最近、なんとなく体が重い、朝から疲れている、休んでもスッキリしない…そんな「だるさ」や「倦怠感」を感じていませんか?

明確な病気ではないけれど、常に疲れているような状態が続くと、心まで沈んでしまいます。

仕事や家事に集中できなかったり、気分が落ち込んだりと、生活の質にも大きく影響してしまいますよね。

こうした慢性的なだるさや倦怠感の原因は、実は体の“内側”や“バランスの乱れ”にあることが少なくありません。

そして、整体によってそのバランスを整えることで、自然と心身が軽くなるケースも多いのです。

この記事では、整体の視点から、慢性的なだるさ・倦怠感の原因と、改善へのヒントをご紹介します。

慢性的なだるさ・倦怠感の原因とは?

原因がはっきりしない「だるさ」や「倦怠感」の正体

「体がだるくて朝から動けない」「仕事が終わるころには全身が鉛のように重たい」「どれだけ寝ても疲れが取れない」――。

このような慢性的なだるさ・倦怠感に悩まされている方は非常に多く、当院にもそうしたお悩みで来院される方が少なくありません。

多くの方が「年齢のせいかな」「気のせいかも」と我慢しがちですが、実はこれらの不調には明確な身体のサインが隠れていることがほとんどです。

以下では、だるさ・倦怠感を引き起こす代表的な原因を詳しく見ていきましょう。

【1】自律神経の乱れによるだるさ・倦怠感

現代人にもっとも多いのが、自律神経の乱れによる倦怠感です。

自律神経とは、呼吸・内臓の働き・血流などを24時間自動で調整している神経で、「交感神経(活動モード)」と「副交感神経(休息モード)」がバランスよく切り替わることで、私たちは健康を保っています。

ところが、仕事や人間関係のストレス、不規則な生活、スマホの使い過ぎなどが続くと、自律神経のバランスが崩れ、「常に緊張状態」のままになってしまいます。

この状態では、体が十分にリラックスできず、夜しっかり寝ても疲れが取れない、朝からだるいといった症状につながるのです。

【2】血流の悪化がもたらす全身のだるさ

肩こりや腰痛などが慢性化している方は、筋肉の緊張や体の歪みにより、血流やリンパの流れが悪くなっていることが多いです。

血流が悪いということは、酸素や栄養が体の隅々まで届きにくくなり、同時に老廃物も排出されにくいということ。

すると、細胞の代謝が低下し、エネルギーが作られにくくなり、「何もしていないのに疲れる」「体が重くてだるい」という状態に陥ってしまいます。

特にデスクワークや長時間の同じ姿勢が多い方、運動不足の方は注意が必要です。

【3】内臓疲労による隠れた倦怠感

「胃腸が弱っている」「お腹が張る」「食欲がない」などの症状がある方は、内臓疲労がだるさや倦怠感の原因となっている可能性があります。

内臓が疲れていると、それをカバーしようとして周囲の筋肉が過剰に働いたり、血流が集中したりします。その結果、他の部分に必要なエネルギーが回らなくなり、全身がどっと疲れるような感覚になるのです。

とくに甘い物・冷たい飲み物・脂っこい食事の摂りすぎは、内臓を冷やし、消化器系の働きを低下させ、慢性的なだるさにつながりやすい傾向があります。

【4】ホルモンバランスの乱れと倦怠感

女性に多い原因として、ホルモンバランスの乱れも見逃せません。

月経周期、更年期、出産後など、ホルモンの変動が大きい時期には、心身ともに不安定になりがちです。

ホルモンと自律神経は密接に関わっているため、ホルモンの変化が自律神経にも影響し、疲れやすさや無気力感、睡眠の質の低下などを引き起こします。

また、ホルモンバランスの乱れは「感情面」にも影響し、気分の落ち込みやイライラといった精神的な不調と倦怠感がセットで現れることもあります。

【5】精神的ストレスによる慢性的な疲労感

「頭では元気なつもりなのに、体がついてこない」

このような状態が続く方は、精神的ストレスがだるさの根本原因かもしれません。

ストレスが続くと脳は休めず、交感神経が常に優位に。副腎(ストレスに対処するホルモンを出す臓器)が疲れてしまうと、「副腎疲労」と呼ばれる状態に陥り、慢性的な疲労感が続くことになります。

