
「口を開くと顎が痛い」「顎関節症と言われたけれど、なかなか良くならない」そんなお悩みを抱えていませんか。
顎の痛みがあると、多くの方は「顎関節に原因があるはず」と考えがちです。しかし整体の現場では、顎そのものに原因がないケースを数多く見てきました。
今回ご紹介するのは、顎関節には特に問題がなく、足と骨盤を整えることで顎の痛みが大きく改善したケースです。痛みが出ている場所と、本当の原因となっている場所は必ずしも一致しません。身体は全身でバランスを取り合っており、一か所の歪みや崩れが、思いもよらない部位に負担をかけることがあります。
この記事では、なぜ顎の痛みの原因が「足」にあったのか、足や骨盤と顎関節の意外な関係、そして痛いところを触らなくても症状が変わる理由について、実際の施術例をもとにお伝えします。
顎の痛みがなかなか改善しない方、顎関節症と診断されて不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。
顎の痛み=顎関節の問題とは限らない

多くの人が「顎だけ」を疑ってしまう理由
「口を開くと顎が痛い」「食事のときに違和感がある」このような症状が出ると、多くの方は真っ先に顎関節を疑います。実際、医療機関や一般的な施術院でも「顎関節症ですね」と言われることは少なくありません。そのため、顎を直接調整したり、マウスピースを使ったりと、顎だけに対するアプローチが行われることが多くなります。
しかし、顎関節そのものに大きな問題が見つからないにもかかわらず、痛みや違和感が続くケースも多く見られます。そうした場合、顎だけに原因を求め続けても、なかなか改善につながらないことがあります。
顎は全身のバランスの影響を受けやすい
顎は、頭や首、肩だけでなく、背骨や骨盤、さらには足元の状態とも密接につながっています。身体は全体でバランスを取り合っているため、どこか一か所に歪みや不安定さが生じると、その影響が別の場所に現れることがあります。顎の痛みも、その「結果」として表れている場合があるのです。
特に、姿勢の崩れや体重のかかり方、骨盤の傾き、足の安定性などは、無意識のうちに顎周囲の緊張を強めてしまうことがあります。そのため、顎関節だけを見ていては、本当の原因を見逃してしまうことも少なくありません。
今回ご紹介するケースも、顎関節自体を丁寧に確認しましたが、関節そのものに大きな問題は見られませんでした。そこで視点を変え、全身のバランスを確認していったところ、顎の痛みと深く関係する意外なポイントが見えてきたのです。
顎の痛みの原因は、足にあった

何気ない一言から見えてきた足の違和感
顎関節そのものに大きな問題が見られなかったため、次に全身の状態を確認していきました。その中でまず注目したのが「足」です。するとお客様が、ふと思い出したように「そういえば最近、左の足の甲が時々痛むことがある」と教えてくださいました。
このような何気ない違和感は、日常生活の中では見過ごされがちです。しかし整体の視点では、とても重要なヒントになります。足は身体を支える土台であり、足元の不安定さは、姿勢や骨盤、背骨を通して全身に影響を及ぼします。
横アーチを整えた瞬間に起きた変化
詳しく足を確認してみると、左足の横アーチが少なくなっている状態でした。横アーチが崩れると、体重のかかり方が偏り、無意識のうちに身体のバランスが崩れてしまいます。その影響が上半身へ伝わり、結果として顎周囲に負担がかかることもあります。
そこで、横アーチがしっかり働くように足をやさしくホールドした状態で、もう一度口を開けてもらいました。すると、先ほどまであった顎の痛みが大幅に軽減したのです。顎には直接触れていませんが、足元が安定したことで、身体全体のバランスが変わり、顎への負担が一気に減ったと考えられます。
この変化に、お客様ご本人もとても驚かれていました。「まさか足で顎が変わるとは思わなかった」という言葉が、まさにこの施術を象徴していました。
骨盤へのアプローチで顎の痛みがほぼ消失

踵突き出し操法で骨盤を整える
足へのアプローチで顎の痛みが大きく軽減しましたが、さらに全身のバランスを整えるために、次は骨盤にアプローチしていきました。今回行ったのは「踵突き出し操法」という、身体に負担をかけずに骨盤のバランスを整える操体法の一つです。
この操法は、無理に力を加えることなく、身体が本来持っている自然な動きを引き出すことで、骨盤や体幹の緊張を緩めていきます。刺激はとてもやさしいものですが、神経系に働きかけるため、身体の深い部分から変化が起こります。
骨盤が整うと顎の緊張も抜けていく
踵突き出し操法を行ったあと、再度口を開けてもらうと、顎の痛みはほとんど気にならない状態になっていました。顎には一切触れていませんが、骨盤が安定することで背骨全体のバランスが整い、結果として顎周囲の緊張も自然と抜けていったと考えられます。
念のため最後に顎関節そのものも確認しましたが、関節には特に問題は見られませんでした。今回のケースでは、顎関節の痛みは「顎の問題」ではなく、足と骨盤のバランスの乱れが引き金となっていたことが分かります。
このように、痛みが出ている場所だけを追いかけるのではなく、全身のつながりを見ていくことで、身体は無理なく変化していきます。強い刺激や痛みを伴う施術を行わなくても、バランスが整えば症状は自然と落ち着いていくのです。
痛みの原因は、思ってもみない場所にある

症状は「結果」、原因は別の場所にあることが多い
今回のケースのように、痛みが出ている場所と原因となっている場所が一致しないことは、整体の現場では決して珍しくありません。顎が痛いからといって、必ずしも顎関節そのものに問題があるとは限らないのです。
身体はすべてつながっており、足元の不安定さや骨盤の歪み、姿勢の崩れなどが、時間をかけて別の部位に負担をかけていきます。その結果として、ある日突然「顎が痛い」「腰が痛い」「肩が上がらない」といった症状が表に出てくることがあります。症状はあくまでサインであり、本当の原因はもっと別のところに隠れている場合が多いのです。
全身のバランスが整うと身体は自然に変わる
当院では、痛みのある場所を無理に調整するのではなく、身体全体のバランスやつながりを大切にしています。今回も顎にはほとんど触れず、足と骨盤を整えることで、顎の痛みは自然と落ち着いていきました。
強い刺激や痛みを我慢する施術は必要ありません。身体に負担をかけず、神経系の緊張が緩むと、身体は本来の状態を思い出し、自分の力で回復していきます。優しい刺激でもしっかり変化が起こるのは、このためです。
顎の痛みがなかなか改善しない方、顎関節症と診断されて不安を感じている方は、「顎以外の視点」から身体を見直してみることも大切です。思ってもみない場所を整えることで、長く悩んでいた症状がスッと軽くなることもあります。
身体はとても正直です。全身のバランスが調和すると、無理をしなくても、痛みは自然と引いていきます。

