強迫性障害(OCD)は、日常生活に深刻な影響を与える精神的な問題であり、本人にとっては日々の苦痛と不安がつきまとうものです。
この障害は、しばしば特定の思考や行動が繰り返し現れ、患者の生活の質を著しく低下させることがあります。
本記事では、強迫性障害の整体改善例を紹介します。

整体の施術、栄養療法、メンタルケアを併用して良い効果が得られました。
現在お悩みの方の参考になれば幸いです。

強迫性障害とは?

強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder、OCD)は精神障害の一つです。
特定の思考(強迫観念)や行動(強迫行動)が繰り返し現れ、個人の日常生活に支障をきたすことがあります。

強迫観念とは、強い不安や不快感を引き起こす、しつこい・不適切な思い込みやイメージのことを指し、強迫行動はその不安を和らげるために行われる習慣的な行動です。
例えば、手を何度も洗う、物を確認し直す、あるいは特定の順番で物事を行うなどが挙げられます。

強迫性障害は、個人の日常生活に大きな影響を及ぼすことがあり、治療が必要とされることが一般的です。
治療方法には、認知行動療法や薬物療法などがあります。

強迫性障害の症状

強迫性障害(OCD)の症状は、主に以下のようなものが挙げられます。
ただし、個人によって症状の種類や強度は異なる場合があります。

  1. 強迫観念

    • 繰り返し現れる不安や不快な思い込みやイメージ。
    • 汚染恐怖:細菌やウイルスに対する恐れ、手や物を汚してしまったという不安。
    • 安全・防御恐怖:自分や大切な人が危険にさらされるという恐れ。
    • 故意的な行為への恐怖:意図的に他人に害を加える、自分や他人にとって恥ずべき行為をするという恐れ。
  2. 強迫行動

    • 強迫観念から生じる不安を和らげるために繰り返される行動や儀式。
    • 手洗いや清掃:特定の汚れや細菌から身を守るために繰り返し手を洗ったり、物を清潔にする行為。
    • 物を確認する:何度も同じことを確認する、ドアが施錠されているかやストーブが消えているかを確認するなど。
    • 数える:特定の物や行動を何度も数える。
    • 特定の順番で行動する:特定の行動を特定の順番で行わなければならないという強迫観念がある場合、その順番に従うこと。
  3. その他の症状

    • 繰り返し行うことによる時間やエネルギーの消費。
    • 強迫観念や行動に対する抑制や抵抗が困難であること。
    • 強迫観念や行動が日常生活や社会的な機能に影響を与えること。

強迫性障害の原因

強迫性障害(OCD)の原因は、単一の要因ではなく、複数の要因が組み合わさって発症することが考えられます。
一般的な考えられる要因には以下のものがあります。

遺伝的要因

遺伝的素因が強迫性障害の発症に関与している可能性があります。遺伝的に関連する特定の遺伝子が同定されており、家族内で強迫性障害が複数の人々に現れることがあることから、遺伝的な影響が考えられます。

神経化学的要因

脳内の神経伝達物質の異常が強迫性障害の発症に関連している可能性があります。特にセロトニンという神経伝達物質の異常が関連していると考えられています。

生物学的要因

脳の特定の部位や回路の異常が強迫性障害に関与していると考えられます。特に、前頭前野や線条体などの脳の領域が関連しているとされています。

環境的要因

ストレスやトラウマ、家庭環境の変化などのストレス要因が強迫性障害の発症や悪化に関与している可能性があります。特に、子供の頃にトラウマやストレスを経験した人が強迫性障害を発症するリスクが高いとされています。

これらの要因が組み合わさることで、強迫性障害が発症すると考えられていますが、まだ完全に理解されているわけではありません。
多くの場合、強迫性障害は複数の要因が相互に作用して発症すると考えられています。

医学的な治療法

強迫性障害の治療法には以下のようなものがあります。

認知行動療法

認知行動療法は、強迫観念や強迫行動に対処するための効果的な治療法の一つです。
この治療法では、患者が自分の思考パターンや行動パターンを認識し、それらを変えるための具体的な戦略を学びます。

特に、曝露と反応妨害(ERP)と呼ばれる技法がよく使われます。
これは、恐れられている対象や状況に故意に直面し、強迫観念や不安を和らげるための強迫行動を行わないようにするトレーニングです。

薬物療法

セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やトリプタノールなどの抗うつ薬が、強迫性障害の治療に使用されることがあります。
これらの薬物は、脳内のセロトニンレベルを調整することで強迫観念や強迫行動を軽減する効果があります。
また、抗不安薬や抗精神病薬も併用される場合があります。

強迫性障害に対する整体・生活改善

強迫性障害は、「こうしなければならない」「間違えてはいけない」といった強い思い込みや不安から、確認行為や不安な思考にとらわれやすくなる状態です。日常生活に支障が出るほど不安が膨らみ、本人にとって大きな負担となります。

整体院では、こうした症状を直接「治す」わけではありませんが、心身の状態を整えることで不安が和らぎ、少しずつ落ち着いて生活できるようサポートしていきます。ここでは、一般的にどのようなアプローチを行うのかをご紹介します。

1. 自律神経整体による施術

整体では、まず身体の緊張をゆるめ、自律神経のバランスを整えることを大切にします。

強迫性障害の方は、常に「緊張状態」にあり、心臓のドキドキや息苦しさ、不眠などを伴うことも少なくありません。

施術を受けると、呼吸が深まり、筋肉のこわばりが取れて心身がリラックスしやすくなります。その結果、不安の波に押し流される感覚が和らぎ、「少し落ち着ける」という体験が積み重なっていきます。

また施術中は、安心していただけるように対話を交えることも多くあります。不安な気持ちに寄り添うことで、心も体もほっとゆるむ時間を持つことができます。

2. 栄養療法と食生活の見直し

自律神経の不調は、栄養状態とも深く関係しています。血糖値が乱れやすかったり、腸内環境が悪化していたりすると、心の安定も妨げられてしまいます。

そのため、食生活の改善を取り入れることが有効です。

具体的には、低糖質・高タンパク質の食事を基本にし、必要に応じてプロテインやサプリメント(ナイアシンアミド、マグネシウム、亜鉛など)を活用します。

こうした栄養面の調整によって、体がしっかりエネルギーを作れるようになり、神経伝達の働きも安定していきます。すると、気持ちの落ち込みや不安感が軽減され、精神的にも安定してくるケースが少なくありません。

3. 瞑想レッスンによる心のセルフケア

さらに効果的なのが「瞑想の実践」です。

瞑想を通して、不安な思考や強迫的な観念に巻き込まれず、「ただの一時的な感情や考え」として受け流す力を養うことができます。

最初は不安や妄想にとらわれやすい方でも、瞑想を習慣にすると少しずつ客観的に自分の心を眺められるようになります。

「不安はただの通り過ぎる感情である」と気づくことで、不安に飲み込まれるのではなく、落ち着いてやり過ごせるようになるのです。

結果として、強迫観念が出てきても冷静に受け流せるようになり、日常生活での安心感が増していきます。

まとめ

このように、

  • 身体の緊張をゆるめる整体施術

  • 栄養状態を整える食事やサプリメントの活用

  • 不安に距離を取れるようになる瞑想の実践

といった複数のアプローチを組み合わせることで、強迫性障害に伴う不安や心身の不調が和らぎ、安定した生活を取り戻していくことが可能です。

整体は単独で「病気を治す」ものではありませんが、心身を支える大切なサポートとなりえます。医療や他の療法と並行しながら、安心して生活できるような土台を作ることができるのです。

【関連ページ】

>>うつの整体

>>自律神経失調症の整体