執筆者:院長 上川名 修

骨盤、脊柱周りの筋膜調整

操体法を行なう大きな目的の一つは体の歪みを整えることです。

操体法の考え方

病気の発生する順番として以下のように考えます。

わるくなる順序

  1. 歪みの発生
  2. 感覚異常
  3. 機能異常
  4. 器質破壊

まずはじめに体の姿勢や動きに異常が生じます。
次に違和感や各種の愁訴が感覚の異常として現れます。

さらに進むと機能障害が起こり、さらに進むと器質破壊が起こりこの時点で初めて病名がつけられる状態になります。

その大元には姿勢や運動系の歪みがあると考えるわけです。
ということは、回復するためにはその反対のことをしてやれば良いわけです。

回復する順序

  1. 歪体が正体に
  2. 感覚の正常化
  3. 機能正常化
  4. 器質破壊停止

歪んだ身体(歪体)が正しい状態(正体)に逆転させると、健康が取り戻されさらには増進も可能になります。

【参考文献】

万病を治せる妙療法 橋本敬三著

歪みを整える

一般的には体のどこかに病気や症状があれば、その部位に対して施術を行うのが普通です。
しかし操体法では症状にとらわれずに体のバランスをチェックしてそれを整えていくのです。

バランスが整うと、感覚が正常になります。
違和感やコリやだるさなどの症状が取れたり軽くなるのです。

そうすると病院に行っても原因がよくわからないような様々な不定愁訴や機能異常も快復していきます。
器質破壊にまで至ってしまったものについては、元に戻る範囲のものとそうでないものがあります。
しかし、快復に向けて自然治癒力が発動しやすくなります。

前述した「万病を治せる妙療法」の冒頭には筋ジストロフィーの子供さんが操体法で良い変化が出たことが報告されています。
病気をそのものではなく歪みを整えることはこのように難病の場合でも良くなるケースがあるのです。

操体法の歪みの直し方

体のバランスを整える整体法は世の中にたくさんありますが、操体法におけるバランス調整は独特です。
以下のような特徴があります。

  • 楽な方に動かす
  • 痛いことや不快なことはしない
  • 気持ちが良いように動かす
  • 気持ちよさを味わう

楽な方に動かす

操体法の検査法で「動診」というものがあります。
実際に体を動かして可動域や違和感をチェックするのです。

そして楽な方向と窮屈な方向があったとしたら、楽な方に動かしてバランスを直します。

世の中の矯正法には直接法と間接法があります。
カイロプラクティックの矯正などは歪みを矯正方向に動かすので直接法です。

矯正方向とは反対に動かすのが間接法です。
操体法は間接法による代表的な矯正法です。

一見もっと歪みが大きくなるような方向に動かすのですが不思議と整うのです。

痛いことや不快なことはしない

バランスを直すときに痛いことや不快なことはしません。

痛みなどの不快な感覚は体にとって害となる刺激と考えます。
害だから嫌な感じがするのです。

「痛くても良くなるなら我慢する」という考えの人や「痛い方が効く」と信じている人もいらっしゃるようですが、痛くなくて良くなる方がいいと思います。

快適な感覚こそが体が喜ぶ刺激ですから、痛いことや不快なことは基本的に行ないません。

痛みから逃げる操法や、検査として痛みを確認することはありますが、痛いのを我慢して施術を受けるということはありませんのでご安心ください。

気持ちが良いように動かす

痛いことをせずに気持ちが良いように動くことで体が整います。
これもまた操体法の特徴の一つです。

単に歪みが整うように動くのではなく、受け手の人が自ら気持ちが良いように動くことで整うのです。
気持ちよくて体も整い一石二鳥です。

快適な感覚は細胞が喜んでいるサインです。
だから積極的に気持ちが良いことをすればよいのです。

ただし、感覚が鈍っている状態だと体に悪いことが気持ちよく感じてしまうこともあります。
味覚で例えれば体に悪い添加物たっぷりのインスタント食品ばかり食べていると感覚が鈍って、本当の味がわからなくなってしまうような感じです。

いつも体に負担をかけてばかりいると、あまり敏感だとしんどくてたまりませんから、感覚がわからないようになってしまうのです。
そのような状態だと体にとって本当に良い刺激と悪い刺激の区別がつきにくくなります。
そんな方でも実践するうちにだんだん感覚がわかるようになっていきます。

気持ちよさを味わう

操体法では気持ちよさを味わうのですが、「味わう」という行為がとても大切なんです。
ちゃんとじっくり味わうと効果がぐんと上がります。
味わうという行為は身体の行為であると同時に精神的な行為でもあります。

心と身体が同時に気持ちよさを味わうことで、身体の歪みが整うと同時に心身が深くリラックス出来るのです。
この「気持ちよさを味わう」ということも大きな特徴です。

味わい上手になるほどに操法を受けるのが上手になりより良い変化を体験することができます。

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