整体院では、施術の時間だけでなく、その空間に流れる静けさや安心感も、大切な癒しの一部だと考えています。ご来院いただいた方が落ち着いて過ごせるよう、電話の応対にも細やかな配慮を心がけています。
ご予約やお問い合わせのお電話は、当院にとってとてもありがたいご連絡です。一方で、広告や集客サービス、Googleビジネスプロフィールに関する営業など、営業目的のお電話も昔から一定数かかってきます。
施術中やお客様との大切な対話の時間にこうした電話が入ると、空間の静けさが妨げられるだけでなく、応対に時間を取られることで他のご予約にも影響が出てしまうことがあります。
とはいえ、お電話をくださる営業の方もお仕事でかけてこられている以上、無下に扱うのではなく、できるだけ不快感を与えず、速やかに終話できるよう工夫しています。
この記事では、整体院としての営業電話への対応方針と、私が実際に行っている対応方法についてご紹介いたします。目に見えにくい部分ではありますが、当院の姿勢の一端として知っていただければ幸いです。
また、同じ整体院やサロンを経営されている方で、営業電話の対応にお困りの方にも、当院の対応方法が少しでも参考になれば幸いです。
整体院によくかかってくる営業電話の種類
整体院には、昔から一定数の営業電話がかかってきます。
施術の合間や予約受付中など、限られた時間にかかってくるため、対応には慎重な配慮が必要です。
よくかかってくる営業電話の主な種類と特徴を挙げてみます。
Googleビジネスプロフィールに関する営業
検索結果や地図サービスでの表示を最適化し、集客につなげる提案です。
例えば、「現在の情報が古い」「もっと目立つ表示にできます」などの説明で興味を引こうとしますが、実際には費用が高額になるケースや契約期間が長いこともあるため、注意が必要です。
広告掲載や集客サービスの提案
地域のチラシ、ポスティング、ウェブ広告、SNS広告など、さまざまな広告媒体を使った集客サービスの案内が多いです。
新規開業の院には効果が期待できる場合もありますが、継続コストや効果の検証が難しいこともあり、慎重に検討する必要があります。
ポータルサイトへの掲載の営業
整体院や治療院を専門に扱う予約サイトや地域情報ポータルへの掲載を勧める営業も頻繁にあります。
こうしたサイトは利用者が口コミや評判を参考にするため、掲載すると集客につながることもありますが、掲載料や手数料、契約内容の細かい条件をしっかり確認しなければなりません。
また、ポータルサイトを複数利用すると管理が煩雑になることもあります。
ホームページ制作やリニューアルの提案
見た目や機能の改善をうたうホームページ制作会社からの営業も多いです。
「最新のデザインに変えましょう」「スマホ対応を強化しましょう」などの提案ですが、実際には高額な費用がかかる場合もあり、既存のホームページの状態や必要性をよく検討することが大切です。
整体院への営業電話の基本的な断り方
営業電話を受けると、ついつい相手の話を最後まで聞かなければと感じてしまいがちですが、それが長引く原因になることも少なくありません。整体院の大切な時間や空間を守るためにも、営業電話を断る際の基本的なポイントを押さえておくことが重要です。
営業電話はほとんどが質問で終わる
多くの営業電話は、最初に簡単な自己紹介や提案をした後、「〇〇様はご興味ございますか?」や「現在、〇〇にお困りではありませんか?」といった質問で締めくくられます。ここで答えを返すと、相手はその回答をもとに話を続けてくるため、断りづらくなることがあります。
ですから、営業電話の対応では、質問に対してなるべく答えず、逆にこちらから質問して主導権を握るのが効果的です。例えば、「どのようなサービスか簡単に教えていただけますか?」や「具体的にどのようなメリットがありますか?」といった質問を返すことで、相手の説明を聞きながら話の流れをコントロールできます。
時間があるときの丁寧な断り方
もし時間に余裕がある場合は、相手の話を一通り聞いた上で、「ありがとうございます。しかし、現在は新たなサービスの導入予定はありませんので、今回は見送らせていただきます」といった丁寧な言葉で断ると良いでしょう。
このように、相手の話を尊重しつつ、はっきりと断ることで、不快感を与えずに済みます。また、相手も無理に食い下がることが減り、スムーズに電話を終えられることが多いです。
営業電話で主導権を握るポイント
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質問に全て答えない
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相手の質問には質問で返す
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こちらのペースで会話を進める
この方法を使うことで、無駄な話を避け、スムーズに電話を終わらせることができます。
営業電話への効果的な断り方
整体院にかかってくる営業電話は、特に忙しい時間帯に対応するのが難しい場合があります。そんな時に役立つのが「こちらは予約専用の回線になります」と伝える断り方です。この一言を伝えるだけで、多くの営業電話は自然と終了することが多く、院内の業務を妨げずに済みます。
「予約専用の回線です」と伝えるメリット
この方法の最大のメリットは、相手に「ここは営業電話をかける場所ではない」と理解させやすい点にあります。営業電話をかけてくる側は、いかに話を続けようとしても、予約専用の電話番号であることが明確になると、営業活動を断念しやすくなります。結果として、電話が長引かず、迅速に電話を切ることができます。
また、この言葉はスタッフ自身も無理に話を続ける必要がなくなるので、心理的な負担が軽減されるのも大きなメリットです。忙しい受付業務や施術の合間に、短時間で対応を終えたい時に非常に便利なフレーズです。
引き止めの質問があった場合の対応
とはいえ、営業電話の相手は食い下がって質問を続けてくることもあります。たとえば、「どちらの電話番号にかけたらよいですか?」や「担当者とお話ししたいのですが」といった問い合わせが多いです。こうした場合に備えて、あらかじめ断り文句を準備しておくことをおすすめします。
例えば、以下のように対応するとよいでしょう。
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「申し訳ありませんが、営業関係の電話は一切お受けしておりませんのでご了承ください。」
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「詳しいご案内はホームページのお問い合わせフォームをご利用いただくようお願いいたします。」
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「担当者への取り次ぎはしておりません。ご理解いただけますと幸いです。」
これらの言葉を穏やかな口調で伝えることで、相手にも失礼なく、しかし明確に営業電話を断る意思を示せます。
対応時の注意点
営業電話を断る際は、感情的にならず、できるだけ冷静で丁寧な対応を心がけましょう。たとえ相手がしつこくても、穏やかな口調を保つことでトラブルを避けられます。また、同じ質問が繰り返されても慌てず、落ち着いて対応することが大切です。
忙しい整体院のスタッフにとっては、こうした対応の仕方をあらかじめ共有しておくことで、電話対応の負担を減らし、院内の雰囲気も守ることができます。