整体に通っているのに、なかなか良くならない――。

そんなお悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?

整体の効果は、施術そのものだけでなく、「受ける人の思考や生活習慣」によっても大きく左右されます。実は、治りにくい方にはある共通点があります。それは身体の問題だけでなく、無意識に根付いている“思考のクセ”や“日々の習慣”に原因があることも多いのです。

本記事では、整体師として多くのお客様を見てきた経験から、「なぜ治りにくいのか?」「どうすれば自然に良くなっていくのか?」という視点で、治癒力を引き出すヒントをご紹介します。

あなたの心と体が本来の力を取り戻すために、ぜひ最後までお読みください。

治りにくい人の共通点①:思考のクセが整体の効果を妨げる

整体に通っているのに、なぜか効果が出にくい…。

そんな「治りにくい人」には、身体だけでなく思考や内面の在り方にも共通点があります。

整体は単に骨格を整えるだけのものではなく、心と体のつながりを大切にする療法です。

ですから、心の持ち方や思考のパターンが、施術の効果や回復スピードに大きく影響します。

以下に挙げる思考のクセに、思い当たることはありませんか?

もし当てはまるものがあれば、今日から少しずつ見直していくことで、整体の効果も変わってくるかもしれません。

自分の自然治癒力を信じていない

「もう治らないのでは」「体は年々衰えるだけ」――

そんなふうに、自分の体の治る力を信じていない人は、整体を受けても変化が出にくい傾向があります。

整体の施術は、体の歪みや緊張を整えることで、もともと備わっている**自然治癒力(自己回復力)**を引き出すものです。

しかし、そもそも「治るわけがない」と思い込んでいると、その力が働く前にストップがかかってしまいます。

これは、単なる精神論ではありません。

脳は“信じている情報”に合わせて身体の反応を変える性質があります。プラセボ効果がその典型例です。

「私の体には回復力がある」「良くなれるはず」という信頼があるだけで、整体の効果がスムーズに表れやすくなるのです。

ネガティブな言葉やイメージを繰り返している

整体で治りにくい人には、「どうせまた痛くなる」「一生このままかもしれない」「私の体は人より弱い」など、否定的なセルフトークを日常的にしている方が多く見られます。

こうした思考は、自律神経やホルモンバランスに悪影響を与え、筋肉の緊張や呼吸の浅さなど、体に実際の不調を引き起こします。

さらに、ネガティブな言葉は脳にとって“危険信号”のようなもので、交感神経を優位にしてしまいます。

その結果、整体で体がゆるもうとしても、無意識のレベルで防御反応が出てしまい、効果が出にくくなってしまうのです。

思考は習慣です。

まずは、口ぐせや思いぐせを意識することから始めましょう。

ポジティブな言葉に無理に置き換える必要はありませんが、ネガティブな言葉を減らすだけでも、整体の効果は変わってきます。

自分の体の声を聞かない(感覚が鈍っている)

