自律神経失調症やうつ病や社会不安障害などの病気の症状として、息苦しさや不安感を訴える人がいます。
息苦しいと言っても実際に呼吸器の疾患があるわけではありません。
呼吸がしづらい感じがあり、同時に不安感も生じるのです。

この記事では呼吸器系の病気がないのに息苦しさを感じる理由と、整体のアプローチについて解説します。

息苦しさと病気の関係

社会不安障害、うつ、自律神経失調症と、息苦しさの関係について解説します。

社会不安障害(SAD)

社会不安障害は、社交場面や公共の場などで恐怖や不安を感じるのが特徴です。
身体的な症状としては、心拍数の上昇、手の震え、発汗、息切れ、または息苦しさが報告されることがあります。
不安が高まると、交感神経が活性化され、呼吸が速くなったり浅くなったりすることがあります。

うつ病

うつ病は、気分の低下や興味や喜びの喪失などの症状がありますが、身体的な症状も存在します。
その中には、息苦しさや胸の圧迫感が含まれることがあります。
うつ病においては、身体的な症状と心理的な症状が相互に影響し合い、それが呼吸にも影響を及ぼす可能性があります。

自律神経失調症

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、さまざまな身体的な症状が引き起こされる疾患です。
呼吸を制御するために副交感神経が働くことがありますが、このバランスが崩れると、呼吸のパターンが変化し、浅くなったり速くなったりすることがあります。
また、不安やストレスが呼吸を制御する神経への影響を強化することもあります。

これらの症状は、患者の個々の状況や身体的反応によって異なる場合があります。
患者の症状を包括的に評価し、適切な治療計画を立てることが重要です。
心理的な治療や薬物療法、または身体活動や呼吸法などのリラクゼーション技術が有効な場合があります。

当院が考える息苦しさの原因

当院が考える息苦しさを引き起こす原因について解説します。

横隔膜の緊張

横隔膜は、呼吸を制御する重要な筋肉です。
通常、吸気の際に横隔膜は収縮し、胸腔を広げることで肺に空気を吸入します。
その後、横隔膜が緩むことで肺が収縮し、空気が排出されます。

しかし、横隔膜が緊張している場合、呼吸がうまく機能しなくなり、息苦しさを感じることがあります。

横隔膜が緊張する主な理由の一つはストレスや不安です。
ストレスや不安が高まると、身体は交感神経系が活性化し、交感神経系が緊張します。
これにより、横隔膜が過剰に緊張し、呼吸が浅くなったり、呼吸が制御しにくくなったりすることがあります。

また、横隔膜の緊張は、慢性的な姿勢の問題や筋肉の不均衡などの身体的な要因によっても引き起こされる場合があります。
例えば、長時間同じ姿勢で過ごしたり、筋肉が弱くなったり緊張しすぎたりすることで、横隔膜が過度に緊張してしまうことがあります。

したがって、横隔膜の緊張が呼吸の自然なリズムを妨げ、息苦しさを引き起こす可能性があります。
適切な姿勢の維持やストレッチ、リラクゼーション法などを取り入れて横隔膜をリラックスさせることは、呼吸の改善に役立ちます。

胸郭及びその周辺の筋膜の緊張

胸郭やその周辺の筋膜が緊張すると、息苦しさを感じる理由はいくつかあります。

呼吸筋の制限

胸郭やその周囲の筋肉や筋膜が緊張すると、呼吸筋の動きが制限されることがあります。
特に、胸郭を覆う筋肉や間隙筋(肋間筋)が緊張すると、胸郭の拡張が妨げられ、呼吸が浅くなります。
その結果、十分な空気を吸入できず、息苦しさが生じる可能性があります。

呼吸運動の制限

呼吸運動は、横隔膜や肋骨、胸郭の他の部分など、多くの筋肉や組織が関与しています。
これらの筋肉や組織が緊張すると、呼吸の自然な動きが制限され、呼吸が浅くなったり、不規則になったりすることがあります。
その結果、十分な酸素を取り込めず、息苦しさを感じる可能性があります。

