執筆者:院長 上川名 修

2020年3月19日現在、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が世界的に広まっています。

イタリア全土で移動制限がかけられ、学校も閉鎖。
レストランやバーなどは夜間営業停止となり、生活必需品店と薬局以外の全商業施設の営業が停止になっています。

アメリカでは非常事態宣言が出て州単位で封鎖措置や休校が行なわれています。
アメリカに続いてスペインでも非常事態宣言が出て、スペイン全土で移動制限。

ドイツでは国境における入出国制限。
フランスでは全国一斉休校に加え外出禁止措置も行なわれています。

その他世界の75の国と地域で入国制限が行なわれ、85の国と地域で入国後の行動制限措置がとられています。

日本国内では現時点では緊急事態宣言は出ていませんが、近い時期に移動制限や外出禁止の措置がとられる可能性もあります。

先行きの見えない世界的な新型コロナウイルス騒動の影響で不安な感情が高まっている人も多いことでしょう。

NHKが3月9日に発表した世論調査では、新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感じるかについて、「大いに不安を感じる」が24%、「ある程度不安を感じる」が50%、と回答するなど、新型コロナウイルス感染への不安を抱く人が7割を超えています。

引用元:新型コロナウイルスなど、不安からくる”ストレス”に対処するには?|NHK健康チャンネル

また、新型コロナウイルスに対する不安は感染に対する不安だけではありません。
金融、経済界も大混乱を起こしています。
個人の生活にもその影響は確実に及ぶことでしょう。

そんなストレスからうつ病を発症する人が増加するのではないかと懸念しています。
このページでは新型コロナウイルスやその騒動の影響により発生するストレスと、対策について解説致します。

新型コロナ騒動によるストレスとうつ病

新型コロナ騒動によるストレスとうつ病

新型コロナウイルスの拡大感染防止対策として多くの国で、移動制限や国境封鎖が行なわれています。
また危険度のレベルによっては、すべての商店の営業が停止になったり外出禁止などの措置がとられています。

同様の対策が日本国内でも行なわれる可能性が十分にあります。
様々なストレスから精神的にダメージを受け、うつ病を発症したり自律神経のバランスを崩す人が増えることが考えられます。

あなたの身の回りにどんな事態が起こりうるのか想定して、事前に対策を立てておくことが大切です。

売上・収入が減るストレス

現在直接的な影響としては、航空業界、観光、飲食店、イベント関連会社等が大きな損害を被っています。
人々が外出を控えることで消費活動全般が低迷します。

一部の業界だけでなく今後ほぼすべての業界で売上が減少する可能性があります。
会社の業績が悪化すれば、収入が減少する人も増えるでしょう。

収入が減るストレスはかなり大きいですので、精神的にダメージを受ける人も増えると予想されます。

リストラ・倒産のストレス

大きなダメージを受けた中小企業や個人のフリーランスで倒産・廃業が増えることも予想されます。
年々減少傾向にあった自殺者数も大幅に増える可能性もあります。

コロナショックで景気も低迷しています。
新卒社の内定取り消しも相次いでいます。

そのような状況の中で会社が倒産したり、リストラに遭ったりして再就職しようとしても難しいことが予想されます。
同じ業界内で転職しようとしても業界全体がダメージを受けている場合には雇う方も余裕がありません。
これまでとは異なる業種への転職者が大幅に増えることが考えられます。

同じ仕事での再起が難しい場合に、自分には何が出来るのか改めて考え直しておくことも必要になるでしょう。

家庭内のストレス

外出禁止になったり、店舗の営業が出来ない事態になると基本的に一定期間自宅にこもることになります。

子ども達の学校はすでに休校になっていますが、大人も皆家で過ごすことになります。
そうなると夫婦間、親子間の関係が良くない場合には非常にストレスを抱えることになります。

身近な家族とのコミュニケーションを良好にしておくことがとても大切です。
これまで家族との対話が少なかった方は、関係を深めるよい機会でもあります。

外出できないストレス

すでに諸外国で行なわれているような外出禁止の事態になれば、外出できないこと自体が大きなストレスになります。

許可なく外出すれば逮捕されたり罰金が科せられる国もあります。

諸外国の例をみると外出禁止は2週間から1ヶ月程度に渡ります。
家の中で出来るストレス解消法や、娯楽の手段をもっておくとよいですね。

うつ病になりやすい生活パターン

うつ病になりやすい生活パターン

新型コロナウイルスと関係なしにうつ病になりやすい生活パターンがあります。
現在進行中の新型ウイルス騒動でうつ病になりやすい生活パターンが加速します。

ストレス・不安過多

とにかくいろいろな不安やストレスがあります。

  • 感染に対する不安
  • 感染後の影響の不安
  • 売上や収入が減る不安
  • リストラや廃業の不安
  • 金融危機に対する不安

等など。

これらの不安に対処するには、まず何が不安に感じるのかを明確にする必要があります。
人によって不安の内容は異なりますし、同じ人が複数の不安を抱えていることもあります。

