高血圧は、血管内の血液の圧力が通常よりも高い状態を指します。
通常、心臓が収縮するときに血液を体中に送り出すために血管にかかる圧力が上昇しますが、その圧力が常に高い状態が続くことが高血圧です。
高血圧の主な原因は、遺伝的要因、生活習慣(高塩分の食事、肥満、運動不足、喫煙など)、ストレス、加齢などが挙げられます。
高血圧の診断は、血圧の測定で行われ、通常は収縮期(心臓が血液を送り出すときの最高の圧力)で140mmHg以上、拡張期(心臓がリラックスして血液が流入するときの最低の圧力)で90mmHg以上の場合に診断されます。
治療法には、ライフスタイルの改善(食事、運動、ストレス管理など)、薬物療法(降圧剤)、などがあります。
この記事では高血圧に対して、降圧剤などの薬を一切飲まずに整体と栄養指導で劇的に改善した例を紹介します。
高血圧の改善例
70代男性。
血圧が高めだったが薬を飲みたくないので自然療法を中心に治したいとのことでした。
多忙で生活のペースが乱れ一時は上が230くらいにまで上がりました。
その後、東洋医学のツボ押しをしたり体操などを行い170~180くらいまで下がってきました。
自分ではそれ以上どうしたらよいかわからないので、なんとかならないかということで相談を受けました。
結論から言うと3回の通院で140くらいまで落ち着きました。
どんな施術をしたのか、どんなアドバイスを実践したのか、記録に残しておきます。
整体の施術:自律神経の調整
整体の施術は身体の緊張をゆるめ、全身のバランスを整えることと、自律神経の調整を行いました。
神経がリラックスするための調整を行いました。
ところが初回に施術をしたあとに言われたことが「心底リラックスできない」ということでした。
神経が過緊張状態になっていて、施術をしても緊張がなかなか緩まないのです。
緊張が緩みにくいのも原因があります。
精神面の原因以外にもあります。
この方は多忙によるストレスがかかっていたのですが、多忙な時期はすでに過ぎており精神的なストレスからはある程度解放されていたのです。
それにも関わらず神経が高ぶってリラックスしにくい状態にありました。
食事の内容を聞いたところ思い当たることがありました。
当院に来る前におにぎりを食べて、コーヒーを飲んで来たということでした。
おにぎりもコーヒーも自律神経のバランスが乱れている時はなるべく摂らない方がよいのです。
おかず無しで、おにぎりやパンのような糖質のみの食事をすると血糖値が急激に上昇します。
またコーヒーに含まれるカフェインを摂るとアドレナリンが分泌されます。
普段からそのような食事を繰り返していると自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になります。
その影響でリラックスできない身体になってしまっていたのです。
2回目来院以降は食事改善の効果もあり、深くリラックスしていただけるようになりました。
高血圧の改善に効果的だった栄養療法(食事の改善)
この方に効果的な栄養療法をお伝えしたところ、かなり真剣に取り組んでくださいました。
結果もびっくりするほど早く現れました。
約1週間後に2回目来院した時には140まで血圧が下がっていました。
その後また1週間後に来た時にも140前後で安定しているということなので、そのまま栄養療法をご自身で継続してもらい通院は終了しました。
実際に取り組んだ内容を紹介します。
糖質制限
甘いものが大好きでしたが、甘いお菓子やスイーツ類と小麦製品をできるだけ摂らないようにお伝えしました。
かなり厳格に取り組まれたようです。
砂糖と小麦を断ったところどんどん血圧が安定して、「食事でこんなにも劇的に変わるものなのですね!」とご本人もとても驚かれていました。
精製糖質と高血圧の関係
砂糖を使ったお菓子、パンやめん類などの小麦製品、白米など精製した糖質は急激に血糖値を上昇させます。
するとインスリンが大量に分泌され、一気に血糖値が下がります。
すると反対に、アドレナリンなどの血糖値を上昇させるホルモンが分泌されます。
血糖値が急激に上がったり下がったりすることで体は疲れやすくなります。
またアドレナリンの作用で交感神経が優位になり、血圧も上昇しやすくなります。
カフェイン断ち
コーヒーやお茶などに含まれるカカフェインは副腎皮質に作用してアドレナリンの放出を促進します。
アドレナリンは、交感神経の主要な神経伝達物質であり、身体的な興奮状態やエネルギーの増加をもたらします。
