人間には様々な外敵から身を守る仕組みが備わっています。
それが免疫システムです。
免疫システムが強い状態を免疫力が高いと言います。
免疫システムが弱い人は免疫力が低いのです。
風邪を引きやすい人、季節の変わり目に体調を崩しやすい人などは免疫力が低いと言えます。
免疫力が高い人は自分自身の力で病気や症状を治す力が高いのです。
病気になったときに慌てて症状に対して対処するのではなく、日頃から免疫力を高く保っておくことが非常に重要であると考えています。
このページでは、自分で出来る免疫力を高める方法を紹介します。
目次
免疫力向上のために自分で出来る方法
免疫力を高める方法にはいろいろあります。
- 呼吸
- 休養
- 栄養
- 運動
- メンタル面
- 環境面
等など、それぞれのカテゴリごとに解説していきます。
呼吸で免疫力を上げる
1.口呼吸をやめて鼻呼吸にする
本来人間は鼻で呼吸をするように創られています。
口でも呼吸は出来ますが、本来口は消化器の一部であり呼吸器ではありません。
口で呼吸していると細菌やウイルスに感染するリスクが高まります。
一方鼻にはホコリを除去したり空気に湿り気を与えたりする機能が備わっています。
鼻水は1日に約1ℓも分泌されています。そのうち約7割は、鼻を通る空気を加湿するのに利用されます。鼻水が取り込んだ空気に湿り気を与えることで、体内に入る空気の湿度は90%以上に高められます。しかし口呼吸では、これほど湿度を上げることができません。
鼻は、空気をきれいにする働きも持っています。
まず、ホコリなどが体内に侵入するのを防ぐのが鼻毛です。そして鼻粘膜に生えている微細な線毛と粘液層が、細菌やウイルスなどを捕獲します。つまり、鼻から入った空気はこれら異物の多くが除去され、いわば空気清浄器から放出された空気のような状態になっているのです。また、粘液には抗体があるため、細菌やウイルスが粘膜の細胞に付着したり侵入するのを防ぎます。風邪やインフルエンザは、病原体が細胞内や粘膜で増殖することで発症しますので、鼻から入った空気は、口から入る空気より、感染症にかかるリスクが少なくなるのです。
また、鼻から呼吸することで、空気が温められます。その温度は35~37度にもなります。口呼吸ではここまで温められることがなく、冷たいまま肺に届けられてしまいます。すると、肺の免疫力が低下するリスクにつながったり、肺にかかる負担が大きくなってしまいます。
このように、鼻は加湿器、空気清浄器、エアコンの3台を合わせた機能を持っています。だから、健康のためには鼻呼吸が重要なのです。
鼻が詰まっていて鼻呼吸が出来ない場合には、鼻を蒸しタオルで温めると鼻の通りが良くなる場合があります。
休養で免疫力を上げる
2.睡眠をしっかりとる
風邪を引いたり感染症にかかったりするときは、睡眠不足で疲れていることが多かったりします。
睡眠不足は免疫力を弱くします。
疲れが溜まっていると感じた時は夜更かしをせずに、できるだけ早く就寝するようにしましょう。
また寝る直前までスマホやタブレットで作業をしていると、目が冴えて眠れなくなりますので寝る前はスマホにはあまり触らない方がよいでしょう。
3.八時間以上横になって骨休めする
日本免疫治療研究会会長の西原克成先生は著書の中で以下のように述べています。
免疫力を支えている骨髄での造血を活性化させるには、横になって骨を重力から解放してやること、つまり「骨休め」が必要です。
そのためには、大人で一日8~9時間、子どもで9~12時間の睡眠時間をとるのが理想です。
出典:「これだけで病気にならない」 祥伝社 西成克成著より
起きているときには常に体重を骨で支えています。
仰向けで寝て重力から解放してやることがとても大切とのことです。
食事・栄養で免疫力を上げる
4.食べ過ぎない
風邪をひいたときに、「しっかり栄養を摂らなくてはいけない」と信じている人がいます。
しかし体調が悪いときには食欲がなくなります。
食べ物が体内に入ってくると消化のためにエネルギーが使われます。
免疫システムが細菌やウイルスと闘う必要があるときに、たくさん食べ物をとると免疫の方にエネルギーを回せなくなってしまいます。
そのために体は食欲をなくして、無駄なエネルギーを使わないようにしているのです。
つまり、体調が悪いときは無理に食べない方が良いのです。
ジャーナリストの船瀬俊介氏は著書「3日食べなきゃ、7割治る!」の中で以下のように述べています。
