
長年続く胃腸の不調や過敏性腸症候群に悩み、病院に通っているものの、なかなか改善を感じられない――。
そのような方は、決して少なくありません。
さらに、胃腸の症状だけでなく、動悸・耳鳴り・不安感・不眠といった不調が重なり、「自律神経の乱れではないか」と感じている方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、幼少期から胃腸が弱く、7〜8年前から症状が悪化した50代主婦の方の整体症例です。
病院では過敏性腸症候群と診断され通院されていましたが、胃腸障害に加えて、動悸や強い不安感、不眠といった症状にも悩まされていました。
「お子さんの卒業式に、体調を崩さず安心して参加したい」
その想いをきっかけに、当院へご相談くださいました。
当院では、胃腸だけを部分的に整えるのではなく、自律神経のバランス、身体の緊張、血糖値の安定、心の状態まで含めた総合的な整体を行っています。
施術に加えて、栄養面のアドバイスやセルフケアも取り入れながら、根本改善を目指してサポートしています。
本記事では、過敏性腸症候群や慢性的な胃腸トラブルに対して、整体でどのような変化が起きているのかを、実際の症例をもとに詳しくご紹介します。
ご来院時の状態|過敏性腸症候群と自律神経の不調

今回ご来院されたのは、50代の主婦の方です。
幼少期から胃腸が弱く、もともとお腹を壊しやすい体質だったそうですが、7〜8年前から胃腸の不調が明らかに悪化していきました。
病院では過敏性腸症候群と診断され、通院しながら治療を続けていましたが、腹部の不快感や下痢・便通の不安定さはなかなか改善せず、日常生活にも支障を感じるようになっていました。
胃腸の不調だけでなく現れていた症状
胃腸障害に加えて、次のような不調も重なっていました。
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動悸が突然起こる
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耳鳴りが気になる
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理由のはっきりしない不安感
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夜に眠れない、眠りが浅いといった不眠
これらの症状は、自律神経の乱れと深く関係しているケースが多く、特に過敏性腸症候群の方に併発しやすい特徴でもあります。
ご本人も「お腹だけの問題ではない気がする」と感じておられました。
「卒業式までに体調を整えたい」という明確な目標
もう一つ印象的だったのは、
「お子さんの卒業式に、体調の不安なく参加したい」
という強いお気持ちでした。
体調への不安が常に頭にあり、外出や行事のたびに緊張してしまう状態が続いていたため、
「このままでは当日を安心して迎えられないのではないか」
という不安も抱えておられました。
当院では、このようなケースに対して、症状だけを見るのではなく、身体・自律神経・生活習慣・心の状態を総合的に捉えた整体を行っています。
不調の背景|過敏性腸症候群を引き起こしていた根本要因

過敏性腸症候群や慢性的な胃腸の不調は、「腸だけの問題」と思われがちですが、実際には複数の要因が重なって起こっているケースがほとんどです。
今回の50代女性の症例でも、いくつかの重要なポイントが見えてきました。
自律神経の乱れと胃腸機能の低下
胃腸は自律神経の影響を強く受ける臓器です。
長年の緊張やストレス、不安感が続くことで、交感神経が優位な状態が慢性化し、胃腸の動きや消化吸収力が低下していました。
その結果、
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胃腸の違和感が常に気になる
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便通が安定しない
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些細なことでお腹の調子が崩れる
といった、過敏性腸症候群特有の症状が強く出ている状態でした。
また、動悸や耳鳴り、不眠といった症状も、自律神経の乱れが関係していると考えられます。
血糖値の不安定さが不安感を強めていた
カウンセリングを進める中で、血糖値の乱れも大きな要因の一つであると判断しました。
血糖値が急激に上下すると、
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強い不安感
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動悸
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集中力の低下
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疲労感
などが起こりやすくなります。
特に胃腸が弱い方は、食事の影響を受けやすく、知らないうちに血糖値が不安定になりやすい傾向があります。
この状態が続くことで、自律神経にもさらに負担がかかっていました。
横隔膜と内臓周辺の強い緊張
身体のチェックでは、横隔膜やお腹周りの緊張が非常に強く見られました。
横隔膜が硬くなると呼吸が浅くなり、自律神経が乱れやすくなります。
また、内臓が緊張した状態では、胃腸の働きも十分に発揮されません。
「深く呼吸ができない」「常にお腹に力が入っている感じがする」という感覚も、ご本人は自覚されていました。
幼少期から続く自己否定の思考パターン
さらに大切なポイントとして、自己否定が強い思考のクセがありました。
「自分が悪いのではないか」「無理をしてでも頑張らなければならない」
そうした思考が無意識のうちに続くと、身体は常に緊張状態になります。
過敏性腸症候群や自律神経の不調は、心と身体が長期間にわたって我慢してきたサインとして現れることも少なくありません。
これらの要因を踏まえ、当院では
施術だけに頼らず、身体・栄養・セルフケア・メンタル面を含めた総合的なアプローチが必要だと判断しました。
施術内容|多次元操体法による整体アプローチ

