「美容師だから、手首が痛いのは仕方がない」

長年、美容師として仕事を続けていると、手首の痛みに悩まされる方は少なくありません。

カットやシャンプー、ブローなど、手や指、手首を繰り返し使う仕事だけに、痛みがあっても「これも職業病のようなもの」「仕事を続ける限り治らない」と諦めてしまうこともあります。

今回ご紹介するのは、そんなふうに長年の手首痛を諦めていた美容師さんの症例です。

ところが、実際に身体の状態を確認してみると、痛みのある手首だけに問題があるわけではありませんでした。

前腕や肘、肩などを含めて身体を見ていくことで、長年悩んでいた手首痛が思いのほかあっさり改善。

ご本人も「こんなに変わるとは」と驚かれていました。

今回は、この症例を通して、なぜ手首が痛いのに前腕を見るのか、そして手首痛と前腕にはどのような関係があるのかについてお話しします。

「美容師だから手首痛は仕方ない」と諦めていた

長年続いていた美容師の手首痛

今回ご紹介するのは、美容師として長年仕事をされている方の手首痛の改善例です。美容師という仕事は、毎日のように手や指、手首を使います。カットではハサミを繰り返し開閉し、シャンプーでは手首を曲げたりひねったりしながら力を入れます。ブローやスタイリングでも、ドライヤーを持ちながら手首や指を細かく動かします。

一日だけなら大した負担ではなくても、それを毎日、何年、何十年と繰り返していれば、手首や腕には少しずつ負担が蓄積していきます。

今回の方も、以前から手首の痛みを感じていました。仕事で手首を使うと痛みが出る。かといって、美容師という仕事をしている以上、手首を使わないわけにはいきません。そのため、いつしか「美容師だから手首が痛いのは仕方がない」「これは職業病みたいなものだから、完全に治ることはないだろう」と考えるようになっていたそうです。

長年続いている痛みほど、このように「治らないもの」と思ってしまうことがあります。痛みが出るたびに少し休んだり、湿布を貼ったり、気をつけながら仕事をしたり……。その場では少し楽になっても、仕事をするとまた痛くなる。そんなことを繰り返しているうちに、痛みがある状態そのものが当たり前になってしまうのです。

「痛みがあるのが普通」になっていた身体

慢性的な痛みで難しいのは、痛みそのものだけではありません。長く痛みを抱えていると、「また痛くなるかもしれない」「仕事をすると悪化するかもしれない」という不安も出てきます。

特に美容師さんの場合、手や腕は仕事そのものです。手首が痛くても仕事を休むわけにはいかない。だから、多少痛くても我慢して仕事を続ける。そして、いつの間にか「痛みがある状態で仕事をする」ことに慣れてしまいます。

今回の方も、長年の経過から、手首痛が簡単に改善するとは思っていませんでした。ところが、実際に身体の状態を確認してみると、少し違った見方ができました。

手首に痛みがあるからといって、手首だけに問題があるとは限らないのです。

手首を動かしているのは手首だけではありません。その動きには前腕の筋肉や筋膜、橈骨・尺骨、さらに肘や肩の動きも関係しています。

そこで今回は、痛みのある手首だけを見るのではなく、前腕を中心に腕全体の状態を確認していきました。すると、施術後には手首の状態に変化が現れました。

長年の痛みだっただけに、ご本人もその変化に驚かれていました。「もう職業病だから仕方ない」と思っていた手首痛が、思いのほかあっさり変化したのです。

では、なぜ手首が痛いのに、前腕を見る必要があるのでしょうか。ここには、手首と前腕の意外な関係があります。

手首が痛くても、原因が手首にあるとは限らない

手首だけを見ていては分からないこと

手首が痛くなると、どうしても「手首に何か問題が起きている」と考えてしまいます。

もちろん、手首そのものに炎症や関節の問題などが起きている場合もあります。しかし、すべての手首痛が手首だけの問題とは限りません。

身体はそれぞれの部分が独立して動いているわけではなく、いくつもの関節や筋肉、筋膜などが連動して動いています。手首を動かすときも、手だけで動かしているわけではありません。前腕や肘、さらに肩まで含めた腕全体が関係しています。

例えば、前腕の動きが悪くなっていたり、肘の可動性が低下していたり、肩がスムーズに動かなくなっていたりすると、本来分散されるはずの負担が手首に集中してしまうことがあります。

その状態で美容師さんのように毎日手を使い続ければ、手首には少しずつ負担が蓄積していきます。

「痛い場所」と「原因となる場所」は違うことがある

整体で身体を見るときに大切なのは、痛みのある場所だけに注目しないことです。

例えば、腰が痛いからといって腰だけに原因があるとは限りません。肩が痛い場合でも、首や背中、腕などの状態が関係していることがあります。

手首も同じです。

「手首が痛い」という結果があっても、その背景には前腕や肘、肩などの動きの問題が隠れている場合があります。

特に美容師さんの場合、仕事中に手首を細かく動かしたり、前腕をひねったり、肘や肩を一定の位置で使い続けたりすることが多いため、手首だけでなく腕全体に負担がかかります。

そのため、当院では手首痛の方を施術するときも、最初から手首だけを見ることはありません。

手首の動きを確認するだけでなく、前腕の状態や肘の動き、肩の可動性なども確認していきます。

そして、その中から「どこに負担が集中しているのか」「どこを調整すると手首の動きが変わるのか」を探していきます。

実際に、手首痛の多くは前腕へのアプローチによって改善するケースがあります。

では、なぜ前腕がそれほど手首痛に関係するのでしょうか。

その理由の一つが、前腕には手首や指を動かす筋肉がたくさん存在していることです。次は、手首痛と前腕の具体的な関係について見ていきます。

手首痛の改善で重要な「前腕」

手首を動かしているのは手首だけではない

手首痛を改善するうえで、当院が特に注目しているのが前腕です。

前腕には、手首や指を動かすための筋肉がたくさんあります。手首を曲げたり伸ばしたり、手を握ったり開いたり、前腕をひねったりする動作にも、前腕の筋肉が関わっています。

