この度、多次元操体法をテーマとしたDVD制作プロジェクトが正式に動き始めました。

今年の秋、出版社より直接オファーをいただき、3ヶ月間にわたる綿密な打ち合わせを経て、無事に収録を終えることができました。

今回のオファーは、昨年出版した電子書籍

『人生が変わる整体術 体・心・魂を癒す多次元操体法実践ガイド』

を出版社の担当者が読んでくださったことがきっかけです。

電子書籍が新たな企画の種となり、そこから具体的な制作へと展開していく流れは、私自身にとっても非常に価値のある経験でした。

また、このご提案をいただいた日は、奇しくも私の操体法の師匠である今昭宏先生の訃報が届いた日とも重なっていました。深い悲しみの中で受け取ったメールでしたが、「操体法を次の世代に届ける」という大きな使命を改めて意識するきっかけとなり、プロジェクトへの参加を決断する後押しとなりました。

以降、出版社との打ち合わせでは、

・多次元操体法の特徴をどのように体系立てて伝えるか

・映像ならではの強みを最大限活かす方法

・実技パートの構成や見せ方

など、視聴者が実践しやすく理解しやすい内容となるよう、細部まで検討を重ねました。

撮影当日は、出版社の担当者・カメラマン・音声スタッフの皆様に来院いただき、スムーズかつ専門的な環境で収録が進行しました。ここでは、そのプロジェクトの背景や撮影当日の様子を詳しくご紹介したいと思います。

■ 電子書籍が新たな可能性を拓いた

2023年に出版した電子書籍

『人生が変わる整体術 体・心・魂を癒す多次元操体法実践ガイド』

この本を通じて、私が長年取り組んできた多次元操体法の理念や実践法が、多くの方に届きました。

その中で、ある出版社の担当者様が電子書籍を読んでくださり、

「この内容を映像として残し、より広く届けたい」

という思いから、秋頃にDVD制作のオファーをいただきました。

文章という静的なメディアから、動きや空気感まで伝えられる映像という動的なメディアへ。

この変化は、多次元操体法を実践する方にとって、理解をより深める大きな助けになるはずだと感じました。

■ 師の急逝と、同じ日に届いたオファー

今回のプロジェクトには、忘れられない特別な背景があります。

出版社からのメールが届いたその日、私は操体法の師である今昭宏先生の急逝という知らせを受け取りました。

深い悲しみに包まれながらも、そのメールを読んだ瞬間、胸の奥から静かに湧きあがる感情がありました。

「これは師匠からの最後のメッセージなのではないか」

「学んだことを次世代につなぐ時期が来たのではないか」

普段であれば、時間的にも責任的にも大きなプロジェクトはお受けしないことも多いのですが、この巡り合わせを“ただの偶然”として片づけることはできませんでした。

こうした背景から、私はこの企画に参加することを決意しました。

■ 3ヶ月にわたる打ち合わせ──構成づくりは試行錯誤の連続

オファーを受けてからは、出版社の担当者様と複数回の打ち合わせを行い、約3ヶ月かけて内容の構成を練り上げました。

  • 多次元操体法の基礎理論をどう伝えるか

  • 初心者が理解しやすく、実践しやすい流れはどのような構成か

  • 実技パートではどの技法を取り上げるか

  • 映像としての見え方や伝わり方はどうか

など、細部まで丁寧に検討を重ねました。

特に、多次元操体法の「体・心・エネルギーが連動する」という本質は、単純なマニュアルでは伝えきれません。

そこで、解説パートと実技パートをバランスよく組み合わせ、知識と実践が自然につながる構成を目指しました。

■ 撮影当日──プロのスタッフに支えられたスムーズな収録

撮影当日には、

  • 出版社の担当者様

  • カメラマン

  • 音声スタッフ

    の専門スタッフの皆様が当院に来院し、本格的な撮影環境が整えられました。

● 解説パートの撮影

まずは、多次元操体法の成り立ちや考え方、施術の基本原則などを詳しくお話ししました。

撮影スタッフの皆様が的確なディレクションをしてくださったおかげで、落ち着いて伝えることができました。

● 実技ポイント解説

実技をわかりやすく伝えるため、動きのポイントや触れ方の意図、術者と受け手の関係性など、細かい部分まで丁寧に説明しました。

● 実技パート

実技パートのモデルには、長年当院に通ってくださっているクライアント様にお願いしました。

操体法は術者だけでなく、受け手の感覚の質が施術の深さに直結します。

長く操体法に触れてこられたモデルの方は、感覚のとらえ方が非常に豊かで、動きや反応も自然で美しく、見ていても学びになる内容となりました。

検査前後の変化も明確に映像として残すことができ、施術の本質が視覚的にもよく伝わる仕上がりになったと感じています。

■ 緊張の中でも安心して臨めた撮影

正直に言うと、私はカメラの前に立つことに慣れていないため、最初は緊張がありました。

しかし、スタッフの皆様の丁寧な進行と、信頼しているクライアント様の存在が安心感をもたらし、途中からは自然体で撮影に臨むことができました。

**「良いものをつくりたい」**という現場全体の空気に支えられ、とても満足のいく内容を収録できたと思います。

■ これから編集作業へ──発売は2026年4月予定

撮影を終えた今、これからは編集作業に入ります。

映像としてさらにわかりやすく、より多くの方に実践していただける内容に仕上がるよう、引き続きやり取りを進めてまいります。

DVDの発売は2026年4月頃を予定しています。

完成版がどのような形になるのか、私自身も楽しみでなりません。

■ おわりに

今回のプロジェクトは、偶然のようでありながら、必然とも思える不思議なご縁が重なって生まれたものでした。

師匠から受け継いだ操体法を、次の世代へ、そしてより広い世界へ届けるための大切な一歩になると感じています。

また進捗がありましたら、随時皆様にご報告させていただきます。

完成をどうぞ楽しみにお待ちください。