執筆者:院長 上川名 修
「ふわふわするめまい」でお悩みのあなたへ。
めまいの症状にもいろいろな種類があります。
このページではふわふわするめまいの原因を解説します。
あなたにはいくつ当てはまりますか?
- 雲の上を歩いているような感じがする
- ふわふわとしためまいがして気持ちが悪い
- めまいがして頭が重い
- ふらふらしてうまく歩けない
- めまいがだけでなく体も重だるい
- 病院に行くほどではないけどすぐにクラクラする
などのお悩みがある方は読んでみてください。
ふわふわするめまいの適切な対策についても紹介します。
目次
ふわふわするめまいの原因
めまいは周囲がぐるぐる回る感じがする回転性めまいとふわふわする感じがする浮動性めまいがあります。
このページでは浮動性めまいについて解説しています。
まず浮動性めまいとはどんなめまいなのか説明します。
浮動性めまいとは
浮動性めまいとは、「まるで雲の上を歩いているような感じがする」と表現されることが多いです。
ふわふわとする感じがしてまっすぐ歩いたり立っているのがつらく感じます。
浮動性めまいの原因は自律神経の不調や更年期障害でもみられます。
貧血が原因であることもあります。
回転性めまいを伴わない浮動性めまいの最も一般的な原因は,あまり明確ではないが,通常は耳科的な原因ではなく,おそらくは以下の通りである:
・薬剤の作用
・多因子性または特発性
脳機能に全般的な影響を及ぼす非神経疾患は,ときに浮動性めまいとして現れ,回転性めまいとして現れることはまれである。
これら障害には,典型的には,低血圧,低酸素血症,貧血,または低血糖に起因した基質(例,酸素,ブドウ糖)の供給不足が関与しており,こうした障害の一部は,重度の場合,失神として現れることがある。
さらに,特定のホルモン変化(例,甲状腺疾患,月経,妊娠と同様のもの)が浮動性めまいを引き起こすことがある。多数の中枢神経系作用薬が,前庭系に対する毒性作用と無関係に,浮動性めまいを引き起こしうる。
ときに浮動性めまいおよび回転性めまいは心因性のことがある。パニック症,過換気症候群,不安,または抑うつのある患者には,浮動性めまいの愁訴がみられることがある。
ぐるぐる周囲が回って感じるような回転性めまいの場合には内耳に原因があることが多いですが、回転を伴わない浮動性めまいの原因ははっきりしていないことも多いようです。
上記サイトによるとよくある要因としては
- 低血圧
- 貧血
- 低血糖
- ホルモンの変化
- 薬剤の作用
- 心因性(パニック症、不安、うつなど)
が挙げられています。
ふわふわするめまいの原因は多岐にわたります。
薬剤の作用を除いて低血圧、貧血、低血糖、ホルモンの変化などは体質も関係します。
またパニック症、過換気症候群、不安、抑うつ状態でもめまいが見られることがあります。
これらをまとめると浮動性めまいの原因は体質や心因性の疾患も関係しているということです。
つまり単にめまいの症状だけを取りものぞこうとするのではなく、体質改善や精神面のケアも含めて取り生んでいく必要がある、ということが言えるのではないでしょうか?
当院では浮動性めまいの原因について以下の要因も考えています。
自律神経失調症との関連
当院では原因がはっきりしない浮動性めまいについて自律神経失調症との関連を考えています。
自律神経失調症によくみられる症状としてふわふわするめまいや、「雲の上を歩いているような感じでふらふらする」という症状があります。
そして、めまいが単一の症状として出ているのではなく他にもたくさんの不定愁訴が見られるのが特徴です。
めまいだけでなく、下記のような症状がみられることがあります。
- あたまが重い
- 全身がだるい
- 食欲がない、吐き気がする
- よく眠れない
- 首や肩がこっている
- 不安感が強い
もしあなたがこれらの症状も同時にかかえているとすれば自律神経のバランスが乱れている可能性があります。
首こりによるめまい
また、めまいを訴える方は圧倒的に首こりの症状を抱えている方が多いです。
首こりがひどいということは首の筋肉が固くなって血管を圧迫しています。
首には脳へと繋がる重要な血管が繋がっています。
首がこっている状態が続くと脳へと繋がる血管が圧迫され、脳が酸欠気味になります。
それがめまいの原因となるわけです。
首こりが改善すると脳の血流も改善しますのでめまいも楽になります。
貧血や低血糖によるもの
脳に酸素と栄養が届きにくくなるとめまいが生じたり、ひどい場合には失神を起こすこともあります。
貧血や低血糖によってもめまいが引き起こされます。
体質としてあきらめがちですが、栄養をしっかり補うことで改善が可能と考えています。
普段の食事を見直すことで体質は改善できます。
心因性のめまい
うつやパニック症など精神疾患でもめまいの症状がみられることがあります。
このような場合でもはっきりしためまいの原因が特定できません。
