病院で処方された鎮痛剤を飲むと頭痛が弱まったり、あるいはまったくなくなったりします。しかし、しばらく時間がたつとまたズキズキと頭痛がはじまります。そこで、また薬を飲むという繰り返しになります。頭痛が不安で鎮痛剤を手放せないという人もいます。

頭痛がすると薬を飲む。薬の効果が薄れると、また頭痛がする。その繰り返しの悪循環に陥ってしまっている人も多いです。

しかし、鎮痛剤を繰り返し飲み続けても頭痛は根本的には治りません。根本的な解決のために、まずは頭痛のメカニズムについて説明します。

頭痛のメカニズム

筋緊張型頭痛はその名のとおり、ストレスにより筋肉の緊張して、脳の血流が不足することで起こります。首から頭にかけて、あるいは肩にかけての血管が収縮し血流がとだえて、筋肉が非常に緊張することによって頭痛が起こるのです。

この状態では、首から頭にかけて重苦しく、締めつけられるような頭痛です。 その後、そういう緊張した状態から抜け出すと、今度はズキンズキンという拍動性の痛みに変わります。この状態の痛みを偏頭痛といいます。

筋肉が緊張状態から抜け出して、リラックスしたり、体が温まってくると、体の回復反応で患部の血流が回復します。血流が途絶えていた首筋の筋肉に一気に血液が流れ込むのです。このときにズキズキとした頭痛が起こります。

よく思い出してみると、ズキズキとした頭痛が起こるのは、仕事が終わってほっとしているときや、家に帰ってくつろいでいるときや、布団に入って体が温まったときではないでしょうか。

この頭痛は、体が治ろうとしている反応によるものなのです。頭痛持ちの人が悩まされるのは、このズキズキという偏頭痛の痛みなので、痛み止めの薬を飲むことになります。

すると、痛みは止まるのですが、体はもとの緊張状態に後戻りすることになります。ですから、薬が切れると体は再び治ろうとして、血液を患部に送り込みます。その結果、痛みがぶり返すというわけです。これが頭痛のメカニズムです。

痛みのもと「プロスタグランジン」とは?

体は治ろうとするときに不快な症状を伴います。風邪をひくと、のどが痛くなって、咳がでます。鼻水も出て、熱も出ます。これらは、つらい不快な症状ですが、体が自力で治ろうとしている治癒反応なのです。

しもやけができると赤く腫れて、かゆみや痛みをともないます。これはしもやけができた部分に血流が増えたためにおこる症状です。

同様に、筋緊張性頭痛が治ろうとするときも、血流障害が起きていた部分に血流を回復させようとします。体の血管が開くときには痛みを伴います。頭痛の痛みのもととなる物質をプロスタグランジンといいます。このプロスタグランジンは、血管を開く、痛みを起こす、発熱させるという作用をもっています。

一般のズキズキと痛む偏頭痛はプロスタグランジンの働きによるもので、血管拡張と痛みを伴います。血管が拡張するからズキンズキンという拍動にあわせて痛むのです。

頭痛薬はこのプロスタグランジンの産生を抑制します。血管をひろげて、血流を多くしようとしていた物質がなくなれば、とりあえず痛みはおさまります。しかし薬の効き目が切れると、プロスタグランジンの働きにより、また痛みがぶり返すということになるのです。

頭痛改善ストレッチ

筋緊張型頭痛の原因は首の筋肉にあります。頭痛を改善するための首のストレッチを紹介します。

筋緊張型頭痛でお悩みの方は、その名のとおり、首の周辺の筋肉が緊張しています。筋肉の緊張により、脳への血流が不足し、酸素が足りなくて頭痛や頭重感に悩まされます。

シンプルに考えれば、筋肉が緊張しているものはストレッチしてあげればよいのです。

頭痛でお悩みの方は、自分でも首の筋肉が硬いことはとうにわかっていると思います。ストレッチだってやってみたけれど、そんなもので楽になるのなら苦労しないよ、という方もいらっしゃると思います。

たしかに、カチカチに硬くなってしまった首の筋肉を、すぐに柔らかくするのは大変なことかもしれません。
頸椎の矯正や筋肉の調整が必要な方が多いことも確かです。しかし、ていねいにゆっくりと時間をかければ、自分でも首の筋肉をストレッチして頭痛を改善することは可能です。

首の筋肉をストレッチすることは様々な症状に効果的です。頭痛や首のこりでお悩みの方はもちろんのこと、肩こり、自律神経失調症、うつなどの症状でお悩みの方にもおすすめです。

首の筋肉

頭痛と首の筋肉は深い関係にあります。首の周辺には様々な筋肉があります。
主なものを挙げてみます。

  • 僧帽筋(そうぼうきん)
    非常に大きな肩の筋肉です。脊柱から肩甲骨・鎖骨にかけて付いています。
  • 肩甲骨挙筋(けんこうきょきん)
    頸椎から肩甲骨にかけて付いています。肩こりには非常に関係が深い筋肉です。
  • 頭半棘筋(とうはんきょくきん)、頸半棘筋(けいはんきょくきん)、頭最長筋(とうさいちょうきん)
    これらの筋肉は頭が前に傾いたときに、頭を支える筋肉です。姿勢が良くないと、これらの筋肉が酷使されることになり、頭痛の原因になります。
  • 頭板状筋(とうばんじょうきん)、頸板状筋(けいばんじょうきん)
    首の後ろの筋肉。しばしば頭痛を引き起こします。
  • 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
    胸骨・鎖骨から頭蓋骨(側頭骨)にかけて付いています。横を向いた時に首筋に浮き出る筋肉です。こると頭痛や目の奥の痛みを引きおこします。
  • 斜角筋(しゃかくきん)
    頸椎から第1肋骨にかけて付いています。この筋肉の緊張により、頭痛や腕にしびれが生じることがあります。(斜角筋症候群)
  • 広頸筋(こうけいきん)
    首の前面、表層の筋肉です。