自律神経のアンバランス

自律神経のアンバランスが息苦しさを引き起こす理由は、いくつかの要因によります。

交感神経の過活性

自律神経系は交感神経と副交感神経から構成されています。
交感神経は「戦うか逃げるか」の反応を促進し、ストレス時や緊急時に活性化されます。

このとき、交感神経の活性化によって心拍数や血圧が上昇し、筋肉が緊張します。
胸郭や横隔膜の筋肉が過剰に緊張すると、呼吸が浅くなり、息苦しさを感じることがあります。

副交感神経の低下

一方、副交感神経はリラックスや休息状態を促進します。
副交感神経の活性が低下すると、交感神経が優位になり、身体がストレス反応に陥ります。
このような状況下では、呼吸が浅くなり、息苦しさが生じる可能性があります。

呼吸制御への影響

自律神経系は呼吸を調節する重要な役割を果たしています。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、呼吸パターンが不規則になり、呼吸が浅くなったり速くなったりすることがあります。
このような状況では、十分な酸素を取り込めず、息苦しさを感じることがあります。

不安やストレスの影響

自律神経のアンバランスは、不安やストレスと密接に関連しています。
不安やストレスが高まると、交感神経が活性化され、副交感神経が抑制される傾向があります。
その結果、身体的な緊張が増し、呼吸が浅くなり、息苦しさが生じる可能性があります。

息苦しさを改善する自律神経の整体

当院では息苦しさを改善する整体施術を行っています。
息苦しさを改善する為に大切にしているポイントを解説します。

横隔膜の緊張を解放する

施術

横隔膜は呼吸を制御する重要な筋肉であり、緊張が生じると呼吸が浅くなり、息苦しさを引き起こすします。
整体セッションでは、横隔膜周辺の筋肉や組織を緩める手技が用いられます。

整体の手技によって、横隔膜周辺の筋肉や組織の緊張が解消され、血流が促進されます。
また、ストレッチを行うことで横隔膜の柔軟性が高まり、呼吸が深くなります。

さらに、正しい呼吸法の指導もいたします。
正しい呼吸により横隔膜の動きが改善され、深くリラックスした呼吸がしやすくなります。

これらの施術によって、横隔膜の緊張が緩和され、呼吸が楽になります。

胸郭の緊張を解放する

施術

整体で胸郭周辺の緊張を解放し、呼吸の制限を取り除くことで息苦しさを改善する効果が期待できます。
胸郭周辺の筋肉や組織の緊張を緩和し、胸郭の動きや柔軟性を改善することが重要です。

整体の手技によって、胸郭周辺の筋肉や組織が緩和され、血流が促進されます。
緊張が解消され、胸郭の動きがスムーズになります。

また、胸郭の柔軟性が向上し、呼吸の制限が緩和されます。
さらに、呼吸法の指導によって、正しい呼吸パターンを身につけることで、呼吸が深くなり、息苦しさが軽減されるでしょう。

自律神経の機能不全を修正する

頭の施術

自律神経のアンバランスを調整することは、息苦しさを改善するための重要な手段です。
自律神経は交感神経と副交感神経から成り、ストレス時には交感神経が優位になり、緊張や不安を引き起こします。
この状態が持続すると、呼吸が浅くなり、息苦しさが生じます。

整体の施術で自律神経のバランスを整えることで、副交感神経が優位になり身体がリラックスし、息苦しさが軽減され、呼吸が楽になります。

自律神経のアンバランスを調整することは、身体と心のバランスを取り戻し、呼吸機能を正常化するために有効な方法です。

分子栄養学に基づく食事改善指導

分子栄養学による食事改善指導と整体を併用することで、自律神経のバランスを整え、息苦しさを根本的に改善することが期待できます。
分子栄養学では、個々の栄養状態や代謝プロセスを分子レベルで理解し、栄養素の適切な摂取を通じて身体の調和を促進します。

特定の栄養素や食品が自律神経に与える影響を理解し、バランスの取れた食事プランを提供することで、自律神経のバランスを整えます。

一方、整体では横隔膜や胸郭周辺の筋肉や組織の緊張を緩め、呼吸の制限を解消します。
これにより、呼吸が深くなり、息苦しさが改善されます。

食事指導と整体を組み合わせることで、身体の内側と外側からアプローチし、息苦しさの根本的な原因に対処します。
栄養バランスの取れた食事は身体の機能をサポートし、整体による施術は筋肉や組織の緊張を緩和し、自然な呼吸を促進します。

 

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