私たちは日々、無意識のうちにたくさんの思考を巡らせています。
特に、ネガティブな自動思考が止まらず、「過去の失敗を思い出して後悔する」「未来の不安にとらわれる」といった経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?

このようなグルグルと回り続ける思考は、心だけでなく体にも影響を及ぼします。
ストレスが高まり、肩や首がこり、呼吸が浅くなることもあります。
では、どうすれば自動思考を断ち切り、心身をリセットできるのでしょうか?

その鍵となるのが「今ここ」に意識を戻すことです。
そして、その手助けをしてくれるのが整体や操体法です。
今回は、整体を通じて自動思考を鎮め、心と体のバランスを取り戻す方法についてお伝えします。

自動思考とは?

私たちは日常生活の中で、無意識のうちにたくさんのことを考えています。
たとえば、友人と会話をしているときに「この人は私のことをどう思っているんだろう?」とふと思ったり、仕事でミスをしたときに「また失敗してしまった。自分はダメだな」と考えたりすることはありませんか?

このように、自分の意思とは関係なく、瞬間的に浮かんでくる思考を 「自動思考」 と呼びます。

自動思考の特徴

  • 無意識に生じる:考えようと思わなくても勝手に浮かんでくる。
  • 短時間で繰り返される:同じような考えが何度も頭の中を巡る。
  • 過去や未来にとらわれやすい:過去の失敗を思い出したり、未来の不安を想像したりすることが多い。

自動思考の例

  • ネガティブな自動思考

    「また怒られるかもしれない」

    「私はどうせうまくいかない」

    「あの人に嫌われているかも」

  • ポジティブな自動思考

    「この仕事、楽しいな!」

    「今日の天気が気持ちいい」

    「この人といると安心する」

ただし、多くの場合、私たちが悩まされるのは ネガティブな自動思考 です。
特に、ストレスが多い環境では、自動思考がグルグルと止まらなくなり、不安やイライラを増幅させてしまいます。

自動思考が身体にもたらす悪影響

自動思考は、特にネガティブなものが続くと、心だけでなく 身体にも悪影響 を及ぼします。これは、ストレス反応や自律神経の乱れを引き起こすためです。

1. 筋肉の緊張が続く

ネガティブな自動思考が繰り返されると、身体が無意識のうちに緊張しやすくなります。

肩こり・首こり → 不安やストレスを感じると、肩や首がすくみ、筋肉が硬くなる。

頭痛 → 首や肩のこりが悪化すると、血流が悪くなり、緊張型頭痛を引き起こす。

2. 呼吸が浅くなる

不安や心配ごとが多いと、無意識に呼吸が浅くなります。

酸素不足 → 体が酸素を十分に取り込めず、だるさや疲労感が増す。

自律神経の乱れ → 呼吸が浅いと交感神経(緊張モード)が優位になり、リラックスできなくなる。

3. 内臓の不調を招く

ストレスが続くと、胃腸の働きが悪くなったり、血流が滞ったりします。

胃痛・胃もたれ → 緊張が続くと、胃酸の分泌が乱れ、胃の不調につながる。

便秘・下痢 → 自律神経が乱れることで、腸の動きが不安定になる。

4. 免疫力の低下

ストレスホルモン(コルチゾール)が増え続けると、免疫力が低下します。

風邪をひきやすい → 体の防御機能が弱まり、感染症にかかりやすくなる。

アレルギー症状の悪化 → 免疫のバランスが崩れ、アレルギー反応が強くなることも。

5. 慢性的な疲労や睡眠障害

ネガティブな自動思考が続くと、常に脳が働きすぎた状態になります。

寝つきが悪くなる → 「あれこれ考えてしまって眠れない」状態に。

寝ても疲れが取れない → 浅い眠りが続き、回復しにくくなる。

整体で自動思考による悪影響を和らげる

整体では、 身体の緊張を解くことで、心の緊張も和らげる ことができます。

筋肉のこりをほぐす → 血流を改善し、リラックスしやすくなる。

呼吸を深める施術 → 副交感神経が働き、心が落ち着く。

自律神経を整える → 胃腸の不調や睡眠の質の改善につながる。

ネガティブな自動思考が続いていると感じたら、まずは 身体をゆるめること を意識してみるのが大切です!

