「朝、起き上がるのがつらい」「立ち上がるとめまいやふらつきがする」「日中も頭がボーッとして集中できない」――そんな不調が続いていませんか?
これらの症状は「起立性調節障害(OD)」と呼ばれる自律神経の不調が関係しているかもしれません。
起立性調節障害というと、思春期の子どもに多いイメージがありますが、実は大人にも増えているのをご存知でしょうか?
ストレスの多い現代社会において、自律神経のバランスが乱れやすく、慢性的な疲労や不定愁訴を訴える方が後を絶ちません。病院で検査をしても「異常なし」と言われ、対処法がわからず悩んでいる方も少なくないのです。
そんな大人の起立性調節障害に対して、整体というアプローチが効果を発揮することがあります。
本記事では、整体による自律神経への働きかけや、実際の改善例、セルフケアの方法について詳しくご紹介していきます。
起立性調節障害の症状と特徴【大人編】
大人の起立性調節障害とは?
「起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation)」とは、自律神経の働きが乱れることによって、立ち上がったときに血圧や心拍数の調整がうまくいかなくなる症状のことを指します。
思春期の子どもに多く見られる疾患として知られていますが、最近では大人にも同様の症状が現れるケースが増えています。
特に、仕事や家事、育児などで日々のストレスが蓄積している大人は、自律神経が過度に緊張状態となり、体の恒常性(バランス)が崩れやすくなります。整体によるアプローチが注目されているのは、こうした自律神経の乱れを自然なかたちで整える方法として有効だからです。
【代表的な症状】大人に現れる起立性調節障害のサイン
大人の起立性調節障害では、以下のような症状が現れることが多くあります:
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起床時の強いだるさ・倦怠感
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立ち上がったときの立ちくらみ、ふらつき
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頭痛、吐き気、動悸(ドキドキする)
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午前中の集中力低下、思考力の低下
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午後になると比較的体調が回復する傾向
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夜の寝つきが悪く、睡眠の質が低下する
これらの症状は慢性的な疲労やうつ状態と間違えられることもあり、正しく対処されないまま放置されるケースも少なくありません。
子どもとは異なる?大人の起立性調節障害の特徴
● 自覚症状があいまいで気づきにくい
大人は多忙な生活を送っているため、「疲れがたまっているだけ」「ストレスのせい」と考えて我慢してしまう傾向があります。そのため、症状が慢性化しやすいのが特徴です。
● ストレスとの関係が強い
仕事や家庭、人間関係など、大人は多くのストレス要因にさらされています。交感神経が過剰に働きすぎることで、副交感神経とのバランスが崩れやすくなり、体がリラックスできない状態が続くことも。
● 薬では根本改善が難しい場合も
一時的に症状を緩和するための薬を使っても、根本原因である自律神経の乱れや生活習慣の問題にアプローチしない限り、根本改善は難しいと言われています。
大人の起立性調節障害と整体の関係
整体では、背骨や骨盤のゆがみ、筋肉の過緊張を調整することで、自律神経の働きを整えることが可能です。
体の中心である背骨には、自律神経が通る重要な神経経路が集まっています。そこに歪みや緊張が生じていると、神経の伝達がスムーズに行われず、起立性調節障害のような不調につながりやすくなるのです。
整体によるやさしい調整によって、血流や神経の働きがスムーズになり、体本来の「調節力」を取り戻すことが期待できます。
大人の起立性調節障害の主な原因とは?