美容師さんは仕事中、ハサミを使ったり、シャンプーをしたり、ドライヤーを持ったりと、手首や指を細かく動かす動作を一日に何度も繰り返します。そのため、手首だけでなく前腕にもかなりの負担がかかります。

前腕の筋肉や筋膜が緊張して動きが悪くなると、手首の動きにも影響が出てきます。すると、本来なら前腕全体で分散されるはずの負担が手首に集中し、痛みにつながることがあります。

そのため、手首が痛いからといって、手首だけを施術していても十分な変化が出ないことがあります。

橈骨と尺骨の動きにも注目する

前腕には、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という2本の骨があります。

この2本の骨は、手首や肘の動きと関係しながら、それぞれが動くことで前腕の複雑な動きを作っています。

例えば、手のひらを上に向けたり下に向けたりする「ひねり」の動作も、橈骨と尺骨の動きが関係しています。

美容師さんの場合、このような前腕をひねる動作や、手首を一定の角度で使い続けることが多いため、前腕の動きに偏りが生じていることがあります。

整体では、こうした橈骨と尺骨の動きやバランスも確認します。

さらに、前腕の筋膜の緊張や筋肉の状態、肘の動き、肩の可動性なども合わせて見ていきます。

つまり、「手首が痛いから手首を施術する」のではなく、手首に負担をかけている原因を腕全体から探していくわけです。

今回の美容師さんも、まさにこのような視点から身体を確認していきました。

長年「職業病だから仕方がない」と思っていた手首痛でしたが、実際には手首だけに問題があったわけではありませんでした。前腕を中心に身体の状態を整えていくことで、思いのほか早い段階で変化が現れたのです。

長年の「職業病」だと思っていた手首痛があっさり改善

手首だけでなく、前腕や腕全体を確認

今回の美容師さんの場合も、まず手首の状態だけを見るのではなく、前腕から肘、肩まで含めて身体の動きを確認していきました。

長年手首を使い続けてきたことで、前腕には緊張があり、橈骨と尺骨の動きにも左右差が見られました。また、肘や肩の動きも確認しながら、手首に負担がかかっている原因を探っていきました。

そこで、痛みのある手首だけを直接刺激するのではなく、前腕を中心に必要なところへ整体を行っていきました。

すると、施術後には手首の動きに変化が現れ、痛みも軽減しました。

「こんなに早く変わるとは思わなかった」

長年続いていた痛みだったため、ご本人も「そう簡単には変わらないだろう」と思っていたようです。

ところが、実際に整体を受けてみると、思っていた以上にあっさりと身体が変化しました。

ご本人もその変化に驚かれていました。

長年悩んでいた手首痛だからこそ、「もう治らない」と思い込んでしまうのも無理はありません。しかし、痛みが長く続いているからといって、必ずしも改善しないわけではありません。

今回のケースでは、手首そのものだけを見るのではなく、前腕を中心に、橈骨・尺骨、筋膜、肘、肩まで含めて身体全体のつながりを見たことが、改善のポイントになりました。

もちろん、すべての手首痛が同じように改善するわけではありません。痛みの原因や身体の状態は一人ひとり違います。

ただ、「美容師だから仕方がない」「長年の痛みだから治らない」と最初から諦める必要はないのです。

手首に痛みがあるときこそ、痛みのある場所だけではなく、その手首に負担をかけている身体の使い方や周辺の状態まで見ていくことが大切です。

美容師の手首痛を「職業病だから」と諦めないで

手首だけでなく、腕全体から身体を見直す

美容師という仕事では、手や指、手首を使うことは避けられません。そのため、多少の痛みがあっても「仕事柄仕方がない」と考えてしまう方は少なくありません。

しかし、仕事で手首を使うことと、手首の痛みが治らないことは別の話です。

長年続いている手首痛であっても、痛みのある手首だけを見るのではなく、前腕や肘、肩などを含めて身体全体を見ていくことで、改善のきっかけが見つかることがあります。

特に当院では、手首痛の場合、前腕の状態を重要視しています。前腕の筋肉や筋膜の緊張、橈骨と尺骨の動き、肘の可動性、さらに肩の動きなどを確認しながら、どこに負担がかかっているのかを探していきます。

「手首が痛いから手首を治す」という単純な考え方ではなく、なぜ手首に負担がかかっているのかを身体全体から考えることが大切です。

今回の美容師さんも、長年の手首痛を「職業病だから仕方がない」と諦めていました。しかし、実際には身体の状態を見直すことで変化が現れ、ご本人も驚くほどあっさりと痛みが改善しました。

「もう治らない」と決めつけないこと

長く続いている痛みほど、「この痛みとは一生付き合っていくしかない」と思ってしまいがちです。

特に、仕事をするたびに痛みが出る場合は、「仕事を辞めない限り治らないのでは?」と考えてしまうかもしれません。

もちろん、痛みの原因や身体の状態によって改善の仕方は異なりますし、すべての手首痛が同じように改善するわけではありません。

それでも、長年続いているからといって、最初から「治らない」と決めつける必要はありません。

もし美容師として仕事を続けながら手首痛に悩んでいるのであれば、一度、手首だけではなく前腕や肘、肩まで含めて身体全体の動きを見直してみることをおすすめします。

「美容師だから手首痛は仕方ない」と諦めていた方にとって、今回の症例が少しでも参考になればと思います。