中学生や高校生で不登校の生徒が増えています。
その原因は様々ですが、起立性調節障害が関係して学校に行けないケースが多いのではないかと考えています。
この記事では不登校と起立性調節障害の関係性について考察します。
不登校とは?
不登校とは、本来ならば学校に通うべき児童や生徒が、定期的に学校に行けないで欠席している状態です。
一時的なものから長期間にわたるものまでさまざまです。
不登校の理由は様々であり、家庭環境の問題、学校への適応困難、精神的・身体的な健康問題、学業や人間関係のストレス、いじめなどが原因として挙げられます。
不登校は児童や生徒の学業面や社会性の発達に深刻な影響を与える可能性があり、またそのままにしておくと将来の進路や生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
宮城県における不登校の中学生
宮城県においても不登校は深刻な問題となっています。
2021年度に宮城県の中学校で不登校だった生徒の数は前の年よりも大幅に増え3569人でした。不登校の生徒の割合は前年よりも増え、全国で2番目に高くなりました。
これは、文部科学省が毎年実施している調査で明らかになりました。
2021年度、宮城県全ての中学校で30日以上欠席した不登校の生徒数は、前の年度に比べて852人増えて3569人でした。
県内の中学校の全生徒に対する不登校の生徒の割合は前年より1.4ポイント増え6.01パーセントと、全国平均の5.00%を上回りました。
引用元:KHB東日本放送
院長の私が中学生の頃は不登校の生徒は一学年に1人いるかどうかという印象でした。
当時は一学年全体の生徒数が300人以上いましたから、割合としては0.3パーセントです。
現在ではうちの子どもたちの学校の話を聞くと、各クラスに1人か2人は不登校の生徒がいるようです。
昔に比べてかなり増えている印象があります。
学校に行けない(不登校)原因
不登校の原因は非常に多様であり、個々の状況や背景によって異なります。
以下に、それぞれの原因について詳しく説明します。
家庭環境の問題
家庭内の不和や不安定な状況があると、子供が学校に行くことが困難になる場合があります。
例えば、親の離婚や家庭内暴力などが挙げられます。
学校への適応困難
学校での適応困難は、不登校の主な要因の一つです。
勉強の負担が大きすぎたり、授業内容が理解できなかったりする場合や、クラスメイトや先生との関係が悪化したり、いじめに遭ったりする場合、不登校に至ることがあります。
精神的・身体的な健康問題
精神的な問題(うつ病、不安障害など)や身体的な不調が不登校の原因となることがあります。
これらの問題が学校生活への参加を困難にする場合、不登校のリスクが高まります。
学業や人間関係のストレス
学業や人間関係のストレスが不登校の原因となることがあります。
学校の成績に対するプレッシャー、クラスメートとの関係の悪化、いじめやいじめを受けた経験などが不登校を引き起こす可能性があります。
その他の要因
経済的な理由や家庭の移転など、その他の要因も不登校の原因となります。
また、学校への不安や学校に関する価値観の不一致なども不登校につながる要因となります。
不登校と起立性調節障害の関係
不登校の要因はいろいろありますが、生徒本人が学校に行きたいという意思がありながらも、体調が悪くて登校できないというケースも多いように感じます。
特に下のような症状が続く場合には、起立性調節障害の可能性があります。
- 立ち上がったときのめまいやふらつき
- 心拍数の急増(心拍数が起立後に30拍/分以上上昇する)
- 血圧の急激な低下(立ち上がった瞬間に血圧が下がる)
- 意識のぼんやり感
- 疲労感や倦怠感
- 頭痛や頭の重さ
- 吐き気や胃の不快感
- 冷汗や手足の冷え
- ひどい場合には失神や意識消失
起立性調節障害の問題点
起立性調節障害の診断を受けると一般的には血圧を上げる薬が処方されます。
その他、規則正しい生活や運動療法、ストレスの管理などが行われます。
しかし、現実的には病院に通うだけではなかなか改善しにくい病気です。
病院に通院しているけど症状が良くならないということで、当院にも親御さんに付き添われて起立性調節障害の診断を受けたお子さんが来院します。
また、診断は受けていないけれど上記の症状のいくつかを訴えて当院に来院します。
起立性調節障害の真の原因について
当院の考える起立性調節障害の本当の原因は2つあります。
- 栄養不足
- 身体の歪み
この2つが改善すると元気になって学校に行けるようになるお子さんが多いのです。
それぞれについて解説します。
1.栄養不足と起立性調節障害
起立性調節障害のお子さんはだいたいやせた体型をしています。
標準よりも痩せている子がほとんどです。
まれにぽっちゃり体型の子もいますが、9割以上がやせ型です。
食が細い、食欲がない、胃腸の調子が悪い、という子が多いです。
必要な栄養素が不足しているために、元気が出なかったり、身体に不調が出たりします。
自律神経失調症の大人は栄養改善が必須ですが、起立性調節障害の子どもも栄養面のアプローチはほぼ同様です。
食事の改善をすると元気になるお子さんがとても多いです。
しかし、胃腸が弱っている場合には栄養の改善をしても消化吸収能力が低下しているために必要な栄養を吸収することができません。
むしろ胃腸の負担が増えてかえって調子が悪くなることもあります。
そのような場合は、まずは胃腸の調子を整えることが必要になるのでその分回復までの期間も長くなります。
胃腸がしっかりしてくると回復のスピードも速まります。
2.身体の歪みと起立性調節障害
起立性調節障害のお子さんは、例外なく姿勢が悪いです。
猫背でまっすぐな姿勢を維持することも困難です。
呼吸も浅くなりがちです。
ゲームをしたり、スマホを見る時間も長い傾向があります。
姿勢が歪むと自律神経の働きも悪くなります。
不眠の症状があるお子さんも多いです。
骨盤の歪みを調整すると姿勢が劇的に変わることが多いです。
本人も付き添いの親御さんもびっくりします。
起立性調節障害による不登校について
起立性調節障害による体調不良が原因で不登校になっているお子さんは、栄養面の改善と身体の歪みを整える整体を併用することで、元気になり学校にも行けるようになるケースが多いです。
起立性調節障害は血圧や心拍数の調節に関わる自律神経の乱れによって引き起こされるため、栄養豊富な食事や適切な水分摂取による栄養面の改善が重要です。
また、整体によって身体の歪みを整えることで、血液の循環を改善し、自律神経のバランスを調整する効果が期待されます。
症状の改善には個人差がありますが、栄養面の改善と整体を併用することで、起立性調節障害による不登校の克服に効果的なアプローチとなるでしょう。
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