「多少の不調は無視する」「我慢するのが当たり前」という姿勢で日々を過ごしていると、体の微細な変化に気づけなくなっていきます

整体の現場では、「痛くなくなったことに気づいていない」「体がゆるんだことに無関心」というケースが少なくありません。

これは、感覚のアンテナが鈍くなってしまっている状態です。

本来、体にはさまざまなサインがあります。

「ちょっと違和感がある」「ここが張っている気がする」など、小さな声に耳を傾けることができる人ほど、整体の変化にも敏感で、治りやすい傾向があります

逆に「自分の体に興味がない」「整体に寝に来てるだけ」というスタンスでは、変化に気づく機会を逃してしまいがちです。

整体は、施術者と受け手が“共に気づきを深めていくプロセス”でもあります。

他力本願になっている

「先生がなんとかしてくれる」「自分はベッドに寝てるだけでいい」という姿勢は、整体の効果を半減させます。

もちろん、整体は施術者が主導で行うものではありますが、**本来の回復は“受け手の中で起こるもの”**です。

体は、他人任せでは変われません。

施術中にリラックスしようとする意識や、自分の体の感覚に意識を向けるだけでも、治癒のスイッチが入りやすくなります。

また、施術後の生活においても「姿勢を意識する」「呼吸を深くする」など、小さな意識の積み重ねが結果に直結します。

整体で整えた体を、日常の中でどう扱うかによって、次の施術までの進み方が大きく変わるのです。

治りにくい人の共通点②:整体効果を妨げる生活習慣

整体の施術を受けても、なかなか良くならない――。

そんな「治りにくい人」には、思考だけでなく日々の生活習慣にも共通した問題が見られます。

整体は、あくまで自然治癒力を引き出すサポート役。

その効果を持続させ、さらに高めていくためには、日常生活での体の使い方や過ごし方が重要です。

ここでは、整体の効果を打ち消してしまいやすい「治りにくい生活習慣」の特徴をご紹介します。

姿勢の悪さが習慣になっている

猫背、足組み、スマホ首(ストレートネック)、反り腰――。

こうした悪い姿勢が長年の習慣になっていると、整体で一時的に整えても、すぐに元の状態へと戻ってしまいます。

姿勢のクセは、筋肉や関節、神経のバランスに直接影響します。

たとえば、猫背の人は肩や首に常に負担がかかり、血流やリンパの流れが滞りやすく、疲労物質がたまりやすい状態になります。

整体でどれだけ緩めても、日常で歪みを繰り返していれば、治りにくい体のままなのです。

まずは、自分の姿勢を意識してみること。

スマホやパソコンの操作中、食事中、立っている時や歩いている時に「背中が丸くなっていないか?」「片足に重心をかけていないか?」と、こまめに気づく習慣が大切です。

睡眠の質が悪い/夜更かしが習慣化している

整体で体が緩んでも、睡眠の質が悪ければ回復は進みません

寝ている間こそ、体は修復・再生のモードに入ります。これは自律神経のうち副交感神経が働く時間帯です。

ところが、夜遅くまでスマホを見ていたり、深夜まで起きている生活が続いていると、副交感神経がうまく働かず、回復が遅れてしまいます

また、睡眠不足はホルモンバランスにも影響し、筋肉の回復や痛みの軽減を妨げる原因になります。

整体の効果を最大限に活かすには、「施術を受けた日は早めに寝る」「寝る前はスマホを控える」など、睡眠を味方につける習慣づくりがとても大切です。

食生活の乱れが慢性化している

「食べるものは体をつくる」と言われるように、食生活は整体の効果に直結します。

実際、治りにくい人には、栄養バランスの偏った食事をしているケースが多く見られます。

たとえば、糖質の過剰摂取、タンパク質の不足、インスタント食品や加工品中心の食生活などは、体の炎症を招き、筋肉や関節の回復を妨げる要因になります。

整体では筋肉や骨格を整えても、それを支えるための栄養(特にタンパク質・ビタミン・ミネラル)が不足していれば、効果が定着しにくくなるのです。

「最近、野菜やたんぱく質をきちんと摂っているか?」「甘い物やジャンクフードが続いていないか?」と、自分の食生活を見直すことが、治りやすい体への第一歩になります。

ストレスの多い生活を見直していない

ストレスは、現代人の万病の元。

特に「治りにくい人」の多くは、仕事や家庭、人間関係などで慢性的に緊張状態にあることが多いです。

ストレスがたまると交感神経が優位になり、筋肉が常に緊張した状態になります。

その結果、整体で体を整えても、すぐに元の緊張状態に戻ってしまい、回復が遅れてしまうのです

また、ストレスによる不安やイライラは、呼吸を浅くさせ、自律神経の乱れを悪化させます。

これは慢性的な肩こりや腰痛、内臓機能の低下にもつながります。

整体とあわせて、ストレス解消の時間をしっかりとること、日常に少しでも「ホッとする時間」を設けることが、結果的に治りやすい体をつくる近道になります。

運動不足で体のめぐりが滞っている

デスクワーク中心で一日中座りっぱなし、運動習慣もない。

そうした生活は、血流やリンパの流れを滞らせ、整体の施術で整えた体に十分なエネルギーが巡らない状態をつくります。

本来、体は動かすことで温まり、代謝が上がり、老廃物が排出され、自然治癒力が働きやすくなります。

整体で整えた状態を維持するためにも、適度な運動(ウォーキング、ストレッチ、軽い体操など)はとても効果的です。

特に施術後は、「歩く」「ゆっくり呼吸する」「体をゆるめる意識で動く」ことで、整体の効果が体に馴染みやすくなります。

整体効果を高めるためにできること:治りにくい人から脱する習慣改善

「治りにくい人」に共通する思考や生活習慣を見直すことは、整体の効果を最大限に引き出すための第一歩です。

では、具体的にどうすれば「治りやすい人」へと変わっていけるのでしょうか?