当院では、過敏性腸症候群や慢性的な胃腸の不調に対して、症状が出ている部分だけを直接刺激する施術は行っていません。
今回の50代女性の症例でも、身体全体のバランスと自律神経の状態を重視し、多次元操体法による整体を行いました。
身体に負担をかけない優しい整体施術
多次元操体法は、身体が自然に「楽」と感じる方向へ導くことで、緊張を解き、回復力を引き出す整体法です。
強い力で押したり、無理に矯正したりすることはありません。
この方の場合、
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お腹や内臓に直接負担をかけないこと
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安心感を得られる施術であること
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自律神経が自然に整う状態をつくること
を特に大切にしました。
施術中には、呼吸が徐々に深くなり、身体全体がゆるんでいく反応が見られました。
施術後には「お腹の奥が温かい」「力が抜けて楽になった」といった感想もありました。
横隔膜・呼吸へのアプローチ
過敏性腸症候群や動悸、不安感を抱えている方は、横隔膜の緊張が強いケースが非常に多く見られます。
横隔膜は呼吸と内臓、自律神経のバランスに深く関わっています。
施術では、
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横隔膜の動きを妨げている全身の緊張を解く
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呼吸が自然に深くなるよう誘導する
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内臓がリラックスできる環境を整える
といった点を意識しました。
呼吸が深まることで、副交感神経が働きやすくなり、胃腸の動きや睡眠の質にも良い影響が期待できます。
自律神経を整える全身調整
動悸や耳鳴り、不眠といった症状は、自律神経の乱れと密接に関係しています。
そのため、局所ではなく全身のバランスを整える施術を行いました。
多次元操体法による整体では、
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身体の歪みや左右差を整える
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無意識に入っている力みを抜く
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心身が安心できる状態をつくる
ことで、自律神経が本来のリズムを取り戻しやすくなります。
施術と併せて行った栄養・セルフケアのサポート

過敏性腸症候群や慢性的な胃腸の不調を根本から改善していくためには、整体施術だけでなく、日常生活で身体に負担をかけない工夫がとても重要になります。
今回の50代女性の症例でも、施術と並行して、無理のない範囲で生活面のサポートを行いました。
血糖値を安定させるための栄養アドバイス
不安感や動悸が強い方の多くに共通しているのが、血糖値の乱れです。
血糖値が急激に上下すると、自律神経が刺激され、胃腸の不調や不安感が出やすくなります。
そのため、
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食事の間隔が空きすぎないようにする
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急激に血糖値を上げやすい食習慣を見直す
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胃腸に負担をかけにくい食べ方を意識する
といった基本的なポイントをお伝えしました。
難しい制限は行わず、「続けられること」を重視しながら、血糖値が安定しやすい食生活を実践していただいています。
胃腸を冷やさないためのお腹ケア
胃腸が弱い方は、お腹が冷えているケースが多く見られます。
冷えは胃腸の働きを低下させ、自律神経の乱れにもつながります。
そこで、
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お腹にカイロを貼って温める
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冷房や薄着に注意する
といった、シンプルですが効果的なケアを取り入れていただきました。
お腹を温めることで、「お腹が落ち着く」「安心感がある」と感じる方も多く、心身の緊張を緩める助けになります。
横隔膜リリースのセルフケア
呼吸が浅くなりやすい状態が続いていたため、横隔膜をゆるめるセルフケアもお伝えしました。
強く押したり無理に行うのではなく、呼吸に合わせて優しく行う方法です。
このセルフケアを続けることで、
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呼吸が深くなりやすくなる
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お腹や胸の緊張が和らぐ
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不安感が出にくくなる
といった変化が期待できます。
自己否定を和らげるメンタルケアの視点
カウンセリングの中で、自己否定が強い傾向があることも分かりました。
常に自分を責める思考は、無意識のうちに身体を緊張させ、胃腸や自律神経に負担をかけてしまいます。
そのため、
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「頑張りすぎている自分」に気づくこと
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不調を責めず、身体のサインとして受け止めること
といった視点もお伝えしています。
施術・栄養・セルフケア・心のケアを組み合わせることで、回復しやすい土台づくりを進めていきました。
改善の経過|過敏性腸症候群と不安症状の変化

多次元操体法による整体施術と、栄養・セルフケア・メンタル面のサポートを継続する中で、少しずつではありますが、確かな変化が現れてきました。
長年続いていた過敏性腸症候群や胃腸の不調は、急激に変化するものではありませんが、身体の反応は正直です。
胃腸症状が徐々に安定してきた
施術を重ねるごとに、
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お腹の違和感が出る頻度が減ってきた
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食後の不快感が以前より軽くなった
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便通の乱れが落ち着いてきた
といった変化が見られるようになりました。
特に、「常にお腹のことが気になっていた状態」から、「気にならない時間が増えてきた」という変化は、ご本人にとって大きな安心材料となっています。
動悸・不安感・不眠の軽減
胃腸症状の安定とともに、
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突然起こる動悸が出にくくなった
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理由の分からない不安感が和らいできた
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夜に眠れない日が減り、睡眠の質が向上した
といった、自律神経に関係する症状にも変化が現れてきました。
呼吸が深くなり、身体の緊張が抜けてくることで、心の落ち着きも取り戻しやすくなっている様子がうかがえます。
「体調への不安」が軽くなってきたこと
何より印象的だったのは、
「体調がどうなるか分からない」という不安そのものが軽くなってきたという点です。
不調が完全になくなっていなくても、
「対処できる」「整えていけば大丈夫」
という感覚が持てるようになることで、心身の負担は大きく減ります。

