執筆者:院長 上川名 修
自律神経失調症の人はコーヒーなどのカフェインを含む飲み物を飲むと症状が酷くなることがあります。
私も自律神経失調症を患ったときにコーヒーや紅茶や緑茶が飲めなくなりました。
このページではコーヒーが自律神経に与える影響について、私の体験も含めて解説します。
カフェインが自律神経に与える影響
まずはカフェインの作用について紹介しましょう。
作用
カフェインは中枢神経系に作用し、覚醒作用や注意力・集中力の向上、疲労感の軽減、代謝促進、血管収縮などの効果があります。ただし、個人差や摂取量によって異なる効果や副作用が現れるため、適切な量で摂取することが重要です。
主な作用としては
- 覚醒作用
- 血管拡張作用
- 交感神経刺激(基礎代謝促進)
- 胃酸分泌促進作用
- 利尿作用
などが知られています。
体にとって良い作用もありますが、人によっては敏感に反応する人もいます。
夜遅くにカフェイン入りの食品や飲料を摂取しても睡眠に影響しない人もいれば、少量のカフェインで眠れなくなる人もいます。
カフェインを過剰摂取した場合、焦燥感、不眠、不安やイライラの原因となり、頭痛や不整脈、またはその他の問題を起こす場合もあります。
上記のことから、一概に体に良いとも悪いとも言えません。
その人にとって良い効果があることもあれば悪い効果を及ぼすこともあります。
またその時の体調や摂取する量によっても変わってきます。
交感神経に対する影響
カフェインを摂取すると副腎が刺激されアドレナリンやコルチゾールを放出します。
アドレナリンやコルチゾールはストレスに対抗する時に分泌されるホルモンです。
日常的にコーヒーを摂りすぎているとこれらのホルモンが過剰に分泌され、副腎が疲れてしまいます。
また覚醒作用があるので、特に寝付きが悪い人や不眠症の人は避けた方がよいでしょう。
交感神経を刺激するのでイライラしやすい人や不安感がある人も避けた方がよいでしょう。
副腎疲労
副腎疲労が進行すると様々な症状が表れます。
副腎疲労による症状
- 朝起きるのがつらい
- 熟睡できず疲れが取れない
- 元気が出ずだるい
- すぐにイライラしやすい
- 風邪を引きやすく治りにくい
- 立ち上がるとクラクラと立ちくらみがする
- 気分が落ち込みうつっぽい
- PMS(月経前症候群)がひどい
- 集中力の低下
- コーヒーやコーラを欲しくなる
- 甘いものを食べると一瞬元気が出るがすぐにだるくなる
- 急にキレやすい
等など。
副腎疲労の原因はストレスや生活習慣の乱れですが、コーヒーの過剰摂取も一因となると言われています。
また上に上げた症状は自律神経失調症やうつ病の人に見られる症状でもあります。
上のような症状がある方はカフェインの摂取を控えた方がよいでしょう。
私がコーヒーが飲めなくなった体験
私は過去に自律神経のバランスを大きく乱していた時期がありました。
その当時からコーヒーが飲めなくなってしまいました。
飲んだ後に様々な症状が出るのです。
最初は気づかなかったのですが、毎回コーヒーを飲んだ後に気分が悪くなったり体調を崩すのでおかしいなと思うようになりました。
自律神経失調症状
私の場合は以下のような症状が出ました。
- そわそわして落ち着かなくなる
- 手足が冷えてくる
- 不安感が高まりじっとしていられない
- 動悸がする
- 胃がムカムカして吐き気がする
- 夜眠れなくなる
などの症状がありました。
最初は気のせいと思ったのですが、コーヒーを飲むと必ずこれらの症状が出るので自然と避けるようになりました。
そしてしばらくぶりにまた飲んでみるとすぐに調子が悪くなるのです。
コーヒー、緑茶、ウーロン茶、紅茶など、カフェインを含むお茶を飲むとほぼ調子が悪くなっていました。
結局そのまま飲まないようになりました。
元々特にお茶などが好きだったわけではないので、飲まなくてもそれほど不便は感じません。
しかし、外出先や訪問先で出されることが多いのでそういう時は困ります。
そんなときは「体質的に合わないので」とお断りしています。
カフェインの適量は?
一日の摂取許容量について調べてみました。
世界保健機関(WHO)は、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料はほぼ同程度のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを1日3から4杯までにすることを呼びかけています。
世界保健機関(WHO)では妊婦に対して3~4杯、カナダ保険省(HC)では健康な成人で400mg(マグカップ3杯程度)、妊婦や授乳中の女性で300mg(マグカップ2杯程度)と書かれています。
しかし、国際的な基準は設定されていないとのことです。
日本でも特に設定されていません。
個人差が大きいと言うことですので、自分の感覚で確かめるしかなさそうです。
一日にたくさん飲んでも元気で健康な人は良いですが、自律神経失調症や副腎疲労の症状が当てはまる人はしばらくの期間、摂取を避けた方が無難と思われます。
カフェインを多く含む飲み物
コーヒー、玉露、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーラ、エナジードリンクなどに多く含まれています。
カフェイン含有量(100 ml当り) | |
玉露 | 160mg |
コーヒー(ドリップ) | 60mg |
コーヒー(インスタント) | 60mg |
煎茶 | 20mg |
紅茶 | 30mg |
ウーロン茶 | 20mg |
ノンカフェインのドリンクなら安心
自律神経失調症状でお困りの方は下記のお茶をお薦めします。
- 麦茶
- 黒豆茶
- ルイボスティー
- たんぽぽコーヒー
などのお茶がお薦めです。
妊婦さんや小さな子供が飲んでも問題のないお茶だと安心です。
自律神経失調症は生活の中のストレスを減らすと同時に食生活の改善をすることで症状を改善することが出来ます。
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