執筆者:院長 上川名 修

副腎疲労症候群について解説します。
だるい、眠い、無気力、無関心といったうつ症状が副腎疲労に起因している可能性があります。
副腎の働きや副腎をケアする方法も解説していますので、原因不明のだるさでお悩みの方は読んでみて下さい。

副腎の働き

副腎とは

副腎は生命を維持するための大切なホルモンを分泌する臓器です。
左右の腎臓の上にくっついています。
1つ3~5グラム程度で非常に小さな臓器です。

副腎は副腎皮質と副腎髄質に分けられます。
ストレスに対して活躍してくれる大切なホルモンを分泌します。

副腎は小さな三角形をした形の臓器で、左右の腎臓の上の後腹膜腔とよばれるところにあり、右は肝臓、腎臓、下大静脈に、左は脾臓、膵臓、腎臓、腹部大動脈に囲まれています。

(中略)すなわち背骨のすぐ横で心臓のすぐ下くらいに位置しており、体の奥深く肋骨や周囲臓器に守られているようなところにあるため、よほど大きな腫瘍ができなければ表面から触れることはありません。

左右おのおのの副腎はぎょうざくらいの大きさで2つの部分から構成されます。外側にある皮質と呼ばれる部分と、内側の髄質と呼ばれる部分で、体の恒常性を保つために重要なホルモンを分泌する臓器です。

名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科|副腎とは

副腎皮質ホルモンの役割

副腎皮質からはコルチゾールとアルドステロンというホルモンが分泌されます。
コルチゾールは血糖値を上げ、空腹でも戦える力を出します。
ストレスがかかったときに分泌されます。

またコルチゾールは炎症を抑える働きもあります。
アトピー性皮膚炎などの治療に使われるステロイドはコルチゾールの働きをします。

アルドステロンはナトリウムとカリウムと水分のバランスを調整しています。体内の水分代謝、血圧に関係しています。

副腎髄質ホルモンの役割

副腎髄質からはアドレナリンとノルアドレナリンとドーパミンが分泌されます。アドレナリンやノルアドレナリンはストレスやショックを受けたときに分泌されます。
俗に言う「火事場の馬鹿力」はこれらのホルモンの働きによって一時的に大きな力が出せるようになります。
ドーパミンはやる気や集中力を高めるホルモンとして知られています。

副腎疲労とは

副腎疲労とは、ストレスや食生活などの影響により副腎が疲労して本来の働きが低下してしまっている状態です。
副腎の機能が低下すると、心身が共に疲れ果てたようになりやる気が無くなります。
まるでうつや慢性疲労症候群と同じような症状が表れるのです。

実際にうつ病や慢性疲労症候群と診断を受けた人の多くが副腎疲労になっているようです。
また、原因不明のだるさや疲れで悩んでいる人も副腎疲労の可能性があります。
副腎疲労という概念自体がまだ医療の世界でもめずらしい考え方なので通常は見逃されがちです。

副腎疲労による症状

  • だるい、疲労感
  • 眠い、無気力
  • やる気が出ない、無関心
  • イライラしやすい

等などうつ病とも共通する症状です。

ストレスとうつ症状

副腎はストレスと闘う臓器と言えます。
しかしストレスがあまりに大きかったり長く続くと副腎疲労の状態になり、うつ症状が出てきます。
ストレス学説で有名なハンス・セリエ博士によるとストレスを受けてからの体の反応は「警告反応期」「抵抗期」「疲憊(ひはい)期」に分けられます。

警告反応期はストレスに対して体が準備を始める時期です。
抵抗期は体がストレスに対して抵抗し闘っている時期です。
副腎にも大きな負担がかかります。

さらにストレス期間が続くと疲憊期に入ります。
疲憊期に入ると神経や筋肉の働きも弱りうつ症状が表れます。

セロトニンとの関係

セロトニンは精神安定と深く関係する脳内の神経伝達物質の1つです。
幸せを感じる幸福ホルモンなどと呼ばれたりします。
うつやパニック障害などの病気がセロトニン不足で引き起こされるとされています。

副腎疲労がひどくなるとセロトニンが作れなくなってしまいます。
つまり副腎疲労からセロトニン不足が起こりうつ症状が発生するとも考えられます。

うつやパニック障害の治療薬でSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)があります。
脳内のセロトニンが再取り込みされることを阻害することでセロトニンが増加したと脳に認識させるというわけです。

しかし、実際にはセロトニンが増えているわけではありません。
副腎のケアをしてセロトニンを作り出せる体になることが根本改善の道になります。

副腎疲労と慢性疲労症候群

副腎疲労と慢性疲労症候群は非常によく似ています。
慢性疲労症候群は原因不明の疲労感に長期間にわたって襲われ社会生活に支障を来す病気です。

微熱、体の痛み、頭痛、だるさ、リンパの腫れや痛み、睡眠障害、思考力低下、ひどい疲労感、うつなどの症状が長期にわたって続きます。
慢性疲労症候群の人はほとんど副腎疲労の状態にあると言われています。

慢性疲労症候群のはっきりした原因は解明されていません。
しかし、当院では生活習慣のストレスや食生活が原因と考えています。
副腎疲労同様、食生活と生活習慣の改善が回復の鍵になります。

副腎のケア

副腎の働きを高めるには主に生活習慣の改善に取り組む必要があります。
その中でも特に食生活の改善と、ストレスの緩和に努めることです。
根本的に改善するためには普段の生活を変えるしか方法はありません。

副腎の働きを高めることは、うつや慢性疲労症候群をはじめとして自律神経失調症や更年期障害、パニック障害や頭痛やめまい、だるさ、不眠、などの症状で悩んでいる人にもお勧めです。
原因不明の不定愁訴で苦しんでいる人のほとんどは副腎疲労が関係しているのではないでしょうか。

食生活の改善

  • 糖質を控える、特に精白した糖質は避ける
  • グルテンを含む食品を避ける
  • 乳製品に含まれるカゼインに注意
  • 肉、魚、大豆をしっかり摂る
  • 良い油を摂る
  • 旬の野菜や果物を食べる
  • 梅干しで塩分を補給する
  • 食品添加物に注意
  • トランス脂肪酸は避ける
  • カフェインに気をつける
  • アルコールを控える

等など、副腎をケアする食事は糖質制限食との共通点もかなり多いです。
糖質を控えてタンパク質を積極的に食べて良質な油を摂るということですね。

積極的にストレスのケアをする

生活習慣の改善についてはストレスを減らし、心身がリラックス出来る習慣を積極的に取り入れることが大切です。
呼吸法や瞑想法も役に立ちます。
最近流行っているマインドフルネスも効果的です。

今の時代はストレスにあふれた時代ですので、自分に合ったストレスケア方法を身につけておくことが大切です。

整体やリラクゼーションサロンに定期的に通うのも良い方法です。
ただし、あなたに合った施術が受けられるところじゃないとかえって緊張が強まったりストレスを感じてしまうリスクもあります。
心身共にリラックスできる信頼出来る先生と出会えるとよいですね。

当院では多次元操体法という手技とヒーリングを融合させた整体を行っています。
身体面とエネルギー面が調和するお手伝いをしています。
思考や感情のコントロール法や潜在意識を変えるコツなどもお伝えしています。
病院の検査では原因不明の不調でお悩みの方が多数来院し改善しています。

うつ、自律神経失調症、パニック障害、慢性疲労症候群、起立性調節障害、頭痛、めまい、だるさ、食欲不振、動悸、不安感、不眠、耳鳴りなどの症状でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

 

【参考文献】

「うつ?」と思ったら副腎疲労を疑いなさい 本間龍介著 SB新書

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