
突然、心臓がドキドキして不安になったことはありませんか。
安静にしているのに動悸がする、理由もなく心臓の鼓動が強く感じられる――
このような「心臓ドキドキ」の症状で悩み、当院に相談に来られる方は少なくありません。
病院を受診して検査をしても「特に異常はありません」と言われると、
少し安心する一方で、
「ではなぜ動悸が起こるのだろう」
「このまま続いたらどうしよう」
と、かえって不安が強くなることもあります。
整体の視点から見ると、こうした動悸や心臓ドキドキの背景には、
交感神経が過剰に働いている状態が関係しているケースが多く見られます。
交感神経が優位になると、体は常に緊張し、心拍数が上がりやすくなります。
それは心臓の病気ではなく、体が「身を守ろう」として起こしている反応であることも少なくありません。
この記事では、動悸・心臓ドキドキが起こる仕組みを交感神経の働きから解説し、
整体の立場で考える体の整え方や、日常生活で気をつけたいポイントについてお伝えします。
不安をあおるのではなく、体を理解し、安心して向き合うためのヒントとしてお読みいただければ幸いです。
すぐに医療機関を受診すべき動悸・心臓ドキドキについて

動悸や心臓ドキドキの多くは、交感神経が過剰に働くことによって起こる一時的な反応である場合が少なくありません。
しかし中には、早急に医療機関での検査や処置が必要なケースもあります。
次のような症状がある場合は、整体で様子を見るのではなく、すぐに医療機関を受診してください。
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息ができない、強い息苦しさを感じる
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胸が締めつけられるように強く痛む
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胸の痛みが背中や左腕、顎にまで広がる
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冷や汗、めまい、吐き気、意識が遠のく感じがある
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動悸や心臓ドキドキが急激に悪化している
これらの症状は、心臓や血管に関わる重大な疾患が隠れている可能性もあり、早急な判断が必要です。
整体は医療行為の代わりになるものではありません。
当院では、医療機関で検査を受け、重大な異常がないと確認された方に対して、体の緊張や自律神経の乱れを整えるサポートを行っています。
「病院で異常なしと言われたけれど、動悸や心臓ドキドキが続いている」
「検査では問題ないのに、不安や違和感が消えない」
そのような方に向けて、この記事では整体の立場から、
動悸と交感神経の関係、そして体をどのように整えていくのかをお伝えしていきます。
動悸・心臓ドキドキの正体|交感神経が優位になった体の反応

動悸や心臓ドキドキを感じると、「心臓に異常があるのでは」と不安になる方が多いものです。
しかし整体の視点から見ると、これらの症状は交感神経が過剰に働いている状態で起こっているケースが多く見られます。
交感神経は、私たちが活動するときや緊張・ストレスを感じたときに働く神経です。
本来は必要な働きですが、常に優位な状態が続くと、体は休まることができなくなってしまいます。
交感神経が優位になると起こる体の変化
交感神経が強く働くと、体は「戦う・逃げる」モードになります。
この状態では、次のような反応が起こりやすくなります。
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心拍数が上がり、心臓の鼓動を強く感じる
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呼吸が浅く、早くなる
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筋肉が緊張し、体に力が入りやすくなる
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血管が収縮し、冷えやすくなる
このときに感じるのが、動悸や心臓ドキドキです。
つまり、多くの場合それは「心臓が壊れているサイン」ではなく、体が過度に緊張しているサインなのです。
なぜ交感神経が過剰に働いてしまうのか
交感神経が優位になる原因は、人それぞれ異なります。
しかし整体の現場で多く見られるのは、次のような背景です。
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慢性的なストレスや不安
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常に気を張って生活している
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休んでいても体の力が抜けない
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呼吸が浅く、息を止めるクセがある
こうした状態が続くと、体は「危険が続いている」と判断し、
交感神経をオフにするタイミングを失ってしまいます。
動悸・心臓ドキドキが不安を呼び、さらに交感神経を刺激する
動悸や心臓ドキドキを感じると、多くの方が強い不安を覚えます。
「また起きたらどうしよう」
「このまま悪化したら…」
こうした不安そのものが、交感神経をさらに刺激し、
心拍数を上げ、症状を強めてしまうことがあります。
この悪循環に入ると、
✔ 動悸が気になる
→ ✔ 不安になる
→ ✔ 交感神経がさらに優位になる
→ ✔ 心臓ドキドキが強まる
という流れが繰り返されてしまいます。
整体では「症状」よりも「体の状態」を見る
整体では、動悸そのものを抑え込もうとはしません。
注目するのは、なぜ交感神経が休めなくなっているのかという体全体の状態です。
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呼吸は深くできているか
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横隔膜は柔らかく動いているか
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首や顎に強い緊張がないか
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無意識に力んでいないか
こうしたポイントを整えていくことで、体は自然と安心し、
交感神経と副交感神経のバランスが取り戻されていきます。
次の章では、
なぜ横隔膜・首・顎の緊張が動悸や心臓ドキドキに関係するのかを、
整体の視点からさらに詳しく解説していきます。
動悸・心臓ドキドキと深く関係する「横隔膜・首・顎」の緊張