大人の起立性調節障害は、単に身体の問題というよりも、生活習慣や心身のストレス、体のゆがみなどが複雑に絡み合って起こる自律神経の不調です。ここでは、整体の視点からも関連の深い代表的な原因を解説します。
1. 慢性的なストレスと心身の緊張
現代社会において、大人は日常的にさまざまなストレスにさらされています。仕事や人間関係、家族のことなどが重なり、自律神経が過緊張状態になりやすくなります。
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ストレスが続くと交感神経が優位に
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リラックスする副交感神経が働かなくなる
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体の調節機能がうまく働かなくなる
このような状態が続くと、起き上がれない・めまい・集中力低下といった「大人の起立性調節障害」の典型的な症状が現れやすくなります。
2. 睡眠不足・不規則な生活リズム
不規則な睡眠や夜型の生活は、自律神経のリズムを大きく狂わせます。
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就寝・起床時間が毎日バラバラ
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寝ても疲れが取れない
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深い眠りに入れない
これにより、自律神経の交代(昼は活動、夜は休息)の切り替えがうまくいかず、朝がとてもつらく感じるなど、大人特有の起立性調節障害の症状が悪化しやすくなります。
3. 姿勢の乱れ・骨格のゆがみ(整体の視点)
デスクワークやスマホ操作の時間が長い大人は、猫背やストレートネック、骨盤の傾きなど、身体に歪みが生じやすいのが特徴です。
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背骨のゆがみが神経系に影響を与える
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呼吸が浅くなり、全身の循環が低下
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自律神経の働きが乱れる
整体ではこうした姿勢や骨格のアンバランスを整えることで、自律神経への圧迫や負担を減らし、起立性調節障害の改善を目指すことができます。
4. 栄養の偏りと内臓疲労
大人になると、ついつい食事がおろそかになりがちです。糖質の過剰摂取やタンパク質・ビタミン不足は、自律神経を安定させるための栄養が足りなくなる原因に。
また、栄養が偏ることで胃腸や肝臓などの内臓も疲れ、これも自律神経の乱れにつながります。整体では、内臓の反射や呼吸、腹部の緊張にも注目しながら調整を行う施術法もあります。
5. 運動不足・血行不良
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デスクワーク中心の生活
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歩く機会が極端に少ない
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体を動かす習慣がない
こうした状態が続くと、筋肉のポンプ作用が低下し、血行不良を引き起こします。結果として、脳や内臓への酸素・栄養の供給が滞り、自律神経が乱れやすくなるのです。整体では筋肉の緊張を緩め、血流を促す施術が、自律神経の安定にも寄与します。
大人の起立性調節障害への整体アプローチとは?
〜大人の起立性調節障害をやさしく整える自然療法〜
「薬に頼らずに体質から整えたい」「根本から改善したい」──そんな大人の起立性調節障害に対して、整体は副作用のない自然なアプローチとして注目されています。ここでは、整体だからこそできる改善のポイントをご紹介します。
1. 自律神経を整えるための全身調整
整体では、単に肩こりや腰痛だけでなく、体のバランスや神経の流れに注目します。
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頭蓋骨や背骨、骨盤の歪みを調整
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呼吸の深さや内臓の動きまで整える
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自律神経の通り道をスムーズにする
こうした施術によって、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいきやすい体内環境をつくっていきます。
2. 呼吸と姿勢を改善し、神経をリラックスさせる
多くの大人は、ストレスや長時間のデスクワークによって呼吸が浅く、姿勢が前かがみになっています。
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猫背やストレートネックの改善
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横隔膜や肋骨の動きを回復
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深い呼吸を促し、副交感神経を優位に
整体では、呼吸のしやすさも重視することで、心身が自然にリラックスできる状態をサポートします。
3. 頭部・首まわりへのやさしいアプローチ
起立性調節障害の症状には「めまい」「ふらつき」「頭の重さ」などが多く見られます。これらは、脳への血流や神経の圧迫と関係していることが多いため、整体では以下のような施術を行います。
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頭蓋骨の微調整(頭蓋調整)
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頸椎(首の骨)の調整
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後頭部〜首まわりの筋緊張をゆるめる
やさしいタッチの施術で神経の流れを整え、頭がスッキリする感覚を取り戻すことが可能です。
4. 内臓の働きを整える整体技法
意外に思われるかもしれませんが、整体では内臓にも働きかける施術を行うことがあります。
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胃腸や腎臓、肝臓などの位置や動きを調整
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お腹の緊張をゆるめ、自律神経に刺激
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内臓の疲れを取ることで心身が回復しやすくなる
特に内臓の疲れは「朝起きられない」「疲れが抜けない」など、大人の起立性調節障害の根底に関係しているため、アプローチする価値があります。
5. 施術後のセルフケアと生活アドバイス
整体はその場での施術だけでなく、日常生活でのセルフケアや姿勢指導も重視します。
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起立性調節障害に適した呼吸法や体操
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食事・睡眠リズム・ストレス対策のアドバイス
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「自分で整える力=自然治癒力」を高めるサポート
このように、施術+生活指導の両面からサポートすることで、持続的な改善が見込めます。
整体は「原因にアプローチするケア」
大人の起立性調節障害は、薬だけではなかなか改善しにくい複雑な不調です。
しかし整体は、**自律神経のバランスを整える「根本的なアプローチ」**として、とても有効です。
「ただの不調」とあきらめる前に、体の声をやさしく聴き、整えていく整体という選択肢をぜひ検討してみてください。
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