チック症とは、神経疾患の一つで、無意識に発生する動作や声を出す症状が特徴です。
主に子どもに多く見られますが、成人でも発症することがあります。
子どもの頃に発症しても思春期までに自然に消失することもあります。

実は院長の私もチック症を抱えていました。
現在も多少は残っていますが日常生活では問題ないレベルに落ちついています。

チック症は、原因がはっきりしていませんが、遺伝的な要因や脳内物質のバランスの乱れが関与していると考えられています。
治療法には、薬物療法や認知行動療法、整体などの民間療法がありますが、効果には個人差があります。

本記事では、チック症の症状や原因、治療法などについて、わかりやすく解説していきます。
また、私がチック症を克服した体験談や、当院のチック症に対する
考え方や整体での施術法も紹介します。

現在チック症にお悩みの方の参考になれば幸いです。

チック症とは?症状と原因

チック症の症状、原因、現代医学の治療法について解説します。

症状

チック症は、意図的ではなく、反射的に繰り返し発生する不随意運動や音声を伴う症状が特徴的な疾患です。
以下に、チック症の代表的な症状について詳しく説明します。

運動チック

  • 繰り返し行われる不随意運動(自分自身の意思とは無関係に筋肉が勝手に動く症状)が特徴。
  • 顔や首、手足などの体の一部分を動かすもの(目をつむる、首を傾ける、肩をすくめるなど)や、体全体を揺らすようなものがあります。
  • チックの程度は、弱く瞬間的なものから、強く持続的なものまで様々です。

音声チック

  • 繰り返し行われる不随意の音声が特徴。
  • 咳き込み、喉を鳴らす、どもる、喉を鳴らすなどの発声チック、あるいは、口笛を吹く、鼻をすするなどの非言語音チックなどがあります。
  • 発声チックと非言語音チックを合わせると、非常に多様なチックがあります。

複合チック

  • 運動チックと音声チックが組み合わされた症状。
  • 例えば頭を振りながら「エヘン」と咳払いするなどの症状など。

これらの症状は、ストレスや興奮などによって強く出ることがあり、就寝時にはほぼ収まります。
症状の重さや程度は個人差があります。

原因

チック症の原因ははっきりとは分かっていませんが、神経学的な問題が関連していると考えられています。
具体的には以下のような要因が挙げられます。

遺伝的要因

チック症は、遺伝的な要因が関与すると言われています。
近親者にチック症を持つ人がいる場合にチック症を発症する可能性が高くなることが知られています。

強くて長引くチックは、同じ家族にみられやすく、多少の遺伝性があると考えられています。ただ、軽い治りの良いチックは小学校のころには、4人に1人くらいにみられるという調査結果 もあり、かなり多くの人が持っている特性のようです。親子で顔が似るようにチックの起こりやすい脳の仕組みも似ているということかもしれません。

引用:東邦大学医療センター

脳内神経伝達物質の異常

チック症の人の脳内には、ドーパミンという神経伝達物質が異常に分泌されているとされています。
ドーパミンは、運動や行動、感情などに関連する脳内で重要な役割を果たしています。
このドーパミンの分泌異常がチックを引き起こす原因の一つと考えられています。

環境要因

ストレスや興奮、疲れなど、環境要因がチックを誘発することがあります。
また、薬物の副作用や、脳にダメージを与える疾患(脳腫瘍や脳卒中など)が原因で、チック症が発生することもあります。

以上のような要因がチック症の原因として考えられていますが、まだ解明されていない部分も多くあります。

現代医学による治療法

現代医学によるチック症の治療法は、薬物療法、行動療法、脳深部刺激療法、手術療法があります。

薬物療法は、抗精神病薬や中枢神経興奮薬を使用し、ドーパミンという神経伝達物質の作用を調整してチックを抑制します。
行動療法は、症状を抑えるために、ストレスマネジメントやリラクゼーション、チックを抑制する行動を学ぶトレーニングなどが含まれます。

脳深部刺激療法は、脳内の特定の領域に電極を挿入して、電気刺激を与える治療法で、脳内の神経回路を調整することで症状を軽減する効果が期待されます。

手術療法は、脳深部刺激療法と同様に脳内の特定の領域を切除する手術が行われる場合があります。

ただチックの原因がはっきりとわかっていないため、現代医学による治療法でも完治することは難しいと言われています。

院長のチック症克服体験談!効果的だった療法も紹介します!

