「整体を受けたあと、なんだか眠くなってしまった…」

そんな経験をされたことはありませんか?

施術中にウトウトしてしまったり、施術後に強い眠気に襲われたり。

実はこの反応、珍しいことではなく、多くの方に見られる自然な現象です。

けれど、あまりに眠くなると「これは大丈夫なのかな?」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば、整体後の眠気は「体が回復しようとしているサイン」。

整体によって自律神経のバランスが整い、リラックスをつかさどる副交感神経が働き出すことで、眠気が生じるのです。

つまりこれは、整体の効果がしっかりと表れている証でもあります。

この記事では、整体を受けたあとに眠くなる理由と、その背後にある体と心の仕組みについてわかりやすく解説していきます。

なぜ整体で眠くなるのか?【体の仕組み編】

整体を受けると眠くなるのは、体の自然な反応であり、回復に向かうための重要なサインでもあります。ここでは、「体の仕組み」からその理由を紐解いていきましょう。

自律神経のバランスが整うと眠気が起きやすくなる

人間の体には、「自律神経」と呼ばれる神経系が備わっており、無意識のうちに内臓の働きや血流、呼吸、体温などを調整しています。

この自律神経は、大きく分けて以下の2つがあります:

  • 交感神経(こうかんしんけい):活動・緊張・ストレスのときに働く

  • 副交感神経(ふくこうかんしんけい):休息・リラックス・回復のときに働く

整体を受けることで体の緊張がゆるみ、血流や神経の通りがスムーズになると、交感神経の働きが静まり、副交感神経が優位になります。

これにより、心も体も「リラックスモード」に切り替わり、自然と眠気を感じるようになるのです。

副交感神経が働くと「回復モード」に入る

副交感神経が優位なとき、私たちの体は「休んで修復しよう」とするモードに入ります。

  • 心拍が穏やかになる

  • 呼吸がゆっくり深くなる

  • 筋肉の緊張がとける

  • 胃腸の働きが活発になる

  • 脳波がα波やθ波へと変化する

これらの変化が、眠気やうとうとする感覚を引き起こすのです。

特に、自律神経の乱れやストレスが強い方ほど、副交感神経の働きが戻ることで強い眠気を感じる傾向があります。

ストレス社会で交感神経が優位な人が多い

現代社会は、仕事や人間関係、スマホなどの情報過多によって、交感神経が常に優位な状態になりがちです。

これが続くと、体は常に「戦闘モード」に入りっぱなしになり、疲労や不調が蓄積していきます。

整体を受けることで、そのスイッチが“オフ”に切り替わり、心身はようやく「休息していいんだ」と感じ取ります。

それに伴い、深いリラックスとともに眠気が訪れるのは、ごく自然なことなのです。

なぜ整体で眠くなるのか?【心の仕組み編】

眠気は体の反応だけではありません。実は心の状態も、整体後の眠気に深く関わっています。整体の施術中、私たちの心は“安心”という感情に包まれ、それが自然な眠気を誘っているのです。

触れられることで安心感が生まれる「オキシトシン」の働き

整体では、施術者の手によってやさしく体に触れられます。この“人に触れられる”という行為は、思っている以上に心に大きな影響を与えます。

やさしく触れられることで脳内に分泌されるのが、「オキシトシン」と呼ばれるホルモン。

これは「愛情ホルモン」や「癒しホルモン」とも呼ばれ、以下のような効果があります:

  • 不安やストレスをやわらげる

  • 安心感や信頼感を高める

  • 心拍や血圧を安定させる

  • 幸せな気持ちを促す

つまり、施術を通じてオキシトシンが分泌されることで、心が安心し、リラックスモードに切り替わるのです。

心がゆるむことで自然な眠気が生まれる

現代人の多くは、日々の仕事や人間関係、情報の多さなどで、心がずっと“緊張状態”にあります。

「ちゃんとしなきゃ」「気を張ってないと」「休んでる場合じゃない」――

そんな思考パターンが、心のゆるみを妨げています。

整体を受けると、体の緊張がほぐれるだけでなく、「今は大丈夫」「安心していい」という感覚が心に生まれます。

このとき、心のブレーキが外れ、自然な眠気がじんわりと湧いてくるのです。

整体は“心の休息時間”でもある

体の不調を整えるために受ける整体ですが、実は心にも大きな癒しを与える時間です。

やさしく触れられ、安心し、心がゆるむ。

日常ではなかなか得られない“静かなひととき”を味わうことで、心は「もう頑張らなくていいよ」と自分に許可を出します。

その結果、体と心の両方が深くリラックスし、眠気としてあらわれるのです。

これは、単なる副作用ではなく、自然治癒力が働きはじめる第一歩とも言えるでしょう。

整体後に眠くなった時の対処法・おすすめの過ごし方

整体後に眠気を感じたときは、体が回復モードに入っている証拠です。

この大切なサインをうまく活かすことで、施術の効果をより高め、体調を整える力がぐっと増します。

ここでは、眠気を感じたときの対処法や、おすすめの過ごし方をご紹介します。

1. 無理をせず、可能なら軽くお昼寝を

整体後に強い眠気があるときは、無理に我慢せず、10〜20分ほどの軽い昼寝をおすすめします。

短時間の仮眠でも、脳と体が一気にリフレッシュし、施術で得た“整った状態”を体がしっかり吸収・維持しやすくなります。

可能であれば、その後のスケジュールにゆとりをもたせ、静かに休む時間をつくりましょう。

2. 水分をしっかりとることで老廃物の排出を促す

整体後は、筋肉やリンパ、内臓などが活性化し、老廃物が体内で動き出すタイミングでもあります。

水分をしっかり補給することで、体の中に溜まっていた不要なものがスムーズに排出され、よりスッキリした感覚を得られるでしょう。

カフェインの多い飲み物は避け、白湯やハーブティーなど、体を温める飲み物がおすすめです。

3. 激しい運動やスマホの長時間使用は避ける

整体後は神経が繊細な状態になっているため、過度な刺激を避けることが大切です。

  • ジムでの激しい運動

  • 長時間のスマホやパソコン作業

  • 大音量の音楽やにぎやかな場所への外出

これらはせっかく整った神経バランスを乱す可能性があるため、できるだけ避けて、静かで落ち着いた時間を過ごすようにしましょう。

4. ゆったり過ごすことで施術効果が長持ちする

整体で整った体は、その後の過ごし方によって良い状態が定着するかどうかが決まります。

心と体をゆるめるような時間を意識的にとることで、副交感神経の優位な状態が持続し、

  • 筋肉の緊張が戻りにくい

  • 内臓の働きが活発になる

  • 睡眠の質が向上する

といった効果が期待できます。

お気に入りの音楽を聴いたり、読書をしたり、静かな散歩を楽しんだり――

「何もしない贅沢な時間」を、ぜひ味わってみてください。

まとめ 〜眠気は“癒しのサイン”〜

整体を受けた後に眠くなるのは、単なる「疲れ」ではなく、体と心が深く癒されているサインです。

体の面では、自律神経のバランスが整い、副交感神経が優位になることで、自然とリラックスモードに切り替わります。

心の面でも、安心感やオキシトシンの分泌によって、緊張がほどけ、心がゆるんでいきます。

つまり、整体で眠くなるのは、体が安全だと感じ、本来の回復力を取り戻している証拠なのです。

そんなときは無理をせず、軽くお昼寝をしたり、水分をとったり、静かに過ごすことで、施術の効果はより長く持続します。

眠気を“ありがたい反応”として受け入れ、自分を優しくケアしてあげましょう。

整体は、体を整えるだけでなく、心を癒す時間でもある

そんな視点で、日々のメンテナンスに整体を取り入れてみてはいかがでしょうか?