自動思考を鎮める3ステップ

日常生活において、考えが頭の中ぐるぐると回り続けることはよくあります。
これを「自動思考」と言い、何も意識しないまま、無意識に繰り返してしまう思考のことです。

自動思考が続くと、精神的に負担がかかり、疲れや痛みを感じることも増えるでしょう。
ただし、心を落ち着かせるためにできる簡単な方法があります。
自動思考を鎮めるための3つのステップを実践することで、心の静寂を取り戻せるのです。

1. 自動思考がグルグルしていることに気づく

自分が思考に巻き込まれている意識せず、無意識のうちにその思考を繰り返すことがよくあります。
最初のステップは「気づく」ことです。

先日、突然不安な気持ちが湧いた時、その不安の思考が無限に回り続けていることに気付いたら、「あ、今、私は自動思考に巻き込まれている」と認識することが大切です。
その瞬間に気づくことで、思考の「流れ」を客観的に見ることができ、意識的にその思考から考えることができるようになります。

2.気づいたら離れて放っておく

次のステップは、気づいた思考から「離れて放っておく」ことです。
自動思考に巻き込まれているとき、私たちその思考を掴んで離さないことが多いです。

例えば、「これからどうしようかな?」という不安が湧いたとき、その不安になって何度も「もしこうなったらどうしよう」と考え続けてしまうことがよくあります。

そこで大切なのは、「放っておく」ことです。
自分がその思考に問題があることに気づいたら、その思考を「放してあげる」ことがポイントです。
無理に思考を止めようとし、否定しようとすると逆効果になってしまいます。

このプロセスは、思考を止めたり、無理に消すことのではなく、思考に対して「距離を置く」ことです。
思考の存在を認め、そして自然に放っておいてそれで、心が軽くなり、思考が沈静化していきます。

3. 身体の感覚に意識を向ける

思考を放っておくと、次に重要なのは「身体の感覚に意識を向ける」ことです。
自動思考に捕らわれているとき、私たちは頭の中でぐるぐる向けて考え続けがちですが、心の静けさを取り戻すためには、意識を身体に戻すことが有効です。

このステップでは、まずは自分の身体が今どう感じているのかを意識的に感じてみることを大切にしています。
深呼吸を、吸息と吐息を感じながら、その呼吸に意識を向けてみましょう。

これにより、思考が自然に落ち着いていきます。
心と身体は密接につながっているため、身体に意識を向けることで、心もリセットされ、落ち着きを取り戻すことができます。

自動思考を鎮める整体のアプローチ

日々のストレスや不安によって無意識のうちに繰り返される「自動思考」は、心だけでなく体にも影響を与えます。
整体は、体の緊張をほぐし、自律神経を整えることで、自動思考を鎮めるのに効果的です。
ここでは、整体がどのように自動思考の鎮静に役立つのか、その具体的なアプローチを紹介します。

体の緊張をほぐし、思考も鎮める

整体の施術によって筋肉のこわばりが解消されると、体の余計な力が抜け、自然とリラックスした状態になります。
体が緊張していると、脳も常に興奮状態になりやすく、考えすぎや不安が増幅されます。

しかし、体が緩むことで脳の負担が軽減され、思考も落ち着いていきます。
整体の施術を受けながら体の変化を感じることで、「今ここ」に意識を向けることができ、余計な考えに囚われにくくなるのです。

深い呼吸でリラックスを促す

整体を受けると、呼吸が自然と深まりやすくなります。
呼吸が浅いと交感神経が優位になり、緊張やストレスを感じやすくなりますが、深い呼吸は副交感神経を活性化させ、リラックスを促します。

施術中に呼吸の変化を意識しながら、ゆっくりと息を吸って吐くことで、心のざわめきが和らぎ、自動思考のループから抜け出しやすくなります。

自律神経を整え、思考の暴走を抑える

整体には自律神経を整える効果もあります。姿勢の歪みや筋肉の緊張が続くと、自律神経のバランスが崩れ、心身ともに不安定な状態になりがちです。
しかし、整体で体を整えることで自律神経の働きが安定し、ストレスによる思考の暴走を抑えることができます。

特に、操体法のように「心地よい動き」を取り入れる整体法は、自分の体の感覚に意識を向けるため、思考を手放しやすくなり、より高いリラックス効果が期待できます。

整体を受ける際は、施術者との会話よりも、体の感覚に意識を向けることで、より深いリラックスと自動思考の鎮静効果が得られるでしょう。