動悸や心臓ドキドキが続いている方の体を整体的にみていくと、
多くの場合、胸だけでなく横隔膜・首・顎に強い緊張が見られます。
これらの部位は、呼吸や自律神経と深く関係しており、
緊張が続くことで交感神経が優位になりやすくなります。
横隔膜の緊張が動悸・息苦しさを引き起こす理由
横隔膜は、呼吸のたびに上下に動く大きな筋肉です。
本来は柔らかく動くことで、自然で深い呼吸を支えています。
しかし、ストレスや緊張が続くと横隔膜は硬くなり、
呼吸が浅くなってしまいます。
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息を吸っても胸が広がらない
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深呼吸をしようとすると苦しい
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息が入りきらない感覚がある
このような状態になると、体は酸素不足を感じ、
交感神経をさらに働かせて心拍数を上げようとします。
その結果、動悸や心臓ドキドキ、息苦しさが起こりやすくなるのです。
首の緊張と交感神経の関係
首は、自律神経が脳と体をつなぐ重要な通り道です。
長時間のスマホやパソコン作業、緊張状態が続く生活では、
首や肩の筋肉が常にこわばりやすくなります。
首の緊張が強くなると、
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神経の伝達がスムーズにいかなくなる
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血流が悪くなる
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自律神経の切り替えがうまくいかなくなる
といった影響が出やすくなり、
交感神経が優位な状態が続きやすくなります。
顎の噛みしめが心臓ドキドキを助長することも
整体の現場では、動悸や心臓ドキドキに悩む方の多くに、
無意識の噛みしめや歯ぎしりが見られます。
顎はストレスがたまりやすい場所であり、
噛みしめは「耐える」「我慢する」状態の表れでもあります。
顎の筋肉が緊張すると、
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頭部や首の緊張が強まる
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交感神経が刺激されやすくなる
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呼吸がさらに浅くなる
といった連鎖が起こり、
動悸や心臓ドキドキが起こりやすい体の状態が作られてしまいます。
整体では横隔膜・首・顎をやさしく緩めていく
整体では、強く押したり無理に矯正したりするのではなく、
体が「安心できる刺激」で横隔膜・首・顎の緊張を緩めていきます。
これにより、
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呼吸が自然に深くなる
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心拍が落ち着きやすくなる
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体の力が抜けやすくなる
といった変化が起こり、
交感神経が過剰に働き続ける状態から、少しずつ抜け出していくことができます。
動悸・心臓ドキドキと食事の関係|交感神経を刺激する食習慣