実は私自身も幼少期の頃からチック症でした。

子どもの頃は母親から「みっともない!やめなさい!」と叩かれたり、中学校のテスト中に首や目を動かすチックの動作がひどく学校の先生からはカンニングの疑いをかけられたこともあります。

当時はチック症に対する情報も少なく誰も知らなくて理解されませんでしたので、いろいろと大変な思いもしました。

院長の症状

症状は主に運動チックです。

  • 不自然なまばたき
  • 不自然に顔面を動かす
  • 首や肩を動かす
  • 手首や指をカクカク動かす
  • 犬のように息を吐く、変な咳払い

などの症状がありました。
母親は私がふざけてそうしていると思っていて「みっともないからやめなさい!」と怒られたことを覚えています。
幼稚園に通っている頃から発症したと思います。

緊張する場面で強く出ていました。

中学生の頃テストの時間にチックの症状が酷く、首や目をたくさん動かすものですから先生からカンニングしていると間違われ、職員室に呼び出されて詰問されたこともありました。

当時はチック症という言葉も知らず、自分の無意識の癖だと思っていました。
先生も親もチック症のことは一切知りませんでした。
私も大人になってから知りました。

意識すれば止めることもできますが、緊張しているときや意識していないときはいつもチックが出ていました。

症状の改善

大人になった今ではかなり症状が軽減しました。
パニック障害や自律神経失調症も患っていたので、それらを改善するために様々な自然療法やリラックス法に取り組んできました。
長い期間かかりましたがパニック症や自律神経失調症は薬を飲まずに克服することができました。

その過程でチック症の症状もかなり軽減し、完全になくなったわけではありませんが自分では普段の生活の中ではほとんど気にならなくなりました。
自分から言わなければ多少まばたきが多い人くらいに思われて、あまり気づかれていないかもしれません。

肩が凝っている人は無意識に首や肩を動かすことがありますよね。
もしくは目が疲れている人が目をギューッとつむることもありますね。
その程度の動きに収まってきました。

誰かといる時や人前に出る時は意識すればほぼ出ないようにコントロールできます。

チック症の改善に効果があった方法

私が自分のチック症の改善に効果があったと感じる方法を紹介します。

操体法

操体法は、身体を整えるための療法であり、日本の伝統的な整体や東洋医学をベースとしています。
仙台市の医師、橋本敬三先生により創始されました。

操体法では身体のバランスを整えることで、自己治癒力を高め、身体の不調を改善することを目的としています。
また、身体の不調を改善するだけでなく、心身の調和を促すことで、精神的な安定やリラックス効果も期待されます。

操体法では「感覚」を重視するのが大きな特徴です。
自分の感覚に問いかけながら気持ちよい動作を通じて自分の身体を整えます。
身体の緊張がほどけて心身共にリラックスできるようになるとチックの症状も軽減しました。

瞑想

瞑想は、心身をリラックスさせ、ストレスや不安を軽減する効果があります。
瞑想を行うことで、脳波が変化し、交感神経と副交感神経のバランスが整い、自律神経の調整効果が期待されます。

また、瞑想には、脳内物質の分泌に関わるセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が増加するとされており、心理的なストレスを軽減する効果があるとされています。

瞑想を習慣にすることで自分自身のストレスケアが出来るようになり、チック症も気にならなくなりました。
実際の症状も軽減しました。

栄養療法

栄養療法は、適切な栄養素の摂取によって、身体の調子を整える治療法です。
自律神経は、ストレスや疲れ、不規則な生活習慣などによって乱れることがありますが、栄養療法は神経のバランスを整える効果が期待できます。

栄養療法は、栄養素を効果的に摂取することで、自律神経のバランスを整え、身体や心の調和を取り戻すことができます。
正しい食生活を実践することは、自律神経の健康をサポートするためにも、重要な要素の一つと言えます。

私は栄養療法を実践することでメンタル面が安定し、チック症状も軽減することができました。

身体のバランス、精神面のバランス、栄養バランスをそれぞれ整えることでチック症の改善が可能と考えています。

子どものチック症に悩む親御さんへ 対処法とサポート方法とは?

チック症は子供の時に発症することが多いです。
子どもが不自然に顔をしかめたり、奇声を発すると親御さんはびっくりすると思います。

親御さんが必要な情報を知り、子どもさんに対して適切なサポートをすることで安心させることができます。
幼少期に発症しても、小学校高学年くらいから思春期までに自然と症状が消失することもありますので焦らずに見守ってあげてください。

以下に親御さんに向けてのアドバイスを紹介します。

知識の習得

 チック症について十分に知識を得ることが大切です。
症状や特徴、治療法について理解を深め、適切な対応ができるようにしましょう。

子どもを理解する

チック症は、わざとやっているものではありません。
子どもの症状を理解し、受け入れることが大切です。
また、自分自身を責めたり、周囲の評価に過剰に反応することも避けましょう。

学校や周囲のサポートの確保

学校や周りの人々と協力し、子どもの症状を理解し、適切なサポートを行うことが大切です。
学校の先生や友人とのコミュニケーションを図り、支援を得られるといいですね。

周りの人から隠そうとするほどに緊張してチックがひどくなります。
周りの人の理解があると気持ちも楽になり、チックも軽減しやすくなります。

精神的なサポート

チック症によって子どもが不安やストレスを感じます。
親御さんは、子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。
無理に治そうとしたり、チックの動作を我慢させたりするとストレスが大きくなり逆効果です。

