
長時間座ったあと、立ち上がろうとした瞬間に
「イタタ…」と腰に痛みを感じたことはありませんか。
しばらく動いていると楽になるため、
「年齢のせいかな」「座りすぎただけだろう」と
ついそのままにしてしまう方も多いかもしれません。
しかし、立ち上がる時に出る腰痛は、
身体が出している小さなサインでもあります。
特にデスクワークや車の運転など、
長時間同じ姿勢が続く生活をしている方に起こりやすい症状です。
この痛みは、腰そのものだけが原因とは限りません。
整体の視点から見ると、
腸腰筋の収縮や血流の低下、身体の動きの連動性が
深く関係しているケースが多く見られます。
この記事では、
「なぜ立ち上がる時に腰が痛くなるのか」
そして「どのように対策していけばよいのか」を、
整体的な考え方をもとに、わかりやすくお伝えしていきます。
立ち上がる時の腰痛はなぜ起こる?主な原因を整体から解説

長時間座ったあとに立ち上がろうとした瞬間に腰が痛むのは、腰そのものに問題があるとは限りません。整体の視点から見ると、多くの場合、座っている間に起こっている筋肉の収縮や血流の低下が大きく関係しています。特に重要なのが、身体の深部にある腸腰筋の状態です。
腸腰筋が収縮したまま固まってしまう
腸腰筋は背骨の腰の部分から骨盤を通り、太ももの内側につながる筋肉で、「座る」「立つ」「歩く」といった動作の要となる存在です。座っている姿勢では、この腸腰筋は常に縮んだ状態になります。長時間その姿勢が続くと、腸腰筋は動かされないまま硬くなり、本来のしなやかさを失っていきます。その状態で立ち上がると、縮んでいた腸腰筋が一気に引き伸ばされ、腰や骨盤周囲に強い負担がかかります。立ち上がる瞬間に腰の奥が痛んだり、体がスムーズに伸びない感覚が出るのは、この影響によるものです。数歩歩くと少し楽になるのは、動きの中で腸腰筋が徐々にほぐれ、働きを取り戻していくためです。
血流が悪くなり、筋肉が回復できていない
長時間同じ姿勢で座り続けると、筋肉はほとんど動かず、血流が滞りやすくなります。血流が悪くなると、筋肉に必要な酸素や栄養が十分に届かず、疲労物質も排出されにくくなります。その結果、筋肉は回復できないまま硬くなり、少しの動作刺激でも痛みを感じやすい状態になります。立ち上がるという動きは、腰や骨盤周囲の筋肉に一気に力がかかるため、血流が低下して硬くなった筋肉には大きな負担となり、腰痛として現れやすくなります。動き始めてしばらくすると痛みが和らぐのは、筋肉が動くことで血流が改善し、緊張が少しずつ抜けていくためです。
このように、立ち上がる時の腰痛は「腰が悪いから起こる」のではなく、腸腰筋の収縮や血流の悪化といった、座り姿勢による身体の変化が積み重なって起こるケースが非常に多いのです。
立ち上がる時の腰痛に整体が有効な理由

立ち上がる時の腰痛に対して、「腰を揉めば良くなる」「ストレッチをすれば大丈夫」と考えている方も多いかもしれません。しかし実際には、腰だけをケアしても症状が繰り返されてしまうケースが少なくありません。整体では、痛みが出ている部分だけでなく、身体全体のつながりや動きのバランスを重視して施術を行います。
腸腰筋・骨盤・股関節の連動を整える
整体では、立ち上がる動作に深く関わる腸腰筋、骨盤、股関節の動きに注目します。腸腰筋が硬くなっていると、骨盤の動きが制限され、立ち上がる際に腰だけで体を支えようとしてしまいます。その結果、腰への負担が増え、痛みが出やすくなります。整体で腸腰筋周辺の緊張をやさしく整え、骨盤や股関節が本来の動きを取り戻すことで、立ち上がる動作が腰に偏らず、全身を使ってスムーズに行えるようになります。
血流を促し、筋肉が自然にゆるむ状態をつくる
整体の施術では、強く押したり無理に伸ばしたりするのではなく、身体が安心して力を抜ける状態をつくることを大切にします。筋肉がゆるむと血流が改善し、酸素や栄養が行き届きやすくなります。血流が良くなることで、座り姿勢で溜まっていた疲労が回復しやすくなり、立ち上がる時の腰痛も起こりにくくなっていきます。動き始めの痛みが軽くなったり、立ち上がる動作そのものが楽に感じられるようになるのは、この変化によるものです。
「痛みを取る」より「動きやすい身体」に整える
整体の目的は、その場の痛みを一時的に和らげることだけではありません。腸腰筋や血流の状態、身体の使い方を整えることで、立ち上がる、歩く、座るといった日常動作が負担なく行える身体を目指します。その結果として、立ち上がる時の腰痛が自然と起こりにくくなり、再発の予防にもつながっていきます。
立ち上がる時の腰痛を防ぐために日常で気をつけたいポイント