「新型コロナウイルスが不安」と漠然と感じるのではなく、きちんと不安の内容を明確にしてそれぞれに出来る範囲の対処をすれば、不安のレベルは小さくなります。

例えば、感染に対する不安であれば、手洗いやうがいの励行、マスクの着用や消毒や外出を控えるなどの行動である程度押さえることが出来ます。

また感染後に重症化しないための対策であれば、きちんと栄養を摂ったり免疫力を高めるための努力をすればよいでしょう。

その他、仕事やお金に対する不安についても同様です。
個人のレベルで出来ることと出来ないことがありますが、出来ることに焦点を合わせて対策をすれば不安を抑えることは可能です。

運動不足

外出を控えることになるので圧倒的に運動不足の人が増えます。
運動不足は血流も悪くなりますから体調も優れなくなります。

これまで働きすぎ、動きすぎだった方はゆっくり休養できるよい機会かもしれません。

どちらにせよ、その人にとってちょうどよい運動レベルがあります。
体がなまっている人、弱っている人は無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。

家の中で出来るストレッチや筋トレがお薦めです。
我が家の子ども達はけん玉を一生懸命やっています。

うつ病になりやすい食生活

うつ病や自律神経失調症になりやすい食事があります。
糖質が多くたんぱく質が少ない食事です。
ビタミンやミネラルの欠乏も関係します。

緊急事態宣言が出て、買い物も自由に出来なくなるとインスタント食品やレトルト食品を食べることも多くなると思います。

またカップラーメン、インスタントラーメン、パスタなど糖質に偏った食事になりやすいことも想定されます。
家に長くいるのでお菓子やジュースの摂取も増えるかも知れません。
そして肉、魚、野菜などの生鮮食品の摂取も減ると思われます。

そのような生活が続くと必要な栄養素が不足します。
その結果自律神経のバランスが乱れ、うつ病や自律神経失調症になる人が増えるのではないかと思われます。

新型コロナ騒動に負けない!うつにならないための対策

新型コロナ騒動に負けない!うつにならないための対策

当院ではうつ改善のための施術を行っていますが、手技だけでなく生活習慣改善のアドバイスにも力を入れています。
中でも栄養面の改善は必須です。

まだまだ一般的には知らない人も多いのですが、うつ病は栄養面の改善することで良くなる人も多いのです。
逆の言い方をすれば栄養面に問題がある場合には、薬を飲み続けたり精神面のケアを続けても良い効果が得られにくいのです。

栄養の改善

うつになりやすい食事は以下のようなものです。

  • 糖質の摂取量の割合が多い
  • たんぱく質が不足している
  • ビタミン、ミネラルが不足している

甘いお菓子やジュース、ラーメン、うどん、パスタ、焼きそば、パンなどの小麦製品、白米などをよく食べている人。
肉、魚、卵、チーズなどの動物性たんぱく質が不足がちの人。
うつや自律神経失調症になる人にはそんな人が多いのです。

必要な栄養素が不足した状態で、さらに精神的なストレスがかかることで病状が悪化しやすくなります。

改善策としては、まずたんぱく質を積極的に摂ることと、現在摂っている主食の量を半分以下にすることです。
とはいってもなかなか難しい人もいるかもしれません。

食生活を変えることは、人によっては大きな抵抗を感じるのも事実です。
「日本人は米を食べるべきだ」
「主食を食べないなんて考えられない」
という意見があることも事実です。

また糖質制限を中途半端に行なうと体調を崩す人もいますし、代謝の仕組みが切り替わるときに一時的に体調が悪くなるように感じる人もいますが、正しいやり方をすれば心配ありません。

うつの人こそプロテインでたんぱく質を摂取

うつの人こそプロテインでたんぱく質を摂取

慢性的にたんぱく質不足になっている人の中には、胃腸が弱っている人もいます。
胃腸の消化能力が低下していると、たんぱく質をうまく消化することが出来ません。

そういう人が急に糖質制限と高たんぱく食を始めると、胃がもたれたり気持ち悪くなることがあります。
そんな場合にお薦めなのがプロテインを飲むことです。

プロテインと言えば筋トレやスポーツをする人だけのものというイメージがありますが、たんぱく質を効率的に摂取できる優れものです。

たんぱく質が不足すると、脳内神経伝達物質の原材料が不足します。
幸せを感じるホルモンのセロトニンや、喜びを感じるドーパミンなどのホルモンがうまく分泌出来にくくなるのです。

特にうつや自律神経失調症の人はプロテインを毎日摂取するとよいのです。
精神科医の藤川徳美先生は1日に20g(60 cc)×2回摂取することを推奨しています。
吸収の良い「ホエイプロテイン」がお薦めです。

プロテインの服用で期待できる効果

  • うつ病、パニック障害を含めすべての病気の回復が早まる
  • 摂食障害の特効薬である
  • 朝目覚めが良くなり、疲れにくくなる
  • 立ちくらみ、めまいがなくなる
  • 爪、髪が強くなり、綺麗になる
  • 肌の調子が良くなり、化粧のノリが良くなる
  • 甘いものに興味がなくなる
  • ダイエットに効果があり、適正体重まで減少する
  • ウエストが細くなる
  • 気候変動に強くなる
  • 夏バテしなくなる
  • 胃腸の調子が良くなり、胃腸が強くなる
  • 免疫力が向上して、風邪を引きにくくなる
  • ストレスに強くなり、落ち込んでも立ち直りが早くなる
  • 末梢(手足)の冷えが改善する

等など。

すべての不調は自分で治せる」より