ここでは、整体の施術と相乗効果を生むために日常生活でできる習慣改善のポイントを詳しくご紹介します。

① 呼吸を深くする習慣を身につける

整体では「呼吸の深さ」がとても重視されます。

深い呼吸は副交感神経を活性化させ、心身をリラックスモードに導くため、整体の調整が体に馴染みやすくなるのです。

現代人の多くは、ストレスや姿勢の悪さにより呼吸が浅くなっています。浅い呼吸では体に十分な酸素が行き渡らず、緊張状態が続いてしまいます。

【実践アドバイス】

・朝起きた時と寝る前に3回、**「鼻からゆっくり吸って、口から長く吐く」**を意識してみましょう。

・整体後に深呼吸することで、施術効果がより深く全身に広がります。

呼吸が整うと、自然と姿勢や思考も変わってくるものです。

「呼吸を整えること」は、自分の内側から治癒力を目覚めさせるセルフケアでもあります。

② 食生活をシンプルに整える

整体の効果を高めるには、体の材料となる栄養が必要です。

外からのアプローチ(施術)と内からのアプローチ(栄養補給)はセットで考えるべきです。

特に、治りにくい人にありがちな糖質中心・栄養不足の食生活は、筋肉や神経の回復力を低下させてしまいます。

【実践アドバイス】

・白砂糖や加工食品を控え、たんぱく質・野菜・発酵食品を積極的に。

・「何を足すか」よりも「何を減らすか」を意識する。まずはジュースやお菓子をやめるだけでも大きな変化が生まれます。

食生活は日々の積み重ねです。施術効果の「持ちのよさ」は、実はここで大きく左右されているのです。

③ 睡眠を見直すことで整体効果を定着させる

整体の効果は、施術後の睡眠中に定着しやすくなります。

つまり、**良質な睡眠をとることが「施術の仕上げ」**とも言えるのです。

【実践アドバイス】

・整体の後はなるべく早めに就寝し、体をゆっくり休める。

・寝る前1時間はスマホやテレビを避け、リラックスした時間を過ごす。

・照明を落とし、音を静かにすることで副交感神経が働きやすくなります。

夜更かしや浅い眠りが続くと、せっかく整えた体が翌朝には元に戻ってしまうことも。

「整体を活かすには、まず眠りを整える」という意識が大切です。

④ 日中の「ながら姿勢」をチェックする

整体後の体を維持するには、日中の無意識な姿勢のクセを直すことがポイントです。

特にスマホを見る時、長時間の座り姿勢、家事中の体の使い方などは要注意です。

【実践アドバイス】

・30分に一度は立ち上がって軽くストレッチする。

・スマホを見る時は目線を下げすぎない。

・床に座るより、椅子に浅く腰かけて骨盤を立てる意識を持つ。

姿勢を少し意識するだけで、整体で整えた骨格が安定しやすくなります。

日常の小さな習慣が、施術の成果を大きく左右します。

⑤ 自分を信じる「思考の転換」を取り入れる

最後に大切なのは、「自分の体には治る力がある」と信じることです。

どれだけ整体で整えても、**「どうせまた戻る」「私は治らない体だから」**と考えてしまうと、体もそれに応じて反応してしまいます。

【実践アドバイス】

・整体を受けた後は「ありがとう、体は変わってきている」と前向きな言葉をかける。

・ネガティブな思考のクセに気づいたら、「今の私は回復途中なんだ」と受け止め直す。

心と体はつながっています。思考が整うと、体も自然に整ってくるのです。

整体はそのきっかけをつくる存在。あとは自分自身の「信じる力」で効果をさらに深めていきましょう。