執筆者:院長 上川名 修

ぐるぐる回るめまいでお悩みのあなたへ

急にめまいがするととても不安になります。
気持ち悪くなったり実際に吐いてしまうこともあります。

めまいにはいろいろな種類とそれぞれに原因があります。
ぐるぐる回るめまいを回転性のめまいと言います。

このページでは回転性めまいの原因を紹介します。
さらに原因ごとの対処法についても説明いたします。

  • ぐるぐる回るめまいで気持ちが悪い
  • 寝返りをうつとめまいがする
  • 顔を洗うとき下を見るとくらっとする
  • 急に振り返るとめまいがする
  • 自分の周りがぐるぐると回る感じがする
  • めまいで病院に通ったけれどなかなか改善しない

ぐるぐる回転するめまいの原因

ぐるぐる回転するめまいの原因

それではぐるぐる回るめまいの原因について説明いたします。
このようなめまいは回転性めまいと分類されます。

回転性めまいの原因は主に耳の問題と脳の問題に分けられます。

  1. 良性発作性頭位めまい症
  2. メニエール病
  3. 脳卒中
  4. その他

主に上にあげたような原因が考えられます。

良性発作性頭位めまい症とメニエール病は耳の問題で起こります。
脳卒中(脳出血や脳梗塞)でもめまいが起こることがあります。

それぞれのケースについて詳しく解説します。

1.良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症は比較的割合の高い症状です。
急に頭を動かしたときやある特定の向きを向いた時などにクラっとめまいがします。

朝ベッドから起き上がるときや夜寝る時に横になる時などにめまいがします。
寝返りをうつ時にも周囲がぐるぐる回る感じがします。

めまいだけでなく気持ち悪くなったり実際に嘔吐することもあります。
後に解説するメニエール病と同様に回転性のめまいが生じますが、耳鳴りや難聴の症状がないのが特徴です。
手足のしびれなどもありません。

回転性めまいがある人は、自分自身か周囲のもの、またはその両方が、動いたり回転したりしているように感じます。大半の患者はこの不快な感覚を「めまい」と表現しますが、ふらつきなど他の感覚に対しても患者が「めまい」という言葉を使うことがよくあります。

「頭位性」めまいとは、例えばベッドに横になったときや首を回したときなど、頭の位置を変えたときに回転性めまいが起こるという意味です。「良性」とは、この病気が危険なものではないという意味です。

良性発作性頭位めまい症は、年齢が高いほど発生しやすく、高齢者では平衡感覚に大きな影響が起こることがあり、それにより転倒やけがに至る場合があります。

引用:良性発作性頭位めまい症|MSDマニュアル家庭版

良性発作性頭位めまい症の原因

耳の中には平衡感覚をつかさどる内耳という器官があります。
耳の穴から入って奥の方にあります。

出典「人体解剖学 」南江堂

上の図では向かって右のほうにあります。

内耳は蝸牛と三半規管という部分から成り立っています。
三半規管が平衡感覚を保つ部分です。

三半規管
出典「人体解剖学 」南江堂

通常前庭に収まっている耳石というカルシウムの結晶が、はがれ落ちて三半規管(主に後半規管)の中に入ってしまうと、頭を動かしたときに耳石が動きめまいが生じるという仕組みになっています。

めがいがするととても気持ち悪いですが、良性発作性頭位めまい症は危険なものではないのでご安心ください。

2.メニエール病

メニエール病は日常生活に支障をきたすほどのひどいめまいに襲われます。
良性発作性頭位めまい症との症状の違いとしては、耳鳴りや難聴を伴うことです。
吐気や嘔吐の症状もみられます。

激しいめまいに襲われると立っていることも困難になるため横になって安静にして過ごします。
原因ははっきりと解明されていませんが内耳のリンパ水腫が原因とする説が有力です。

メニエール病の原因はずばり「内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれの状態)」です。その根底にはストレス・睡眠不足・疲労・気圧の変化・几帳面な性格などがあると考えられています。

引用:メニエール病について|井上耳鼻咽喉科

【関連ページ】

>>メニエール病

3.脳卒中によるめまい

脳出血や脳梗塞などの脳卒中によるめまいもあります。

こんな めまいが要注意!

では、どんなめまいが怖くて要注意なのでしょうか。怖いめまいとそうでないめまいを区別するのは、非常に難しいのですが、突然めまいが起きて、同時に「ロレツがまわらない」「手足に力が入りにくい」「ものが二重に見える」「感覚がおかしい」などの症状があれば、脳卒中の可能性が大ですから、すぐに脳卒中の専門医のいる病院へ行ってください。

引用:めまいと循環器病|国立循環器病センター 循環器病情報サービス

怖いめまいとは放置すると命にかかわる病気が潜んでいる場合です。
上にあげられている症状以外にも、しびれや強い吐き気がある場合やひどい頭痛が続くような場合にも注意が必要です。

何かおかしいなと感じるときには念のため専門医のいる病院へかかってください。

4.その他の原因

他にも高血圧、前庭神経炎、ウイルスが原因のハント症候群などによるめまいもあります。

ぐるぐる回転するめまいの対処法

ぐるぐる回転するめまいの対処法

次にぐるぐる回る回転性めまいの対処法を紹介します。
命にかかわる脳卒中のケースはすぐに専門医のいる病院を受診してください。

ここでは良性発作性頭位めまい症とメニエール病について述べたいと思います。

良性発作性頭位めまい症の対処法

良性発作性頭位めまい症の対処法は半規管に入ってしまった耳石を外に出すことです。
これはエプリー法として知られています。

寝返りをうちながら耳石の位置を動かして外に排出することを目指しています。
やり方はYouTubeでエプリー法で検索すると詳しいやり方がいろいろ出てきます。

当院のクライアント様でも何人かこの方法でめまいが改善しています。
病院や治療院に行く前に試してみる価値はあります。

メニエール病の対処法

メニエール病の原因として挙げられていることはストレスと内耳のリンパ液のむくみです。
当院の仮説ですがストレスにより首や頭の筋肉や筋膜が緊張することで体液の循環が滞ることが関係しているのではないかと考えています。

メニエール病では激しいめまいがおき、数十分から数時間続きます。
そのようなときは無理せずに安静にすることをお勧めします。

また症状を抑えるために専門医の病院を受診することも必要と考えます。
メニエール病は難聴や耳鳴りを伴うのでめまいと併せてそのような状態が続くときには耳鼻科の病院の受診をお勧めします。

病院で検査をしてもはっきり原因がわからない場合や、治療を続けても改善しにくいようなときには、首の筋肉のこりや自律神経の乱れが関係している可能性もあります。

まとめ

  • ぐるぐる回る回転性めまいの原因は主に耳の問題か脳の問題である
  • 脳の問題(脳卒中)はすぐに病院に行きましょう
  • 耳の問題は主に良性発作性頭位めまい症かメニエール病
  • 良性発作性頭位めまい症はエプリー法を試してみましょう
  • メニエール病は耳鼻科を受診
  • 薬を飲んでも改善しない場合や自律神経の乱れを感じる場合は整体も検討

下記関連ページも参考にされてみてください。

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>>めまいの整体