そのため、カフェインを摂取することで、アドレナリンの分泌が増加し、体が活性化される効果が期待されます。
これが、カフェインが眠気を防ぎ、覚醒状態を促進するメカニズムの一部です。
ところが自律神経のバランスが乱れている人はカフェインの作用でアドレナリンが多く分泌されてしまい興奮、緊張状態になります。
カフェイン摂取は一般的に一時的に血圧を上昇させることが知られています。
カフェインが副腎からアドレナリンの放出を促すため、血管が収縮し、心拍数が増加します。
これにより、一時的に血圧が上昇します。
この効果は一時的であり、通常は数時間以内に血圧は元のレベルに戻ります。
ただし、個々の人によっては、カフェインによる血圧上昇がより顕著に現れることがあります。
なので体調が安定するまでの間はカフェインを断つことをお薦めしました。
高たんぱく質の食事
糖質過多の食事をしている人は、相対的にたんぱく質が不足する傾向があります。
毎日何かしらたんぱく質を摂ってはいるものの、絶対量が不足しているのです。
体重×1gのたんぱく質が最低限必要と言われています。
60kgの人は60gのたんぱく質が必要です。
牛肉ステーキを200g食べても摂取できるたんぱく質は30g程度です。
ステーキ400gが必要最低限になります。
卵だと1個で7g摂取できるので9個も食べなくてはなりません。
大半の人はたんぱく質が不足傾向にあります。
毎食積極的に肉、魚、卵などのたんぱく質を摂ることをお薦めします。
さらに食事で不足するたんぱく質を補うために、プロテインを毎日2~3回に分けて摂取してもらいました。
まとめ:高血圧が整体と栄養療法で改善した理由
栄養療法と整体を併用したアプローチは、高血圧の改善に非常に効果的である結果がでました。
栄養療法では、バランスの取れた食事や必要な栄養素の摂取を重視し、整体では姿勢や筋肉のバランスを整え、血液循環を促進することで、高血圧の症状を緩和します。
個々の状況や体質に合わせた適切なアプローチを取ることで、健康な生活を送るための手助けとなります。
高血圧を改善したい人は、栄養療法と整体の組み合わせによって症状が改善され、生活の質が向上する可能性があります。
医療や自然療法の両方のアプローチを総合的に活用することで、より効果的な結果が得られるかもしれません。
※効果には個人差があり、あくまでも症例の一つであることをご了承ください。
血圧が下がった理由
整体と栄養療法で高血圧が改善された理由を考察します。
ストレス軽減
整体の施術は身体の緊張やストレスを軽減する効果があります。
ストレスが高血圧を引き起こす一因とされているため、定期的な整体のセッションを通じて、クライアントの身体と心のリラックスが促進されます。
筋肉の緊張が緩み、自律神経のバランスが整い、結果として血圧の上昇が抑制されたと考えられます。
血流改善
整体の施術によって筋肉や血管の緊張が和らぎ、血流が改善されます。
筋肉の緊張やコリが解消されることで、血管の拡張が促進され、血液が円滑に循環するようになります。
心臓への負担が軽減され、血圧が下がる可能性があります。
また、血流が改善されることで、臓器や組織への酸素や栄養の供給も増加し、全身の健康が向上するでしょう。
栄養指導による食生活改善
高血圧に影響を与える食事習慣の改善が行われた場合、血圧が正常値に戻ることがあります。
低糖質&高たんぱくの食事や適切な水分摂取量の確保などが血圧改善につながります。
栄養指導を通じてクライアントが健康的な食事習慣を身につけることで、体重のコントロールや動脈硬化の予防にもつながります。
体重管理
栄養指導により体重の管理が行われ、肥満や過体重が解消された場合、血圧が改善されることがあります。
肥満は高血圧のリスク因子の一つであり、体重の減少が血圧の正常化に繋がる可能性があります。
栄養バランスの取れた食事と適度な運動の組み合わせによって、体重のコントロールが行われることが重要です。
生活習慣の改善
整体や栄養指導を通じて、健康的な生活習慣が身につけられた場合、それ自体が高血圧のリスクを軽減します。
適切な睡眠、適度な運動、禁煙などの生活習慣の改善が血圧の改善につながります。
クライアントが健康的な生活習慣を定着させることで、継続的な血圧管理が可能となります。
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