首のストレッチ

ここで紹介する首のストレッチは特別変わったものではありません。誰でも一度はやったことがある首をゆっくりと傾けて伸ばす動作なのですが、ゆっくりと一箇所ずつ味わいながらストレッチすると効果が高まります。

一箇所ずつ、動きを止めながらストレッチします。動きを止めながら行なうことがポイントです。要は、首の周りについている前後左右の筋肉を、すべてストレッチするというものです。

前後、左右、斜めの八方向で動きを止めて行ないます。それでは各方向ごとに解説していきます。イスに腰かけて、肩の力を抜いて行ないます。各動作を20秒以上かけてゆっくりストレッチを行ないます。

ストレッチの方法

  • ①頭を前に倒します。
    <頭半棘筋、頸半棘筋、頭最長筋をストレッチ>
    背筋を伸ばして、顎を胸につけるようにします。頭の重みだけでは、筋肉がストレッチされる感じが弱いので、両手を組んで頭の上に置きます。手の力を抜くと、手の重みで首の後ろ側がストレッチされます。
  • ②頭を後ろに倒します。
    <広頸筋をストレッチ>
    顎をそらし、天井を見上げます。目線はより後ろの方を見ます。口を閉じるようにすると、さらに首の前がストレッチされます。
  • ③頭を右に倒します。
    <左の肩甲挙筋をストレッチ>
    右耳を右肩につけるように、ゆっくりと倒します。首の左側の筋肉を伸ばします。右手で軽く頭を右に引くと、さらにストレッチされます。左肩が上がらないように、少し引き下げると効果的です。
  • ④頭を左に倒します。
    <右の肩甲挙筋をストレッチ>
    左耳を左肩につけるように、ゆっくりと倒します。首の右側の筋肉を伸ばします。左手で軽く頭を左に引くと、さらにストレッチされます。右肩が上がらないように、少し引き下げると効果的です。
  • ⑤頭を右前方へ倒します。
    <左の僧帽筋、頭板状筋、頸板状筋をストレッチ>
    首の左後ろ側をストレッチします。斜めの方向へのストレッチは、首を傾ける角度を微調整して、最も気持ちよく伸ばされる方向にストレッチします。 右手で頭を軽く、右前方に引くと効果的です。左肩が上に上がらないようにします。
  • ⑥頭を左後方へ倒します。
    <右の胸鎖乳突筋、斜角筋をストレッチ>
    ⑤と対角線上に頭を動かします。 まず、④のように頭を左に倒したところから、天井を見上げるように徐々に顎を上げながら頭を後ろに倒していきます。 最も「キク~」と感じるところで動きを止めます。 首の右側から前にかけて筋肉をストレッチします。 普段なかなか伸ばすことがない筋肉ですから、人によってはかなり痛みを感じるかもしれません。 自律神経のバランスがくずれている人は、この筋肉が緊張する傾向がみられます。
  • ⑦頭を左前方へ倒します。
    <右の僧帽筋、頭板状筋、頸板状筋をストレッチ>
    ⑤と反対に、右後ろ側の筋肉をストレッチします。
  • ⑧頭を右後方へ倒します。
    <左の胸鎖乳突筋、斜角筋をストレッチ>
    ⑥と反対に、左前側の筋肉をストレッチします。

特に気持ちよく感じる部位で90秒ほどしっかり味わうとより効果的です。
※痛みやめまいなど不快感が生じる場合には無理に行なわないでくださいね。

胸鎖乳突筋のストレッチ

鎖乳突筋が緊張している場合には僧帽筋や肩甲挙筋のストレッチを一生懸命やったとしても効果は薄いです。マッサージや治療院などで、肩こりの治療を受けてもなんだかすっきりしない場合は、適切な筋肉にアプローチされていない可能性があります。

頭痛の患者さんの首を触ってみると、ほとんどの人が首の後ろ側が硬くなっています。まれに柔らかい人もいますが、そういう人は首の横のほうに緊張が見られます。

また、自覚症状は首の後ろが苦しいのだけど、触ってみると、横のほうも緊張しているという人もいます。緊張している筋肉をしっかりとストレッチすることが出来ると、とても楽になります。

まずは、八方向すべてストレッチをやってみて、自分で「ここが硬くなっているな」と感じる部分を、念入りにストレッチするとよいでしょう。あまり、無理に行なうと翌日筋肉痛になったり筋肉を痛めたりします。くれぐれも無理をせず気持ちよさを味わいながら行なってみてください。

<頭痛解消おすすめのストレッチ本>

痛みと歪みを治す健康ストレッチ
伊藤 和磨
4262120368

※ストレッチを行う時は無理せずに自己責任の元で行ってください。また、頭痛の緩和には首のストレッチも有効ですが、根本解決の為には全身のバランスが調和することやそれ以外の要因を整えることも大切です。

>>首こりの整体