しかしこれらの疾患でお悩みの方もほとんどの場合首の筋肉の緊張がみられます。
また、うつやパニック症の場合にも栄養療法で改善が期待できます。
首コリの改善と栄養面の改善の両面から取り組んでいくとよいでしょう。
ふわふわするめまいの対策
それではふわふわするめまいの対策について紹介します。
ストレッチ
自律神経の乱れや首こりが原因となってめまいが生じている場合には、筋肉のストレッチが有効です。
首の筋肉だけでなく胸や肩甲骨周りのストレッチも行うと良いでしょう。
ストレッチをしただけでめまいが改善するわけがないという意見もあると思います。
様々な要因が絡んでいますのでもちろんすべてのめまいが改善するわけではありません。
しかし、首こりの症状を感じている方には特にストレッチをおすすめします。
一回やって終わりではなく、一日に数回こまめに実践すると良いです。
ストレッチのポイント
ストレッチを行うときに無理やり力を込めてやったり、痛いのを我慢して行うと筋肉を傷める可能性があります。
以下のポイントに気をつけて行うと良いでしょう。
- リラックスして行う
- 気持ちよく感じる力加減で行う
- 呼吸を止めない
それぞれについて解説します。
1.リラックスして行う
ストレッチを行うときはできるだけリラックスしておこないましょう。
筋肉が力んだ状態でやると十分に効果が得られません。
余計な力は抜いて、ついでに頭も空っぽにして行うと効果的です。
2.気持ちよくストレッチをする
ストレッチの力の加減はあなたがちょうど気持ちよく感じられる強さでおこなってください。
痛いくらい強い力で行うと筋肉やじん帯を傷めることがあります。
また気持ちよいストレッチには心理的なリラックス効果がありますので、気持ちよい刺激をじっくりと味わいながらやるとより効果的です。
一般的に伸ばす時間は20~30秒と言われていますが、あまりこだわりすぎずに気持ちよく感じられる時間でおこなうとよいでしょう。
栄養の補給
貧血や低血糖によりめまいが生じている場合には栄養を補給することで、貧血や低血糖の改善を目指します。
またうつやパニック障害も適切な栄養を補給すると改善が期待できます。
その結果としてめまいも改善することを目指します。
貧血には鉄分の補給が必要です。
うつやパニック障害でめまいがする人も鉄を補うと改善が期待できます。
健康診断で貧血を判断するときは通常血液中のヘモグロビン値を測定します。
しかし、本当はフェリチン値を測定する必要があります。
フェリチン値を調べないとその人が鉄不足かどうかがわからないのです。
当院でうつ・パニック障害の症状を訴える女性の多くは、このフェリチン値が著しく低いのです。
(中略)
病院に行くほどでなくてもだるい、おもい、つらい、イライラする、頭痛がする、元気が出ないなどの不定愁訴は、鉄不足の影響が大きいと思います。
出典:「うつ消しごはん」藤川徳美著より
つまり鉄をしっかり補給してフェリチン値を高めていくことが大切なのです。
鉄を補給する方法
鉄分と聞いてほうれん草をイメージする人が多いと思いますが、ホウレンソウに含まれる鉄は非ヘム鉄です。
非ヘム鉄の吸収率はヘム鉄の10分の1しかないのでヘム鉄を摂ることをお勧めします。
ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれます。
目安としては少なくとも肉を200グラム取ると良いと言われています。
毎日肉を食べるのは体に悪いと思っている人もいるかもしれません。
マクロビオティック(玄米菜食の哲学)を学んだ人に多いです。
「日本人は穀物や野菜を中心に食べてきたため腸が長いから、肉や脂肪を摂ると体調が悪くなる」「食生活の欧米化にともない、肉や油脂を摂りすぎていることが病気の原因」なとということがまことしやかにいわれますが、これも間違いです。
肉は悪いという間違った健康知識を信じて、心身共に不調をきたした方は多いのです。体と心の健康を取り戻すためには、考え方を切り替えて、まずは肉を食べることが肝心なのです。
出典:「うつ消しごはん」藤川徳美著より
私も以前にマクロビオティックを学んでいましたので肉食はあまりよくないと信じていた時期がありました。
しかししっかり肉を食べるようになってからのほうが体調も良くなりました。
まとめ
原因がはっきりしないふわふわする浮動性めまいの症状は、様々な要因が絡みあって生じています。
めまいそのものを取りのぞこうとするのではなく、体質改善や生活習慣の改善に取り組むことで根本的な解決をめざしていきましょう。
改善のための対策はいろいろありますが、このページではストレッチと栄養面の取り組みを紹介させて頂きました。
ふわふわするめまいでお悩みの方はぜひお試しください。
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