朝起き上がろうとした瞬間、突然天井がグルグルと回り出す――
そんな経験をしたことはありませんか?
「脳の病気かも」「このまま倒れてしまうのでは」と不安になる方も多いですが、そのめまい、実は“良性発作性頭位めまい症(BPPV)”かもしれません。
この症状は名前こそ難しそうに聞こえますが、命に関わるものではなく、適切に対処すれば比較的短期間で改善することも多いのです。
しかし、中には何度も繰り返して悩まれている方も…。
その原因のひとつに、体のゆがみや首の緊張、自律神経の乱れが関係している場合があります。
本記事では、良性発作性頭位めまい症の原因と症状、そして整体でのアプローチについて詳しくお伝えします。薬に頼るだけでなく、体の内側から整えるケアをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)とは?

~グルグルめまいの正体を知る~
突然、天井がグルグル回るような強いめまいに襲われたことはありませんか?
とくに朝起き上がろうとしたとき、寝返りを打ったとき、あるいは下を向いた瞬間に起こる回転性のめまい――それが「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」の典型的な症状です。
この章では、良性発作性頭位めまい症とは何か? どんな症状があり、何が原因なのか? そして、なぜ整体でのケアが注目されているのかを詳しくご紹介します。
良性発作性頭位めまい症とはどんな症状?
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、耳の奥にある「内耳」という平衡感覚をつかさどる器官に原因があります。BPPVの主な特徴は次の通りです:
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頭の位置を変えたときに突然「グルグルめまい」が起きる
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めまいは数秒から長くても1分以内におさまる
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吐き気を伴うこともあるが、耳鳴りや難聴はない
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症状が一時的に消えても、日を変えて再発することがある
このように、特定の姿勢や動作で誘発されるのが特徴です。なかには夜中に寝返りを打っただけで発症する方もおり、「突然の発作」で不安が増してしまう方が少なくありません。
原因は「耳石」の移動によるもの

良性発作性頭位めまい症の原因は、耳石(じせき)という小さな結晶が本来あるべき位置から剥がれ落ちてしまい、三半規管の中に入り込むことにあります。
三半規管は、頭の動きを感知してバランスを保つセンサーのような役割を持っています。ところが耳石が入り込むと、実際には動いていないのに「動いている」と誤信号を脳に送ってしまい、体が回転しているような強烈なグルグルめまいが起こるのです。
この耳石がなぜ剥がれ落ちるのかは完全には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています:
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加齢による内耳の変化
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首や頭への衝撃(転倒や交通事故など)
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長時間同じ姿勢で寝る・スマホ首・猫背などの習慣
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内耳の血流不全や自律神経の乱れ
つまり、「耳のトラブル」とはいえ、体全体の使い方や生活習慣とも深く関係している症状なのです。
命に関わる病気ではないが、放っておけない「日常の不安」
「良性」と名のつくとおり、命に関わるような重篤な病気ではありません。しかし、めまいの発作が起きると「またあのグルグルが来たらどうしよう」という不安が強くなり、外出や家事、仕事に支障をきたす方も多いです。
また、繰り返されることで自律神経が乱れやすくなり、頭痛・肩こり・倦怠感・不眠などの二次的な不調が現れることもあります。
このような状態になると、「薬だけではなかなか良くならない」「病院では異常なしと言われたが、まだ不安が残っている」と感じる方が、整体などの**代替療法に目を向けるようになるケースも増えています。
グルグルめまいと整体の関係とは?
整体では、良性発作性頭位めまい症に対して耳そのものに直接働きかけるのではなく、全身のバランス調整を通じて改善を目指すアプローチをとります。特に注目されるのが以下のポイントです:
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首や後頭部の筋肉の緊張緩和:首のこわばりは内耳への血流を妨げ、自律神経にも影響を与えます。
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姿勢・骨格の歪みの調整:猫背やストレートネックなど、頭部の位置がズレることで耳石が移動しやすくなると考えられます。
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自律神経の調整:ストレスによる自律神経の乱れもめまいを引き起こす原因になるため、優しい整体でリラックス状態をつくることが有効です。
整体はあくまでも補完的なケアですが、薬や病院治療で改善しきれなかっためまいが和らいだ、再発しにくくなったという声もあります。
一般的な対処法とその限界
~病院での治療だけでは不安が残る理由~
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、比較的診断がつきやすく、命に関わる病気ではないため、多くの方がまずは耳鼻科や脳神経外科などの病院を受診します。ここでは、医療機関で行われる代表的な対処法と、それでも改善しきれないケースの背景を整理してみましょう。
病院で行われる主な治療法
① エプリー法などの理学療法(耳石置換法)
医師によってもっとも一般的に行われるのが、「耳石置換法(エプリー法など)」というリハビリ的アプローチです。これは、頭の向きを段階的に変えることで、三半規管に入り込んでしまった耳石を元の位置(卵形嚢)に戻すための手技です。