こうした場合、ただ休むだけでは回復せず、「回復できる状態を作る」ことが必要です。

整体でアプローチできるだるさ・倦怠感

体の歪みが引き起こす慢性的なだるさ・倦怠感

だるさや倦怠感を根本から改善するには、原因となっている身体のバランスの乱れを整えることが大切です。

整体では、筋肉や骨格、神経、内臓の位置関係までを丁寧に調整しながら、体全体の流れを整えることで、慢性的な不調にアプローチしていきます。

では、具体的にどのような原因に整体が働きかけるのか、詳しく見ていきましょう。

【1】骨格や筋肉の歪みによる血流・神経の滞りを解消

体のゆがみは、想像以上に「疲れやすさ」に関わっています。

たとえば、背骨や骨盤のズレがあると、周囲の筋肉がバランスを保つために過剰に緊張し、結果的に常に力を入れた状態になります。

この状態が続くと筋肉内の血流が悪化し、酸素や栄養の巡りが滞ることで、だるさや倦怠感が抜けない状態が続くのです。

整体では、こうした筋肉の過緊張や骨格の歪みを整えることで、血流や神経の流れをスムーズにし、体が自然と軽くなる状態を作ります。

【2】自律神経のバランスを整えて内側から元気に

前章で触れたように、慢性的なだるさや倦怠感には自律神経の乱れが深く関わっています。

整体では、背骨まわりの緊張を緩めたり、頭蓋骨や首の調整を行うことで、自律神経のバランスを整える施術を行います。

とくに首や後頭部まわりの筋肉が硬くなっていると、副交感神経の働きが弱まり、リラックスできない体になってしまいます。

こうしたポイントを的確にゆるめていくことで、「眠りが深くなった」「朝すっきり起きられるようになった」「気分が落ち込みにくくなった」といった変化を感じられる方も多いです。

【3】内臓の位置や機能に働きかける整体で内側からだるさを軽減

整体では、外から筋肉や骨を調整するだけでなく、内臓の位置や動きにアプローチする施術もあります。

たとえば、胃や腸が下垂していたり、肝臓まわりが硬くなっていると、内臓の血流が悪くなり、消化吸収の機能が落ち、全身に必要なエネルギーが行き渡らなくなります。

この状態が続くと、何をしても疲れが取れず、常にだるい・重たいと感じるようになります。

内臓に優しくアプローチする整体は、そうした**「隠れた疲労の原因」に直接働きかける**ことで、だるさの根本改善をサポートします。

【4】「呼吸の浅さ」を改善し、だるさを解放する

だるさや倦怠感を感じている方の多くに共通するのが、「呼吸が浅い」状態です。

呼吸が浅くなると酸素が十分に取り込めず、細胞がエネルギー不足になり、結果として体が重く感じられるのです。

整体では、肋骨や横隔膜、肩甲骨まわりの調整を通じて、自然に深く呼吸できるように導きます。

呼吸が深まると、自律神経が整い、酸素の供給もスムーズになり、心身ともにスッと軽くなるような感覚が生まれます。

【5】“気の巡り”を整える整体でエネルギーの流れを改善

当院では、身体の構造面だけでなく、エネルギー(気)の流れにも着目した施術を取り入れています。

東洋医学では、「気・血・水」が滞ることで不調が生じるとされており、だるさや倦怠感も気の巡りの悪さによって引き起こされると考えられています。

施術中に、呼吸や皮膚の反応、身体の微細な動きからエネルギーの滞りを感じ取り、優しく整えることで、自然治癒力が高まり、体が本来の軽やかさを取り戻していきます。

整体を受ける際のポイントと注意点

だるさ・倦怠感の改善に向けて整体を上手に活用するには

慢性的なだるさや倦怠感は、体と心のバランスが崩れているサインとも言えます。整体はそのバランスを整えるためにとても有効な手段ですが、施術を受けるだけでは十分な効果を実感できないこともあります。