リラックスして過ごせるようになると成長と共に自然と症状が消失することもあります。
焦らず大らかな気持ちで寄り添ってあげてください。

チック症の子どもを持つ親御さんは、子どもの症状を理解し、適切なサポートを行うことで安心を与えることができます。

当院の考えるチック症の原因と対策

次に当院が考えるチック症の原因と対策について解説します。
一般的に考えられている原因とは異なる部分もありますが、幼少期からのチック症を抱える自分の感覚も含めて解説します。

心身の緊張が原因

心身が完全にリラックスしているときはチックの症状はほとんど出ません。
反対に緊張する場面では症状が強く出る傾向があります。

またチック症の人は身体の緊張が強く、筋肉が凝り固まっています。
特に顔面の運動チックがある人は顔面や首や肩の筋肉が緊張しています。

私はチック症の症状そのものが筋肉のコリを解消するための解放の表現であるのではないかと考えています。
じっとしているとこっている部分が苦しく感じるので、動くことで少しでもコリを和らげようとする無意識の働きなのではないかと思います。

音声チックや咳払いの場合は、喉の周辺が緊張しています。
私自身の感覚や過去にチック症の人の身体を触診した結果そのような考察に至りました。

根本解決のためにできること

チック症の治療法は確立されていませんが、心身の緊張をできる限り軽減したり取り除くことが改善の助けになると考えています。

また自分自身でも気づいていないような緊張があるものです。
チックは無意識に起こります。
無意識レベルでチックを起こすことで、無意識レベルの緊張を解放しようとしているのです。

自分自身と深く向き合い、自分の身体と対話することで今まで気づけなかった心身の緊張に気づけることがあります。
気づくだけで解放のプロセスが始まります。
繰り返し気づくことで、解放が進みます。

整体でチック症を改善するには?効果的な施術方法

当院のチック症の改善のためのアプローチを紹介します。

チック症に対する十分なカウンセリング

チックの症状の程度は人それぞれです。
あまり気にしていない人もいれば、深く悩んでいる人もいます。

極端な話を言えば症状があっても、本人がまったく気にならないのであれば問題にはなりません。
逆にはたから見てほとんどチックとわからないくらいの軽症でも、本人が深く悩んでいることもあります。

また、チックの背後には何かしらの精神面のストレスやトラウマが潜んでいることもあります。
心と体は繋がっていますので、心のストレスが解放されると体の緊張も一気に緩むことはよくあります。

チックの症状だけに捉われず、心身共に穏やかにリラックスできるように一緒に寄り添いながらサポートさせて頂きます。
そのために丁寧にお話を伺います。
悩んでいることや困っていることがあれば遠慮なくお話しください。

整体で身体的な緊張を解放する

当院で行っている操体法は痛みもなく安全な自然療法です。
気持ちよさを感じる刺激や動作を通じて、身体のバランスが調和する療法です。

私自身も操体法と出会い、その実践を通じて人生が変わりました。
チック症だけでなく自律神経失調症やパニック障害で長年苦しんでいましたが、操体法を実践して様々な症状がなくなりました。

チック症の人は、一般的な人よりも感覚が鋭い傾向があると思います。
普通の人が感じないような違和感も感じやすいのです。

その違和感を解消するために無意識に出る運動や声がチックの症状なのではないかと考えています。

ヒーリングで精神的な緊張を解放する

当院は操体法で体のバランスを整え、ヒーリングでエネルギーのバランスも整えます。
深くリラックスすることで脳や神経が休まります。

日常生活で常時緊張していと、脳・神経のシステムが疲弊し心身のバランスが乱れます。
チック症もそのような誤作動の一種です。

疲労や緊張が蓄積するとチックの症状もひどくなります。
精神的にも深くリラックスできるようなヒーリングも行っています。

セルフケア指導

日常生活の中でもセルフケアを実践して頂きます。

  • 身体バランスの調和
  • 精神バランスの調和
  • 栄養バランスの調和

それぞれに必要なことをお伝えします。
自分で出来ることを普段の生活の中で実践すると、施術の効果が持続しやすくなります。

チック症でお悩みのあなたへ

チックは施術を受けてその場で完全に症状がなくなるわけではありませんが、心身の緊張が緩みリラックスできると症状は緩和しやすくなります。

チック症に悩む人で以下に当てはまる人はお気軽にご相談ください。

  • 首や肩が凝っている
  • 顔面や頭が緊張していると感じる
  • ストレスを感じている
  • 過去にトラウマがある
  • チックの症状を軽くしたい
  • チックがあまり気にならないようになりたい

チック症を克服した院長があなたの気持ちに寄り添いながら精一杯サポートさせていただきます。

 

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