数回の施術で改善することもありますが、患者さん自身で行うには少し複雑で、再発したときの不安や恐怖感から動作がうまくできない方も少なくありません。
② めまい止めや抗不安薬の処方
症状の強い方には、「めまい止め(トラベルミンなど)」や「抗不安薬、安定剤」が処方されることもあります。これらは一時的に症状を緩和する目的で使われますが、根本的な原因を解消するものではなく、再発を防ぐ効果は期待できないのが実情です。
③ 経過観察と言われて終わってしまうことも
病院では「そのうち治りますよ」「様子を見ましょう」と言われることも多く、めまいを繰り返す不安や、生活の支障に対する具体的な対策が乏しいと感じる方もいます。
一般的な対処の限界
病院では「身体全体の歪み」までは見てくれない
良性発作性頭位めまい症の根本的な背景には、首や肩の緊張、姿勢の悪さ、骨格のゆがみ、自律神経のアンバランスなどが関与している場合が少なくありません。しかし、病院の診察では内耳の異常が中心となり、それ以外の**「身体全体の状態」までは評価されないことがほとんど**です。
例えば、
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長時間スマホを見る生活習慣で首が常に前傾姿勢になっている(スマホ首)
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猫背により頭の位置がズレて内耳に負担がかかっている
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ストレスや不安によって交感神経が過剰に働いている
といったことが、めまいを起こしやすい状態を慢性的に作り出しているのです。
薬だけに頼ると、自分の回復力が弱まることも
薬でめまいを抑えようとすることは一時的な対処法として有効ですが、体の自然な回復力やバランス感覚を鍛える機会を失ってしまうこともあります。また、薬を手放せなくなり、精神的に「まためまいが来たらどうしよう」と不安を抱える方も多いのです。
再発の不安を減らすには「日々の体の状態」がカギ
良性発作性頭位めまい症は、一度治ってもしばらくしてから再発するケースが非常に多いことで知られています。再発を防ぐには、
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首・肩・背骨の柔軟性を高めること
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姿勢のゆがみを整えること
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ストレスを溜めにくくする体と心の状態を保つこと
がとても大切です。
こうした観点から、整体による全身調整や自然治癒力の向上が、BPPVの根本的な改善や再発予防につながる可能性があると注目されているのです。
整体によるアプローチと効果
~グルグルめまいを根本から改善する整体の力~
「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」と診断され、薬やリハビリで一時的に症状が和らいでも、「またあのグルグルめまいが来るのでは…」という不安を抱えたままの方は少なくありません。そんな中、近年注目されているのが整体による根本的なアプローチです。
ここでは、なぜ整体が良性発作性頭位めまい症の改善に役立つのか、当院での実際の施術方針や期待できる効果についてお伝えします。
なぜ整体が「良性発作性頭位めまい症」に効果的なのか?
首・肩・背骨の緊張が耳に影響する?
良性発作性頭位めまい症は、内耳にある耳石の移動によって起こるとされていますが、その背景には首・肩の筋肉の緊張や、頭の位置のズレがあることも少なくありません。
首の筋肉が硬くなると、血流やリンパの流れが滞り、内耳の機能が低下しやすくなります。また、頸椎の歪みがあると、脳や耳への情報伝達に影響を与え、バランス感覚が乱れる可能性もあります。
整体では、このような筋肉や骨格のゆがみを丁寧に整えることで、めまいの起きにくい体を作るお手伝いができます。
自律神経の調整が「グルグルめまい」の予防に
整体の大きな特徴の一つが、自律神経のバランスを整える施術ができるという点です。
めまいを引き起こす要因の一つに「自律神経の乱れ」があります。交感神経が優位になりすぎると、身体は常に緊張状態となり、耳や脳への血流が不安定になりやすくなります。
整体では、
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呼吸を深く導く施術
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背骨や骨盤の調整
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筋肉の緩和と神経の流れを促す手技
などを通じて、副交感神経が優位に働くリラックス状態へ導き、グルグルめまいの発作を起こしにくくするのです。
当院の整体施術の特徴
● 丁寧なカウンセリングで原因を見極める
当院では、単に「首が硬いから」「姿勢が悪いから」といった表面的な視点だけでなく、生活習慣、ストレスの状態、既往歴などを丁寧にヒアリングし、総合的な視点で原因を探っていきます。
● 優しい手技で首や頭部をケア
良性発作性頭位めまい症の方は、首の周囲に過剰な刺激を与えるとかえって症状が悪化することがあります。当院では、必要最小限の力で筋肉をゆるめる「ソフトな整体法」を採用し、首や頭のゆがみを優しく調整していきます。
● 自律神経の働きを整える操体法・呼吸法
グルグルめまいが強く出ている方には、無理な動きや体位変換を避けつつ、呼吸や操体法によって自律神経の安定を図る施術を行います。初回の施術後、「視界がすっきりした」「目の奥の重だるさが取れた」といった感想をいただくことも多いです。
再発を防ぐために「日々のメンテナンス」を
良性発作性頭位めまい症は、ストレスや睡眠不足、疲労が蓄積したタイミングで再発することが多いとされています。整体を通じて体のバランスを整えておくことで、再発のリスクを抑えると同時に、体の回復力を高めることができます。
施術だけでなく、セルフケアや姿勢指導、生活習慣の見直しもサポートいたします。
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