小食、ファスティング(断食):万病を治す妙法です。病気になっても「食うな」「動くな」「寝てろ」で、免疫力、排毒力が増強し、みるみる治っていきます。それはあっけないほどです。小食のプチ断食でも、目を見張る効果があります(第1章)。
風邪、腹痛、下痢、頭痛から、便秘、アトピー、水虫、腰痛、うつ、糖尿病、心臓病、肝臓病、透析患者まで治ります(第2章)。
さらに現在、ファスティングはガンまで劇的に治します(第3章)。不妊症やEDまでも見事に改善するのです(第5章)。
出典:「3日食べなきゃ、7割治る!」三五館 船瀬俊介著より
動物は体調が悪いときは食べ物を食べずに、動かずじっとしています。
野生の本能でそうしているのです。
人間は病気の時ほど積極的に栄養を摂らなくてはいけない、などと思考して無理に食べ物を摂ってしまっているのです。
そしてクスリを飲んで症状を抑えます。
ところが人間の体には自然治癒力が備わっています。
免疫力と言い換えてもよいでしょう。
「腹八分目に医者いらず」という諺があります。
昔の人はちゃんと知っていたのです。
5.冷たいものを飲まない、食べない
飲食店に入ると必ず真冬でも氷の入った水が出てきます。
また季節を問わず冷たいビールやジュース、アイスクリームなどを食べている人も多いです。
体温より低いものが体に入ってくると免疫はダメージを受けます。
冷え性を改善したいと言いながら冷たい飲み物や食べ物を普通に食べている人も案外多いものです。
とにかく体を冷やす習慣は避けた方が良いです。
冷蔵庫から取り出した牛乳やお茶やジュース、アイスクリーム、ビール、ウイスキーや焼酎のロック、水割りなどなど、とにかく冷たい飲み物や食べ物はなるべく食べないようにしましょう。
私は飲食店では必ず氷を抜いてもらうようにしています。
お酒を注文するときも「氷抜きでお願いします」と頼んでいます。
体温が一度下がるだけで免疫の大切な働きをする白血球の働きがかなり弱まると言われています。
6.腸内環境の改善
腸と免疫は非常に深い関係があります。
腸内環境が悪いと免疫力も低下します。
腸管免疫という言葉があります。
腸管の主要な働きは消化吸収である。しかし免疫器官としても極めて重要である。多くの病原細菌は口から入り、腸などを通して体内に侵入する。これらの侵入物から身を守るために自己防衛体制として、腸管には、からだの中で最大の規模の免疫器官が配置されている。すなわち腸管には免疫の働きを担う細胞や、侵入者と直接戦うたんぱく質である抗体(主として免疫グロブリンA(IgA)の数や量はからだ全体の60%以上が存在している。
腸には免疫器官として腸管壁にある腸の上皮細胞(吸収細胞)に囲まれて、腸管上皮間リンパ球が存在する。さらに腸管壁にはパイエル板、腸管壁の下方部分にある粘膜固有層などが免疫系器官として局在している。
引用元:腸管免疫|腸内細菌学会 より
このように腸管免疫は重要な役目を持っています。
長期的な対策として、腸内環境を良好に保つことが免疫を高まるためにとても重要であると言えるでしょう。
腸内環境を改善するためには腸内の「善玉菌を含むもの」や「善玉菌のエサになるもの」を積極的に摂ると良いでしょう。
- 善玉菌を含むもの
発酵食品(納豆、キムチ、ヨーグルトなど) - 善玉菌のエサになるもの
食物繊維、オリゴ糖など
7.糖質制限
体調が悪い人の多くに糖質を過剰摂取している傾向が見られます。
糖質はエネルギーにはなりますが、ほとんど体の栄養素にはなりません。
むしろ「栄養泥棒」です。
糖質制限は様々な病気の改善効果があります。
疲れやすい、だるい、体調を崩しやすい人ほど糖質をたくさん摂っています。
量をたくさん摂っていない場合でも食事に対する糖質の割合が高いのです。
糖質はがん細胞のエサにもなりますし、腸内環境も乱します。
私自身は糖質制限を初めて8年ほどになります。
その間風邪などで寝込んだことはありませんし、風邪を引きかけてもクスリを飲まずに自力で治せます。
糖質を普通に摂取していた頃と比べて体調もとても良くなりました。
今まで糖質をたくさん摂っていた人は急激に糖質を制限すると、一時的に体調を崩すこともあります。
無理のないペースで進めていくと良いでしょう。
糖質制限についてはたくさんの書籍が出ていますし、ネットでも調べられます。
参考に一冊リンクを貼っておきます。
8.たんぱく質
たんぱく質を積極的に摂ります。
