執筆者:院長 上川名 修

起立性調節障害の施術例です。
13歳の中学1年生の男子です。
お父様に付き添われて来院しました。

主訴は頭痛とだるさ。学校には週に1回登校できるかどうか、という状態でした。

起立性調節障害の中学生

当院では起立性調節障害の原因は生活習慣に潜んでいると考えています。
実はこの男の子のお兄さん(現在は中学三年生)も以前に通院していました。
お兄さんはかなり重い状況で、めまいとふらつきがひどく杖をついて通院していました。

以前よりだいぶ回復して現在では調子が良いときには部活動で10キロほどランニングができるほどに元気になったということでした。

他にも姉妹(高校生と中学生)で通院している人もいます。
兄弟、姉妹で生活パターンが似ているので発症しやすい要因が何かしらあります。
その一つの要因は食生活です。

糖質の過剰摂取とタンパク質不足

起立性調節障害で来院したお子様の親御さんの話を聞くとだいたい糖質の取り過ぎとタンパク質不足が当てはまっています。
「甘いものが好き」「お菓子ばかり食べている」「毎日チョコレートをたくさん食べる」等など。
さらにはパン、麺類も大好きでよく食べていたりします。

このような食生活習慣が続くと自律神経のバランスがおかしくなります。
これはお子様の起立性調節障害だけでなく、大人の自律神経失調症、うつなどの人もだいたい当てはまっています。

もちろんその他に精神的なストレスの影響もあるのですが、自律神経のバランスが乱れるとストレスに対して過剰に反応したり、ダメージを受けてしまう体になってしまうのです。

今回来院した中学一年生の男の子も全部当てはまっていました。
お菓子、甘いものが大好きで毎日食べていました。
パンも麺類も大好きです。

おそらくお兄さんも同じような食生活になっていると思います。
お兄さんが通院していたときにはお母様が付き添いで来ていました。
今回はお母様が時間の都合がつかず、お父様が付き添われていました。

お母様にも以前お話ししたかも知れませんが、お父様にも食事と自律神経の関係についてお話ししてお勧めの本もお伝えしました。
こういう知識がないといくら薬を飲んでも、整体に通っても根本的によくなっていきません。

毎日食べるもので私たちの体が作られているので、食生活の改善は必須なのです。
そのことをご理解頂いた上で体のバランスを調整していきます。

整体の施術

この中学生の男の子はとても背中が丸まっていて、首がすぼまり、顎が上がった姿勢になっていました。
この子に限らず体調が悪いお子様や自律神経失調症やうつの人は皆さんこのような姿勢になっています。

うつの原因の一つにセロトニンという脳内神経伝達物質の不足が挙げられていますが、セロトニンの作用の一つに抗重力筋に働きかけよい姿勢を維持するというのがあります。
うつの人や起立性調節障害の人は皆さん姿勢に勢いがなく、丸まった姿勢になっています。

ここで言う良い姿勢、悪い姿勢について少し述べます。
胸を張ったいわゆる「気をつけ」の姿勢は良い姿勢ではありません。
重力が働いているこの空間の中で、より最小限の筋力で姿勢を維持できるような姿勢を良い姿勢と定義しています。

つまり省エネの姿勢です。省エネの姿勢は見た目にも無理がなく美しく、動作をするときにも体の各部がスムーズに動きやすい姿勢です。
整体でそのような姿勢にしていきます。

骨盤と脊柱の調整

さて、中学生の男の子に話を戻します。
ベッドに腰掛ける姿勢が骨盤が大きく後継して背中が丸くなっていました。
上肢の挙上検査でも途中で引っかかって挙がりません。
横で見ていたお父さんもびっくりしています。

仰向けに寝てもらって膝倒し検査をします。
これもかなり可動域が制限されています。
体の緊張が強いために骨盤も自由に動けていないのです。

これを多次元操体法では一瞬で解消します。
あっという間に骨盤が自由になり、左右の膝倒しも楽々パタンパタンと倒れます。

再び起き上がってもらって上肢の挙上検査をすると今度はスイスイと挙がります。
本人もお父さんもびっくりして笑顔になります。

そして姿勢もとても綺麗になりました。
背筋がすーっと伸びやかに伸びていますが、本人はまったく努力はしていません。

骨盤と脊柱の調和が取れると無理しなくても自然と良い姿勢になるのです。
だから、動きもスムーズになるし、緊張も解けて血流も改善します。
呼吸も自然と深く出来るようになり神経系、内分泌系、免疫系などの生理機能も向上すると考えています。

上半身の調整

胸や腕のバランスを調整します。
肩や胸の筋肉が緊張して触診するとコリや痛みがありますので、これらを緩めていきます。

一般的な整体のように患部を直接揉みほぐすのではなく、脊柱と腕、肩甲骨、鎖骨、胸骨のバランスを整えていきます。
すると結果として先ほどのコリや痛みがなくなります。
触診しても痛くなくなるのです。

頸椎と頭蓋骨の調整

首や頭のストレスを解放します。
いつも姿勢が悪いので頸部の筋肉には常にストレスがかかっています。

そのストレスを取り除くために無重力状態を作り出します。
頸椎無重力操法と名付けて行っていますが、非常に首や頭がリラックスします。

さらに頭蓋骨の調整を行います。
頭部の皮膚や筋膜に優しく働きかけていきます。頭がすっきりと軽くなります。

これで起き上がってもらうと、姿勢も動作もまったく別人のように変わりました。
お父さんも横で見ていて喜んで下さいました。
食生活の改善と併せてやっていくと良い状態が維持できるようになっていきます。

一般的には血圧を上げる薬を処方されることが多いですが、それで改善されないケースも多いです。
なぜなら本当の原因が何も変わっていないからです。
当院ではより深い原因に働きかけて起立性調節障害の根本改善のお手伝いをしています。

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