執筆者:院長 上川名 修

心と身体の調和した在り方。
当院はずっとそれを意識して整体の仕事をしてきました。

精神的にも肉体的にも健康で調子のよい状態がいいですよね。
どちらか片方というのはあり得ないと思うんです。

なぜなら心と身体は繋がっているからです。
どちらか片方の調子が悪いともう片方にも影響がいきますよね。

だから施術を通じて、心身ともに少しでも良い感じの状態に近づけることが出来ればと思っています。

心と身体について

「精神と肉体の調和」とも言えます。
これはどういうことなのか?と改めて考えてみました。

精神の調和

精神的に調和しているとはどういうことでしょうか?

  • いつもニコニコ笑顔でいることでしょうか?
  • どんなときも明るく元気でいることでしょうか?
  • 常に前向きに生きることでしょうか?
  • いつも穏やかで平常心を保つことでしょうか?

いろいろな解釈がありそうです。
感情にはポジティブなものとネガティブなものがあります。
でもポジティブは良い、ネガティブは悪いという分け方はあまりしたくありません。

人間生きていればいろいろな出来事に出会います。
自分が穏やかにしたくても、家族や会社の人がイライラすることを言ってくるかもしれません。
大好きな親友が恋人が病気になったりケガをしたりすれば心配したり不安になったりするでしょう。

正直に言っていろんな仕事でもプライベートでもいろんな問題が生じるでしょうし、どんなときも明るく元気でいるなんてことは不可能だと思います。
仮に他人に対して元気なふりを演じていたとしても、自分自身の心は苦しいと思います。

ネガティブな感情を抑圧すると

いろいろなネガティブな感情がわき上がってきたときに、心の奥に押し殺してしまうことがあります。
怒りに代表されるネガティブな感情のエネルギーを押し殺すとどうなるでしょうか?
実は抑圧した感情のエネルギーは身体(筋肉)に蓄積されます。

怒りを表現する言葉として「腹が立つ」「頭に来た」「はらわたが煮えくりかえる」といった言葉があります。
これらの言葉は身体に付随しています。
このように感情は身体の感覚としても感じることが出来ます。

心の調和ということに話を戻しますと、ネガティブな感情も含めてきちんと味わって、それに振り回されないことだと思うのです。
様々な感情のエネルギーをしっかり感じ切るとそのエネルギーは解放されます。
つまり常にエネルギーがよどみなく流れている状態です。

ポジティブ・ネガティブにとらわれないありのままの状態が心の調和なのではないかと思っています。
なかなか表現するのが難しいですね。

肉体の調和

肉体的な調和はいわゆる健康体というイメージがありますが、病気と健康の境目はどこにあるかと考えてみるとその境界は以外と曖昧だったりします。
病気は健康の対局として捉えられがちですが、病気の状態でさえも身体の回復のプロセスが起きている最中だったりします。

例えば風邪を引いて熱を出します。
身体は熱を出すことで免疫細胞が活発に働きウイルスや細菌をやっつけます。
これは健康な働きとも考えられます。

例えばどこか膝などをぶつけて腫れ上がります。
いわゆる炎症ですがこれも自然な回復の反応です。

だから病気や症状も回復のプロセスの現れであるとも言えます。
そうやって考えると身体の調和とは、常に病気をしないということだけでなく、病気になったときも速やかに回復のプロセスが起こりやすい身体を保つという見方も出来るのではないでしょうか?

また、身体を鍛練して筋肉質の肉体美を創り上げることや、運動をする場合により高いパフォーマンスを目指すことも動きの面での身体の調和と言えます。
日常生活で所作を磨いたり、丁寧に動作を心がけるなども同様です。
美しい姿勢や動作という見方もできます。

心と身体の調和とはそれぞれに美しい在り方とも言えるかもしれませんね。

心と身体の美しさ

それには見た目のフォルムの美しさだけでなく、姿勢や動作が調和していることが含まれます。
より効率的で無理や無駄のない動きです。

伝統芸能の世界の達人や超一流のスポーツ選手にはそのような美しさが見られます。
ベテランの職人の技や動きも美しいものです。

普通の人でも日々の何気ない一つ一つの動作を心を込めて丁寧に行なえばそれは美しさを感じます。
ただ単に立っているだけでも重力とうまくバランスを取って立っている姿は美しいものです。
野生動物がただ立っていたり歩いたりする姿は美しいです。

そのような姿勢や動作の美はまわりの環境にも調和をもたらすと考えています。
だから整体の施術時も出来るだけ美しく行ないたいと思っています。
自然にそういう所作が出来るように日頃から意識して訓練しなければなりません。

だから日常生活のすべてが訓練になります。
心も身体も穏やかに目の前のことに丁寧に向き合いたいものです。