免疫力が弱っている人はたんぱく質が不足している傾向があります。
人間の体を構成する栄養素のうちもっともたくさん必要とするものがたんぱく質です。
たんぱく質を十分に摂取出来ている人は少ないと言われています。
生命を維持するため、健康に生きるためにタンパク質は不可欠です。
では、そもそも生きているとはどういうことか、ということを述べていきます。
生体がもつ重要な性質のひとつが「ホメオスタシス(恒常性)」です。ホメオスタシスとは、生体の内部の変化や環境因子の変化に関わらず、生存に適した一定の状態に保たれる性質のことです。
(中略)
このホメオスタシスは、先ほど述べたようにアミノ酸からタンパク質をつくってはこわすという、動的平衡である、ということです。
ホメオスタシスを逸脱した状態は、すなわち病気です。病気を治すためには、ホメオスタシスを保つために、タンパク質の供給が必要です。
出典:「すべての不調は自分で治せる」方丈社 藤川徳美著
つまり、たんぱく質が十分に足りていればホメオスタシスが保たれ、病気が自然に治ってくれる、すなわち自然治癒力が高い状態であると言えるでしょう。
肉、魚、卵などでたんぱく質をしっかり摂取しましょう。
不足している場合にはプロテインで補給するのがお薦めです。
私は糖質制限と合わせて高たんぱく食を実践し、さらにプロテインを毎日補給しています。
肌のつやを褒められることも多いです。
プロテインは下記商品を服用しています。
溶けやすく味も美味しくてコスパも非常に良いです。
ホエイプロテイン エクスプロージョン 【3㎏(約100食分)/キャラメルホワイトチョコ味】 大容量 国産
9.ビタミンC
ビタミンCを日頃から大量に摂取することで、風邪やインフルエンザや感染症の予防になります。
またがんや心臓病のリスクも抑えられると言われています。
私はある医師からビタミンCの大量摂取について情報を教わり、以来8~9年ほど毎日4000mg摂取しています。
厚生労働省の推奨する量が100mgですからその40倍の量を摂取しています。
摂りすぎは無駄だとか、効果はないという説もありますが、自分自身とても効果を感じています。
糖質制限、高たんぱく食と併せてビタミンCの大量摂取を実践することで良い効果が得られています。
風邪で寝込むこともありませんし、インフルエンザが流行してもかかったことはありません。
ワクチンの予防接種もしていません。
下記の商品を水に溶いて服用しています。
日本薬局方 アスコルビン酸原末 ビタミンC 500g(大) (岩城製薬)
ビタミンCについては下記の書籍がとても参考になります。
風邪を引きやすい人や治りにくい人には強くお勧めしています。
ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く (講談社+α新書)
10.ビタミンA
免疫力を強化するビタミンとしてはビタミンAもお薦めです。
ビタミンAはのどや鼻腔の粘膜や皮膚を強化し白血球を増やし免疫を高めます。
ビタミンA不足が胃がんの原因になっているという説もあります。
(三石理論)
動物性食品ではレバー、うなぎ、卵、チーズ。
植物性食品ではにんじん、ほうれん草など緑黄色野菜等に含まれています。
脂溶性のビタミンなどで油と一緒に調理するとよいでしょう。
11.ビタミンD
ビタミンDはほとんどの人が不足していると言われています。
(8割の人が不足、4割の人が欠乏)
骨を丈夫にするので骨粗鬆症にも効果があります。
15種類のがんを抑える効果や様々な慢性疾患のリスクを下げると言われています。
太陽光線を浴びることでも皮膚でビタミンDが創られます。
私が服用しているのは下記商品です。
ビタミンAとDが同時に補給できます。
ビタミンA&D (10,000/400) 100ソフトカプセル
12.ビタミンE
ビタミンEは強い抗酸化作用があります。
また免疫細胞を直接活性化します。
アボカド、ブロッコリー、アーモンドなどに含まれます。
ビタミンEはこちらのサプリを服用しています。
ナウフーズ E-400(d-アルファ・トコフェロール) 250錠
体温を上げて免疫力を上げる
体温を上げることは免疫力を高めます。
風邪をひいて発熱するのは免疫の働きです。
体温を上げて細菌やウイルスと闘う力を高めるのです。
低体温の人は病気をしやすく、体調も優れません。
日頃から体温を上げるためのコツをお伝えします。
13.運動をする
適度な運動は免疫力を高めます。