ここでは、整体の効果をより高めるための受け方のコツや、注意点について詳しく解説していきます。

ポイント①:リラックスして施術を受ける

整体の効果を高めるうえで、最も大切なことのひとつが「心身のリラックス」です。施術を受けるときに緊張していると、筋肉がこわばり、呼吸が浅くなり、整体の刺激が体の深部まで届きにくくなります。

実際に、緊張しながら施術を受けていた方が、「力を抜くコツがわかってからは、体の変化が早くなった」とおっしゃることもよくあります。

信頼できる施術者に体を委ね、深く息を吐いてみてください。その“ゆだねる”という意識が、治癒力を最大限に引き出す鍵となります。

ポイント②:継続的なケアを意識する

だるさや倦怠感が慢性化している場合、体には長年のクセやゆがみが染みついています。整体の施術でそれらを一度で完全にリセットすることは難しく、段階的に整えていくことが必要です。

たとえば、施術直後は楽になっても、数日で元に戻ってしまうという方は、体が「古いパターン」に戻ろうとしている証拠です。そこで数回にわたる継続施術が効果を発揮し、だるさや疲労感の根本的な改善につながっていきます。

また、施術の間隔を空けすぎると体がリセットされる前に元に戻ってしまうこともありますので、最初は短い間隔で数回通うことをおすすめします。

ポイント③:日常生活でのセルフケアを取り入れる

整体だけで体をすべて整えることは難しく、日常の過ごし方がとても重要になります。以下のようなセルフケアを取り入れることで、整体の効果が持続しやすくなり、だるさ・倦怠感の根本改善にもつながります。

  • 姿勢を見直す

    猫背や前かがみの姿勢は、首や背中を緊張させ、自律神経にも悪影響を及ぼします。座る・立つ姿勢を意識するだけでも違いが出てきます。

  • 深い呼吸を意識する

    ストレスや疲労がたまると呼吸が浅くなり、酸素が十分に行き届かなくなります。ゆっくりと腹式呼吸を意識することで、心身がリラックスし、回復が早まります。

  • 睡眠環境を整える

    睡眠の質が悪いと、いくら整体で整えても翌日にリセットされてしまいます。寝具を見直したり、寝る前のスマホ使用を控えるなど、質の良い睡眠をとる工夫が重要です。

  • 冷えの対策をする

    冷えは血流を悪くし、だるさや疲労感の原因となります。温かい飲み物や入浴、衣類で体を温める習慣も、回復力の底上げにつながります。

  • 毎日湯船に入浴する

    シャワーだけで済ませる方も多いですが、湯船に浸かることで全身の血行が良くなり、副交感神経が優位になって深いリラックス効果が得られます。特にだるさや倦怠感を感じているときは、ぬるめのお湯(38〜40℃)にゆったり浸かることで、疲労の回復が促されます。

    さらに、入浴によって筋肉の緊張がほぐれ、整体で整えた体の状態を長持ちさせることにもつながります。

  • 栄養面の改善

    体の疲れやだるさは、栄養不足や偏った食生活とも密接に関係しています。特に、たんぱく質・鉄分・ビタミンB群・マグネシウムなどは、エネルギー代謝や神経系の働きに必要不可欠な栄養素です。

    甘いものや炭水化物に偏った食事、または食事を抜く習慣は、慢性的な疲労感を助長する原因になります。バランスの良い食事を心がけ、必要であればサプリメントの活用も検討すると良いでしょう。整体と組み合わせることで、内と外からのケアが可能になります。