します。

足指バレリーナ操法という多次元操体オリジナルの操法があります。

中足骨の調整

足の甲の骨の動きを良くしていきます。中足骨操法をしました。これも多次元操体オリジナルです。

骨盤の調整

実は最初に骨盤の検査をしていました。足指と中足骨の調整で骨盤の状態がだいぶ変化しました。お母さんも本人もびっくりしていました。

さらに骨盤の動きが自由になるように調整します。この中学生は臀部の緊張がとても強いので無理なく自然に緩むような調整を行いました。

大腿部の調整

大腿部、特に大腿前面の筋肉が緊張しています。操体法で緩めていきます。基本操法や多次元操体のオリジナル操法を混ぜながらやっていきます。

足首の調整

右足首の固さが気になったので伝えると幼少の頃に足首付近を骨折した経験があるとのことでした。足首の可動域を広げていきます。

肩甲骨と腕の調整

バレーボール部なのでしっかりアタックを打てるように肩甲骨~鎖骨~腕の自由度を高めていきます。

頸椎の調整

最後に頸部周辺の緊張を解放しました。


以上、文章で書くとあれこれたくさんやったようですが、時間にするとそれほどかかっていません。一つの操法が数秒から十数秒で終わりますので横で見ているお母さんに説明しながら施術をしてもそれほど長くかかりません。

説明なしで純粋に手技だけなら5~10分もあれば全身のバランスは大きく変わります。

ベッドから降りて歩いてもらうととても足も軽く膝も楽になりました。全然違う、不思議だねーと喜んで頂きました。