軽く汗ばんだり、少し心拍数が高まるような運動がお薦めです。
ウォーキング、筋トレ、ヨガやストレッチなど、無理なく継続出来る運動の習慣を持つと良いでしょう。
14.入浴で温める
湯船に入って体を温めます。
極度に体力が弱っている時以外は毎日湯船に入浴してしっかり体を温めましょう。
面倒くさいからとシャワーで済ます人がいますが、入浴して体を温めることで細胞が活性化し免疫力も高まります。
15.使い捨てカイロの活用
体が冷えると免疫力が落ち、風邪を引いたり感染症にかかりやすくなります。
寒さを感じるときには使い捨てカイロを活用するとよいです。
背中の上部や腰などにカイロを貼ると体が温まります。
また、腹痛や関節痛があるときも使い捨てカイロで温めると楽になります。
メンタル面から免疫力を上げる
精神状態と免疫力は深く関係しています。
精神的にショックを受けたときや、不安や恐怖を感じているときなどは免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。
日頃から意識的にストレスケアをしてメンタル面をよい状態に保つことも大切です。
16.嫌な気分になることはしない
たとえばテレビのワイドショーでは人々の不安を煽ったり、嫌な気分になるような情報があふれています。
そのような情報にはなるべく接しないようにすることも大切です。
その情報に接したときに、自分がどんな気分になるのか?
ということに注目します。
嫌な気分になるような情報はできるだけ避けましょう。
また情報だけでなく、人に会ったり行動したり、ということも含めて自分が嫌な気分になるような人とは会わないようにしたり、嫌な行動ややめるようにします。
とはいえ、どうしても会わなければならない場合や避けられないこともあるでしょう。
出来る範囲で嫌な気分になることからは意識的に遠ざかる心がけが大切です。
17.良い気分になることをする
嫌な気分をさけつつ、積極的に良い気分になれることを選択します。
情報、人、モノ、等など、自分を良い気分にしてくれるものとなるべく一緒にいるようにします。
身に付けるモノ、一緒に過ごす人、お気に入りの空間等など。
頭の中ではどんなことを考えていますか?
良い気分になったりホッとするようなことを考えるようにします。
18.積極的に笑う
積極的に笑うことで免疫力が上がることが医学的にもわかっています。
ブスッとした表情や不安な気持ちでいるよりも、どんな時も積極的に笑うようにします。
面白くなくても作り笑顔でもよいのです。
作り笑顔でも効果があると言われています。
面白い動画や映画を見たり、面白いことをしたりします。
不安や緊張が強い時、体調があまり良くないときにこそ、積極的に笑顔を心がけてみましょう。
とはいえ無理は禁物です。
無理のない範囲で実践してみましょう。
まとめ
- 鼻呼吸
- よく眠る
- 骨休めをする
- 食べ過ぎない
- 冷たいものを飲まない
- 腸内環境の改善
- 糖質制限
- たんぱく質
- ビタミンC
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンE
- 運動
- 入浴
- 使い捨てカイロ
- 嫌な気分を避ける
- 良い気分を味わう
- よく笑う
以上、免疫力を上げるために自分が取り組んでいることを中心に紹介してみました。
これがすべてではありませんし、他に効果的な方法もあるでしょう。
どれか一つだけやればよいというものでもなく、いろいろ組み合わせることで複合的に効果が出てくるものもあります。
また一日だけやれば効果が出るわけではなく、日々継続して習慣にすることで効果を感じられます。
私自身はビタミンAとD以外のことは日々心がけて実践しています。
(ビタミンAとDは先ほど注文したのでこれから新たに実践していきます。)
またここに書いていないことでやっていることもあります。
免疫力を高めるために効果的な方法を紹介させて頂きました。
一つ一つは無理なく実践できることや、簡単にできることが多いのでぜひ参考にして頂けると幸いです。

やすらぎの杜整体院 院長 上川名おさむです。開業16年目。施術人数は延べ30000人以上。操体法歴15年。気持ちよさを味わいながら心身を調和させ自然治癒力を高める方法を発信中。手技とヒーリングを融合した多次元操体法を考案し講習会を主催。北海道から沖縄まで全国各地の200人以上の治療家・セラピストに直接指導。