立ち上がる時の腰痛は、日常のちょっとした習慣を見直すことで、負担を軽くできる場合があります。難しい運動や特別なケアをする必要はなく、普段の過ごし方を意識することが大切です。
長時間同じ姿勢を続けない
座っている時間が長くなるほど、腸腰筋は縮んだまま固まりやすく、血流も悪くなります。デスクワークや運転中は、30分から1時間に一度を目安に、立ち上がったり軽く体を動かしたりするようにしましょう。大きく動かなくても、姿勢を変えるだけで血流は変わってきます。
立ち上がる前にワンクッション入れる
椅子から立ち上がる時に、いきなり体を起こすのではなく、軽く前に体重を移し、呼吸を整えてから立ち上がるようにします。このひと呼吸が、縮んでいた腸腰筋や腰回りの筋肉に余裕を与え、立ち上がる瞬間の負担を和らげてくれます。
座り姿勢を見直す
浅く腰掛けたり、背中を丸めた姿勢は、腸腰筋が常に縮みやすい状態をつくります。椅子には深く腰掛け、骨盤を立てる意識を持つだけでも、腰や股関節への負担は軽減されます。足裏を床につけ、無理のない姿勢を心がけることも大切です。
日常の中で体を「動かす時間」を増やす
特別なストレッチをしなくても、こまめに立つ、歩く、体を伸ばすといった動きが、血流を促し筋肉を回復しやすい状態にしてくれます。立ち上がる時の腰痛を感じている方ほど、「動かない時間が長くなっていないか」を意識してみてください。
立ち上がる時の腰痛は、身体からのサインかもしれません

立ち上がる時だけに出る腰痛は、強い痛みではないことも多く、「少し気になる程度」として見過ごされがちです。しかし整体の視点から見ると、それは腸腰筋の緊張や血流の低下、身体の動きのバランスが崩れていることを知らせるサインである場合が少なくありません。
日常生活の工夫で楽になることもありますが、痛みが繰り返されたり、だんだん強くなってきたりする場合は、身体のどこかに無理が積み重なっている可能性があります。腰だけをケアしても改善しにくいと感じている方ほど、腸腰筋や骨盤、股関節を含めた全体のバランスを整えることが大切になります。
整体では、痛みのある部分だけを見るのではなく、身体の使い方や緊張のクセを丁寧に確認し、無理のない状態へと整えていきます。立ち上がる動作が楽になったり、腰への不安を感じにくくなったりすることで、日常生活そのものが過ごしやすくなる方も多くいらっしゃいます。
もし立ち上がる時の腰痛が気になっているようでしたら、「年齢のせい」「座りすぎだから仕方ない」と決めつけず、一度ご自身の身体の状態を見直してみてください。身体を整えることで、今よりも楽に動ける感覚を取り戻せるかもしれません。
当院では、立ち上がる時の腰痛を「痛みだけの問題」として捉えていません。身体はすべてつながっており、腸腰筋の緊張や血流の低下、姿勢や呼吸のクセなど、さまざまな要素が重なって今の状態がつくられていると考えています。そのため、無理に矯正したり強い刺激を与えるのではなく、身体が本来持っている回復力が働きやすい状態へと整えることを大切にしています。痛みを追いかけるのではなく、動きやすさや安心感を取り戻すことが、結果として腰への負担を軽くし、日常を楽に過ごすことにつながると考えています。