動悸や心臓ドキドキは、体の緊張や自律神経の状態だけでなく、
日々の食事内容とも深く関係しています。
整体の現場では、体の歪みや緊張と同時に、食習慣を見直すことで
症状が落ち着いていくケースも多く見られます。
交感神経が過剰に働きやすい体では、
ちょっとした食事の影響が動悸として表れやすくなることがあります。
精製糖質の摂りすぎが交感神経を乱す
白砂糖や小麦粉などの精製糖質を多く摂ると、
血糖値が急激に上がり、その後急激に下がります。
この血糖値の乱高下は、体にとっては大きなストレスとなり、
交感神経を強く刺激します。
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甘いものを食べた後に動悸が出る
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食後しばらくして心臓ドキドキを感じる
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空腹時に不安感や動悸が強くなる
このような方は、糖質の「量」や「質」が影響している可能性があります。
タンパク質不足が自律神経を不安定にする
タンパク質は、筋肉や内臓だけでなく、
自律神経やホルモン、神経伝達物質の材料にもなっています。
タンパク質が不足すると、
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神経の働きが不安定になる
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ストレスに弱くなる
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交感神経が過剰に反応しやすくなる
といった状態が起こりやすくなります。
「しっかり食べているつもり」でも、
肉・魚・卵・大豆製品などが不足している方は少なくありません。
カフェインが動悸・心臓ドキドキを強めることがある
コーヒー、エナジードリンク、緑茶、紅茶などに含まれるカフェインは、
交感神経を刺激する作用があります。
体が疲れているときや、すでに交感神経が優位になっている状態では、
少量のカフェインでも、
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心拍数が上がる
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動悸が強くなる
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不安感が増す
といった反応が出ることがあります。
必ずしも「カフェイン=悪」ではありませんが、
動悸や心臓ドキドキが気になる時期は、
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量を減らす
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空腹時を避ける
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午後以降は控える
といった工夫が体を守る助けになります。
整体では「食事」も体を整える要素として考える
整体では、施術だけで体を変えようとはしません。
体の緊張、呼吸、自律神経、そして日常の食事も含めて、
体が安心して回復できる環境づくりを大切にしています。
食事を少し見直すだけでも、
交感神経の過剰な働きが和らぎ、
動悸や心臓ドキドキが起こりにくくなることがあります。
整体で行う動悸・心臓ドキドキへのアプローチ|交感神経を休ませる整体

動悸や心臓ドキドキに対して、整体では
「心臓をどうにかする」のではなく、
交感神経が過剰に働き続けている体の状態を整えることを目的とします。
体が安心できる状態になると、
自律神経は自然とバランスを取り戻し、
心拍や呼吸も落ち着きやすくなります。
強い刺激や矯正は行わない理由
動悸や心臓ドキドキが出ているとき、体はすでに緊張状態にあります。
この状態で強い刺激や無理な矯正を行うと、
かえって交感神経を刺激してしまうことがあります。
整体では、
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痛みを我慢させない
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驚かせない
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体が身構えない刺激
を大切にし、副交感神経が働きやすい施術を行います。
横隔膜・肋骨まわりを整え、呼吸を深くする
動悸や心臓ドキドキに悩む方の多くは、
無意識に呼吸が浅くなっています。
整体では、
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横隔膜
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肋骨の動き
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胸郭全体の柔軟性
にアプローチし、呼吸が自然に深くなる状態をつくります。
呼吸が深くなると、
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心拍数が落ち着きやすくなる
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体がリラックスしやすくなる
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交感神経の過剰な働きが和らぐ
といった変化が起こりやすくなります。
首・頭・顎の緊張を緩めて自律神経を整える
首まわりは、自律神経にとって非常に重要な場所です。
整体では、首・後頭部・顎の緊張を丁寧に緩めていきます。
特に、
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噛みしめ
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歯ぎしり
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首をすくめるクセ
がある方は、交感神経が休みにくい傾向があります。
これらの緊張が緩むことで、
「気づいたら呼吸が楽になっていた」
「胸のザワザワ感が減った」
と感じる方も少なくありません。
全身の緊張バランスを整えることが大切
動悸や心臓ドキドキは、
胸や心臓だけの問題として起こることはほとんどありません。
整体では、
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足の接地感
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骨盤や背骨の緊張
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体全体のバランス
を確認しながら、
「体が安全だと感じられる状態」をつくっていきます。
体全体が落ち着くことで、
交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、
動悸が起こりにくい体へと変化していきます。

