執筆者:院長 上川名 修

筋膜の症状

秋田県からご来院の60代男性。近所の整体に行っても改善せずネットで検索して奥様と一緒に来院しました。遠方なので予約時に二日分予約して宿泊しての施術です。

症状は、首痛、肩痛、頭痛、めまい、寝る時にみぞおちが固まって心臓のあたりが痛くなる、喉も固まってしゃべれない、呼吸が苦しいなどいろいろありました。パニック障害の薬も飲んでいます。

いろいろ調べて筋膜が緊張しているということで、群馬県の専門医を訪ねてトリガーポイント注射をしたけれど効果を感じられなかったそうです。ご本人曰く三年前に膝の靭帯を損傷してそれでかばって歩いていたところ、身体が歪んできてその頃からこのような不調が出てくるようになったそうです。

最近では、体の痛みの原因が筋膜にあるとする筋筋膜性疼痛症候群という病名も出てきています。トリガーポイントに注射をすることで改善が見られることも多いです。でも注射をしなくても操体法でもとても良い効果が得られることが多いです。

筋膜の施術

このクライアントさんの気になる症状はほとんど上半身に集中していましたが、私が検査をしたところ足指、足首、足の甲などに問題がありました。そして骨盤の動きもかなり制限がありました。

おそらく三年前の膝の靭帯のけがも関係していると思いました。そこで、最初は下半身と足からアプローチしていきました。その場で身体のこわばりがどんどんほどけていきました。

肩の動き、首の動きも良くなりました。ご自身も「さっきまで首も全然動かせなかったのに、今はこんなに楽に動ける!お腹も背中も楽です!」と首を左右に動かして見せてくれました。

今日はじっくり施術を味わって頂いて、明日は家で自分で出来ることを一つでも多く覚えて帰って頂こうと思っています。今回の反応を見る限りでは、近くでしたら確実に良くなっていくお手伝いが出来ると感じましたが毎回泊りがけで来て頂くのも大変なので別の整体院も紹介することにしました。

整体院を紹介しました

秋田県の山形県よりの所に住んでいるそうです。秋田の地理には詳しくありませんが、秋田市の先生と山形県の先生で操体法を行っている先生を紹介させて頂きました。

秋田に帰った後は、近い先生の整体を受けた方が良いですから紹介しました。同じ操体法でもその先生によって特色がありますし、相性の問題もあるので、必ずしも操体法だからお勧めってわけではありませんが、面識もあって信頼できる先生を紹介させて頂きました。

追記 筋膜と栄養

翌日も二日続けて来院しました。前日よりもだいぶ体全体の動きは良かったですが、夜寝てる間にまた身体が捻じれたようです。無意識にやっていることや、コントロール出来ないことは放っておきます。そしてコントロール出来るところから取り組んでいく話をしました。

今日は食べ物の話もしました。かなり炭水化物が大好物で、特に小麦が好き。三食パンでも良いと言っていました。痛みに伴い、動悸、寒気などの症状も時々あるようなので自律神経失調気味のようです。

自律神経失調症も食事で改善します。痛みも食事で改善出来ることも多いです。基本的には糖質制限をするとよいです。筋膜と栄養の関係ははっきりよく分かりませんが、きっと関係しているように思います。帰りに本屋に寄って糖質制限の本を探してみると仰っていました。

追記2 2017年9月

その後この方が三か月ほど経過して来院しました。また仙台に用事があり、ついでに予約も取って施術を受けて行かれました。

なんと、前回来院時に訴えていた上半身の症状はお伝えしたセルフケアを実践したところほとんど気にならないくらいに改善したそうです。

今回の来院はまた別の症状で、腰痛で腰がくの字に曲がってしまっての来院でした。

動悸、めまい、息苦しさ、胸が突っ張る、苦しいなどの症状はほとんど気にならなくなったようです。

今回の腰痛に関しては骨盤周辺の筋膜のこわばりを解放することですぐに楽になりました。腰がくの字になって来院しましたが帰りはすっとまっすぐになって帰られました。

筋膜に対するアプローチは他院で改善が見られず困っていた人が劇的に回復することがよくあります。筋膜へのアプローチと言っても、トリガーポイントや筋筋膜リリースとして知られる手技とは違います。

全身の筋膜が同時に変化するような施術を行っています。