健康は自分で守るもの

「健康は自分で守るもの」

操体法では基本的な考え方ですが、多くの人は医者や治療家に治してもらおうと考えます。そして治療家は患者を治そうと頑張ります。そして苦しくなって、もっと治せる方法はないかといろいろな治療技術を求めてセミナーに出たり教材を買ったりしています。

そのような治療技術の一つとして操体法を捉えている治療家も多くいます。近年は操体法を高単価短時間治療ができるテクニックとして捉えている人も多く、確かにそのような側面もありますがそれは操体法の活用の一つの例に過ぎません。

大切なことはだいたい橋本敬三先生の本に書かれているのですが、一切橋本先生の本も読んだこともなくて操体法を学んでいる人も結構多いような気がします。これはとても残念でもったいないことです。

操体法を学ぶ人は最低でも数冊は昔の橋本先生の本を読まれると、その哲学に触れることができます。

操体法がうまくいかないケース

操体法をクライアントに試してうまくいかない場合、いくつかの原因が考えられます。技術的な問題ももちろんありますが、操体法を行う術者の意識が一般の治療法と同じように「症状を治そう」としているとなかなかうまくいきません。

どんな意識で操体法を行うかが大切です。クライアントにかける言葉やセッションの流れや症状に対する見立てもすべて変わってきます。

医者はコンサルタント

万病を治せる妙療法を久しぶりに読み返してみると中にこんな一節がありました。

健康というものは自分の責任で守るものです。

しかし、どうしたらいいのかについてのだいたいの道筋を教えるのが医者です。あとはあなたがやるかやらないかの問題で医者の責任ではないのです。

ところが民間の治療師というのはそれがわからない。私が治してやったというけれども、そのときの痛さだけ取り去ってそれで治したつもりでいるのです。

痛いということはありがたいことで、健康の危険のサインなのです。痛さがあるおかげで、人間は大ケガをせずに助かっている。だから、そのサインがあったときに、そのサインの原因がどこにあるのかを見つけて、それをとりのぞくことも指導するのが医者です。

つまり、医者というのは治療師ではなく、コンサルタントなのです。そして、治すのは患者自身であり、自然なのです。

だから健康というのは、患者自身に自分で守るという自覚をもってもらわないとだめなのです。少しもよくなりません。私は、歪みをもとにもどす方法について考えることができますし、教えることもできますが、それをするかしないかは一人一人の問題なのです。

「万病を治せる妙療法」橋本敬三著 より

万病を治せる妙療法―操体法 (健康双書ワイド版)
橋本 敬三
4540043528

 

40年以上も前に書かれた本ですが、読むたびにいろいろな気づきがあります。
操体法に関する本の中で私が最初に読んだ本でもあります。

「どうしたらいいのかについてのだいたいの道筋を教える」

完璧な道筋なんて誰にもわからないですから、だいたいの道筋を教えたらそれを元にして自分自身で自分によりあった道を見つけていくことが大切です。

ところがクライアントは言います。

「●●体操ってどうなんですか?何回くらいやればいいんですか?」

「骨盤ベルトって使った方がいいですか?」

等など。

そのように聞きたくなる気持ちもわからないではありませんが、そういう意識のままではなかなか良くなりにくいのです。ちゃんと自分自身にセンサーがあるのですから、そのセンサーを引き出してあげるのが我々の役割です。

自然法則が治す

「治すのは患者自身であり、自然なのです。」とも書いてあります。

「治すのは患者自身です。」と終わっていません。

言い換えると「患者自身と自然が治す」と書かれています。
当然、医者や治療者が治すとも書かれていません。

患者自身が治す。だけど患者自身だけで治すわけじゃないのです。
自然法則が治してくれるのです。

改めて読み返してみるとこのようにいろいろな気づきがあります。